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第42話

大変お待たせしました。

更新再開といってから1か月超、本当にすみませんでした。

納得の良く文章が書けなくなってしまい、これが俗にいうスランプという奴ですかね…(汗)

調子が中々取り戻せていないので、この42話はぼちぼち改稿する予定ですが、話の大筋としてはかわりません。なんとなくで読み進めて下さい。

41話の少し変更を加えております。

完成度の低いものを投稿する事に迷いはありましたが、話を進める事を優先させて頂きました。

脳内変換、よろしくお願い致します。

「それはなぜです?」


 ブレイスが名前を明かさないのは、王弟妃を庇っているとしか思えない行動に見える。


「俺は、ラウルがお前との婚約を解消しない理由は王弟妃にあるんじゃないかと思ったことがある」

「え、今更ですよね? ラウルが王弟妃の傍に居る為に私を利用しているのは今日に始まった話ではないじゃないですか」


 何言ってんの、ダグラス様。それ以外に奴が私との婚約を解消しない理由はないよね。小っ恥ずかしくも『悲恋の人』の主人公と自分達を重ねて悦ってる人達ですよ?


「そうじゃなくてだな、ラウルが利用しているんじゃなくて、お前を利用しているのは王弟妃じゃないかって意味だ」

「……ふうん?…」

「納得が出来ない、という顔だな」

「いえ、そういう訳ではありませんが…」


 ラウルと王弟妃は、私からするとワンセットの存在だ。どちらが利用してようと、私が受ける被害は結局のところ同じな訳で何がどう変わるわけでもない。

 そんな風に思っているのがありありと分かったのだろう。ダグラス様がそんな私にどう言えばいいのかと、言葉を探しているようだった。


「只、気になるんですが、第4部隊はバウワー伯爵令嬢の聴取に関して異は唱えなかったのですか?」


 だが私はそんなダグラス様を無視して問うた。どちらが私を利用してようが別にどうでもいい。今私が知りたいのはこの一件についての事だ。

元々の私の予想では、バウワー伯爵令嬢は第4部隊の協力者だったのだ。ラウルはその事について何も言っていないのだろうか。

 ダグラス様は一瞬だけ熟慮したようだったが、気を取り直したように答えてくれた。


「いいや。お前らから報告を受けた宝飾店での出来事には驚いていたな。特にお前の婚約者は大袈裟なくらいな」

「へぇ…?」


 ただ大袈裟に驚いたというだけで何も口出ししてこなかったという事は、ラウルとバウワー伯爵令嬢は何の関係もないのだろうか。もしくは都合が悪くなったから彼女を切り捨てたとか? 

 うーん、それもなぜかしっくりこない。 

 もし王弟妃が関わっていたとしたのなら、王弟妃を守る為にバウワー伯爵令嬢を切り捨てる事くらいはするかもしれない。だが、あの無駄に理解の出来ない正義感を持っている奴がそんな事をするかな、と疑問に思う。しかもわざと大袈裟に驚いて見せるような腹芸ができる器用な人じゃない事を幼馴染の私は知っている。独りよがり劇場はできるくせにね。ある意味、器用とも言える。


「ではバウワー伯爵令嬢への聴取は諦めると?」


 私が問うと、ダグラス様は首を横に振った。


「強制的に聴取を行う事はできん。だが令嬢が何かしら関与している可能性はあるからには放置しておくわけにもいかん」


 そう言って、ニヤリと笑みを浮かべる。


「シエルリーフィ・バウワー伯爵令嬢は要観察対象として監視をつける事にした」


 それはつまり、泳がせる、という事。


「そう簡単に動きますかね?」

「彼女に関係があってもなくても、十中八九周囲は動くだろうさ」


 確かに極秘捜査であった時点ならまだしも、これだけ大事になってしまったからには犯人は動かざるを得ないとは思う。この件を隠ぺいするにしろ知らんふりができる時点はとっくに過ぎているのだから。


「今、彼女の周囲で動きを見せた人は?」

「それはだな…」


 意味あり気な笑みを浮かべたダグラス様に、おっ? と思いきや、


「秘密だ」


 で、ある。


「えー…」


 可愛らしく人差し指を口元に当てて『秘密♡』とか言ってますが全然可愛くないし、脱力感半端ない。むしろイラッとする。さっきまでの殊勝な態度はどこに行ったんですかね。


「そう怒るなよ。冗談はさておき、お前の疑いが完全に晴れた訳じゃないからな、これ以上は守秘義務に触る」

「それはそうですが…」


 釈然としない。ここまで教えてくれたのならもう今更秘密にした所で同じだと思う。


「誤解するなよ。俺はお前が犯人だとは思っていない」

「当然です」


 そんな下らない事に私が手を染める理由はない。


「だがお前を嵌めようとした人間がいる事は確かだ」


 それはブレイスの事ではない。彼は私に罪をかぶせる為に利用されただけだろう。


「卵が先か鶏が先かは分からんがな…」


 その言葉にダグラス様を見やると、彼は渋面を作っている。


「……それは私を陥れる為にこの一件が行われた可能性があるという事ですか?」


 ダグラス様は頷く。 


「それは一体何のために?」

「それは分からん。あくまでも可能性があるというだけだ」


 冤罪をかけられそうになっただけではなく、もしかすると事の発端は私かもしれないという、何とも面倒くさい展開だ。


「そういう訳だからお前が下手に動くと危険だ。この件は俺達に任せろ」

「ですが…」

「ですがもクソもない。今のお前がするべきことは怪我を早く治す事だ。大人しくしておけ。いいな」


 有無を言わさない雰囲気ではあるが、私は頭を悩ませた。ここで私が出しゃばっても良い事にならないのは分かるが、心情的に気持ち悪いことこの上ない。

 だが私に出来る事がないのも事実。


「……はぁ、分かりました。ですが、もしこの一件に王侯貴族の関与があったとしても有耶無耶にしないと誓って下さい」


 この一件を権力でもみ消さないでね、と念押しだ。そんな事をダグラス様が進んでするとは思わないけれど、王宮内での不祥事だ。どこでどんな口出しがあるか分からないし、ましてや王弟妃が絡んだことならば尚更だ。


「約束する」


 ダグラス様がしっかりと頷いてくれたので、とりあえずは納得する事にした。


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