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信じたい
この酷い世界に
この醜い世界に
それでも
それでも
信じたい
僕は信じたい
傷だらけの手でも
握ってくれた
冷たい雨の中でも
小さな優しさが
まだ温かいことを
罵声の中に
ひとつだけ混じった
「大丈夫」が
本物であることを
嘘ばかりのニュースが流れる夜にも
どこかで誰かが
本当に誰かを救おうとしていることを
信じることは
時に馬鹿みたいに思えるかもしれない
それでも
それでも
信じたい
僕は信じたい
だって 信じなければ
僕が僕でいられないから
だから今日も
薄汚れた空を見上げて
わずかな光を探すんだよ
たとえ幻でも
信じたい
僕は信じたい
愚かなほどに
僕は信じたい
信じたいよ
この酷い世界に
醜い世界に
けして消えない優しさが
ほんの少し、残っていることを
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