第十話 VSヤジマジロその2
俺は、倒れたまま顔をあげる。
みると、ヤジマジロは、
もういちど、樹木を、駆けのぼっていた。
「やべえっ……!」
そのとき、ヤジマジロの背後に、ひとつの影。
テッシちゃんだった。
ヤジマジロがはねとび、最高度になったとき、
テッシちゃんは、敵を上から、たたきおとした。
「三五ダメージなの!」
ヤジマジロは、ボール状態のまま、
地面に、叩きつけられる。
いちど、バウンドし、地面で止まり、
俺に、背をむけている状態で、ヤジマジロは身体を開く――。
「チャンスだ!」
俺はからだを起こし、立ち上がろうとした。
そのときだった。
視界に、光がチラつくのが見える。
右手をみる。
光ってるじゃねーかこれ!
そのまま、ヤジマジロへ、かけよって叫んだ――。
「十文字切り!」
一撃目の、横切りと同時に、
相手は対応して丸くなり、ヤジマジガードをする。
つづく、俺の二撃目の縦切り。
相手は、それをテールアタックで、むかえうつ。
俺は、テールアタックを身体にうけながらも、縦切りを相手にあてた。
「ヤジマジロに一八〇、二五五ダメージ。
ヤキソバに、六六ダメージなの!」
「よし、あと、ヤジマジロのHPはいくつだ?」
「六〇五なの」
俺は、移動をしない、ヤジマジロに対し、
攻撃をつづける。
「なで切り!」
ヤジマジロは丸くなりガード。
なで切りがあたる。
そのご、ヤジマジロは、連携で、テールアタックをはなつ。
俺の腹を、テールアタックの、尻尾がうつ。
「ヤジマジロに一〇〇ダメージ、ヤキソバに一四〇ダメージ、ナノ」
「……俺のHPは、あといくつだよ……?」
「二〇五なの……」
「マジかよ、やべえ……」
HPがゼロだと、経験値がもらえないとか、
そういうの、ないだろうな……
「やられても、大丈夫ですよ。
私が復活させますから」リリさんがいう。
ララさんが回復役で、リリさんが復活役なのか?
そんなことを思いつつも、戦いの場では、
テッシが、敵へ攻撃している。
ヤジマジロは、ヤジマジガードを使って、ふせぐ。
そのとき、俺の右手が光った。
いま、十文字切りを使ったら、テッシとの連携で、
二連撃の両方が、まともに入るんじゃね?
俺はすぐに、相手の近くにいき――。
「十文字切り!」
技をはなった。
相手は、俺の攻撃の一発目に、テールアタックをあわせる。
「ヤジマジロに、二五一 二九五ダメージ!
ヤキソバにも、七〇!
ヤジマジロを倒したナノ!」
ヤジマジロは、あおむけにたおれる。
そして、黒い、ほこりとなって消えていく。
それをみて、周りにいたヤジマジロは、逃げるように散っていった。
あくまでも、野次馬なのか……
「フェリリ、わざと、ヤジマジロが、逃げることを言わなかったな……」
「ドキドキしたナノ?」
フェリリは悪びれないようすだ。
こいつ……
「ヤキソバはLV六に、テッシちゃんはLV五になったよ。
テッシちゃんは『ふり下ろし』BP+五〇〇を覚えたナノ」
テッシちゃんは笑顔でうれしそうだ。
「そういえば、連携のとちゅうで、
動けなくなったことが、あったんですけど」
俺はリリさんに対し、疑問を口にしてみた。
「ああ、そうですね。
連携中は、巻きこまれた敵味方の、両方が、動けませんよ。
正確には、移動が困難です」
「えっ、こまるじゃないですか」
「こまることも、ありますけれど、有利なこともありますよ。
逃げ足の速い敵。
攻撃をかわす敵。
彼らに、攻撃が当たりやすくなります。
それに、技って、唱えると、おなじモーションで、
勝手に出ますよね?
相手がすばやくて、自由に動けると、わりと、簡単にさけられますよ」
それって、逆にいうと、
自分も、簡単に避けられないって、ことじゃねーの……?
つづけて、リリさんがいう。
「連携開始条件は
『自分が、技などで攻撃をして、相手が、一定時間ないに、反応をすること』
この反応には、防御技もふくまれます。
もう一つは
『一定時間ないに、二連続で、攻撃をあてること』です。
連携は、パーティを組んでいないと、できません。
というより、危険なので、やってはいけません。
これも、パーティのメリットの、ひとつです」
「ひとりだと。『ひとりで技をつなげる、連携攻撃しかできません』
特定の、組み合わせで、連携ができます。
それから、パーティで、つかう場合、
『パーティ人数にも、限界があります』
なので、なかまを三〇〇人あつめて、
敵一体をよってたかって、ボコボコにしたりもできません」
ララさんがいう。
「ほかにも、ルールがありますけど、きょうは、この辺にしましょう」「皆さんも疲れたでしょう」
「そういえば『なで切りの、べつの使い方』を、聞いていないですね」
「すみません。それは、次回にしましょう」「テッシさんが、技を覚えましたので、それを使って、やります」
「分かりましたデス」
「あっ、そういえば、もう一つ」俺はあることを思いだし言った。
「なんですか?」ララさんが答える。
「パーティの、組み方は、ききました。
手を上げて、みんなで、パーティーっていう、アレです。
でも、パーティを抜ける方法を、聞いていないんですけど」
「それは簡単ですよ」とリリさん。
「どんな方法ですか?」
「パーティぬけますね、といって、魔卓を操作します」こんな風に、と、ララさんはカチカチと、魔卓を操作する。
「なんかドライですね……」




