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第二十八話 VS幽霊船

「こう暗いと、ねむくなりますデスよね」テッシちゃんが、目をこすりながらいう。

「ふいうちをする敵もいるし、注意してくださいね」

「目がさめる情報があるナノ」

「な、なんデスか?」

「実はこの洞窟には、幽霊がでるナノ」

「う、うそデスよね……」テッシちゃんはおびえ声で、カゲヤマさんの後ろへかくれる。


 マジかよ。

 俺、幽霊とか苦手なんだよな。


「本当ナノ。ここは冒険者にも有名な、幽霊スポットなの」


 そんなところに連れてくるなよ。

 大の男がビビっているところは、見せられない。


「どうせモンスターだろ。

 そんなやつ、俺がぶったおしてやんよ」俺は強がって言うが、声が震えている。

「さあ、それはどうでしょうね。

 ヤキソバとか、あんがい怖がりナノ?」


 なんか挑発的だな。


「じゃあ、幽霊がきたら、俺がたおしてやるよ。

 倒せなかったら、ビビってるってことでいいぞ」

「そこまでは言ってないナノ。でも面白そう」


 フェリリが言ったとき。

 俺は前方の洞窟のまがり角から、青白い炎が出ているのをみた。

 青白い炎は広がり、正体をあらわした。


「きゃああぁぁあデス!」

「なんなのじゃアレは!」

「幽霊ナノ!」


 高さは俺の背丈くらい。

 横幅、二メートル。

 地面から、五〇センチのところで、空中浮遊をする。

 ミニチュアの船だった。


「幽霊船 LV二〇 HP二〇〇〇 BP一五〇〇

 大海原に沈んだ、船のうらみが、つみ重なった幽霊。

 海ではなく、洞窟に出現するところをみると、

 うらみはあれど、後悔はしてないようだ。 ナノ」


 うわあ……こわくねえ。


「約束どおり倒してやんよ!」


 俺は宣言し幽霊船にむかっていく。

 だが、俺は二レンジの距離で、青白い炎にはばまれ、近づくことができない。


「……なんだこりゃ」

「幽霊船の障壁 パッシブスキル

 障壁、BP二〇〇〇以下 範囲二レンジ

 (BP二〇〇〇以下は自分から範囲に入れない) だってなの」

「なんだよそれ……攻撃できねーじゃねーか……」


 幽霊船は大砲から黒い煙をはいて砲撃する。

 ミニチュアの大砲だがいたい。


「ミニチュア大砲 

 四レンジ BP二〇〇〇で攻撃 なの」

「くそっ!」


 俺はたまらず逃げだし、ほかの三人もついてくる。

 やがて、幽霊船はみえなくなった――。


「この場合は、ヤキソバはビビッてたことになるナノ?」

「べつにそれでもいいぞ……」


 きた道へもどるか……

 俺たちは幽霊船にまた出くわさないように、幽霊船にあう道へ続く、分岐点をまがった。


「わたしが地図を買ってきたから、

 ガンガン進んでも、迷うことはないナノよ」

「それはナイス判断だな」

「しかも、この地図はコンパクトだし、水平にしなくても大丈夫なの」


 なるほど。

 一行はすすむ。

 すると、カンテラがカベをてらす。

 飛びでた一本の剣。


「これってアレ、デスよね」テッシちゃんが、目をこすりながら言う。

「そうだと思います」俺は答える。こいつはスケルトン・壁際族だろう。

「ちょっかい出すデス!」テッシちゃんは武器をかまえる。俺たちも装備を抜く。

「いくデス!」


 テッシちゃんは武器をふりかぶり『ふり下ろし』を使い、剣の根元へぶつける。

 つづけて、三人で攻撃しスケルトンを倒した。

 くずれていく、スケルトンとカベ。


「ん? なんだ?」


 スケルトンの入ってた穴。

 その穴の奥に、道が続いている。

 これは通路か。


「地図にのってないナノね」フェリリは言う。


 俺はしばし考える。

 スケルトン窓際族は穴をほり待つ。

 しかし、スケルトン窓際族の中には、

 わかれ道をうめて、その中にひそみ、待っているやつもいるのだろう。


 洞窟の入り口の近くでは、ひっかかるヤツもいるが。

 冒険者も、最初はひっかかっても、

 二度目以降は、学習してひっかからないのだろう。

 なので、こいつは、ずっと冒険者をひっかけれず、

 埋まったままだったのだろう。


「スケルトンが長い間、封鎖してた道なのかもね」

「この先は未知の通路ってことですか?

 いきましょうデス」


 テッシちゃん、アグレッシブモードですか?


「わしは無難に、ふつうの道の方がいい気がするのう」

「ヤキソバはどうおもうなの?」


 俺にふるのか。

 ここは、パーティメンバーのやる気に、

 水をさすのはよくないな。


「ちょっといってみようか」

「やったデス」テッシちゃんは、小ジャンプでよろこんでいる。

「じゃあ。ここから先は、

 白紙部分に、わたしがマッピングするナノ」フェリリがいう。

「助かるよ」


 俺たちは、長い間、埋まっていたであろう、

 洞窟の先へ、足を踏み出すことにした。

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