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黒い森の悪しき魔女は三度恋をする  作者: 猫葉みよう@『婚約破棄された腹いせに〜』電子書籍配信中
第四章

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18/54

18_手放した恋心(1)

 リンッ──と、澄んだベルの音とともに、

「では、お気をつけてお帰りくださいませ……」

 そう言って、黒い森に棲まう魔女のイーリカは、今晩の客を古ぼけた小屋の扉から送り出した。


「はあ……」


 小さく息を漏らし、黒いローブのフードを後ろにやる。

 ふと視界に入った自分の平凡な焦げ茶色の髪の毛を、ついっとつまむ。


 ノアの婚約者と名乗る令嬢ベルーナと会った日から、イーリカはずっと気分が沈みがちだった。

 もうすでに十日以上経っているのに、あのハチミツ色のきれいな金髪が脳裏から離れない。

 そのたびに月光のような淡い金髪をもつノアと並ぶ姿を想像し、胸がきゅっと締めつけられる。


 イーリカはローブを着たまま身を投げ出すように、椅子へ腰かけた。


「イーリカ、りんご食べていいか?」


 客が置いていってくれたかごの中身を漁りはじめたライトが、イーリカを振り返る。


「あんたねぇ!」


 イーリカのそばに控え、心配そうに彼女を見上げていたラブラは、ライトの気楽な態度に苛立ちをあらわにする。


 ライトは返事を待つことなく、あーんとりんごにかぶりついたあとで、むしゃむしゃと咀嚼(そしゃく)しながら言った。


「つらいならまた忘れるっていう手もある」

「やめなさいよ」


 ラブラがすぐさま低い声音でライトをにらみつける。


「また……?」


 イーリカは引っかかるものを感じ、ライトを振り返る。


 ライトは肩をすくめるような仕草をして、

「いや、なんでもない」

 と言って、二個目のりんごにかぶりついた。



話が続いているので、このあと続きの19話も、あとで投稿できたらと思います!

ご覧いただけるとうれしいです!

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