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第1話 プロローグ
怖かった。
私は他人からどう思われているのか。
そう思うと、お腹の底から恐怖が湧きあがってくるのだ。
あの人はどうだろうか?
心の中では、私を嫌っているのではないか?
その笑みも、本当は私のことを嘲笑っているのではないか?
私は他人が怖い。
私を好きになってくれない人が怖い。
全ての人が、私を愛してくれたらいいのに。
そんなことばかり考えていた。
なんと…
なんと愚かで、醜いのだろう…
放課後の校舎。
夕立を誘う入道雲を望みながら、私は1人の男性のことを想う。まるで少女のような容姿を持つ彼に、たった一つの劣情に身を焦がす。
「…どうして、なのですか?」
頬を伝う一筋の涙。
溢れ出す感情の奔流。
…私は、他人が怖い。




