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私の1日〜昼前

私の職場では朝の挨拶とかはない。各々、勝手に始めるのだ。



魔導具工房の主な役割は軍事利用目的の魔導具の生産と開発、修理だ。もっとも、今では平和になって来ている事から軍事利用目的の魔導具を民間利用に転位する作業もしている。



私の仕事は魔導具の修理と改造である。まぁ、別に難しいことではない。破損している部品を取っ替えたり、要望通りのオプションを付けたりするだけだ。



『ドカアァァァァァァァンッ!!!』



そして今日も爆発が起こる。



「……………今日も派手じゃのぉ」



「………そうですねぇ」



モクモクと黒煙に満たされていく工房内で私たちはそう愚痴る。



ここ最近、毎日の様に起こる爆発は全てガルムトさんによるものだ。原因は自動人形の製作で人形の動作に必要な術式が干渉して爆発したのだ。



ちなみに今彼が作ってるのは試作56号である。



試作1号機が完成するまで、何十回もマイナーチェンジとデチューンを繰り返した。その結果、起動には成功したものの、命令をそのまま聞くだけのゴーレムになった。



普通ならそれでいいが、彼が目指しているのは自動人形(オートマタ)である。



故に何度も試行錯誤を繰り返している。ちなみに既に自動人形(オートマタ)の上位機であるエクスマキナを作った私に聞くのは嫌らしい。



「まったく、そういうのは外でやって欲しいものじゃ」



私はそう愚痴りながら彼の工房へと向かう。



入り口から中を覗けば爆発で瓦礫がごっちゃになっている。その中でガルムトさんが伸びていた。



「親方どうなってますかー?」



「爆発で伸びておった。あれだとしばらく起きんじゃろ」



「そっすか。つまりは束の間の平穏ですね」



「そうじゃな………」



そうして工房内はいつも通り穏やかな時間が過ぎていく。



鉄を打つ音に術式が起動する音、そして熱く燃え盛る炉により熱せられた空気。私はこういった時間が好きである。



としばらく集中して仕事に取り掛かっていたら、備え付けの時計が昼時を知らせる鐘を鳴らした。



「ーーーん、昼か」



私はそう言って立ち上がり、背伸びをする。しばらくの間、同じ体勢だった為か身体の節々がポキポキと鳴る。気づけば私は薄着になっており、身体は汗でびっしょりとなっている。



まぁ、工房内は暑いから仕方ない。ちなみに今の服装はタンクトップにニッカポッカである。



とりあえず私は汗を拭いて上だけ着替えて、その上から羽織を羽織って昼飯に向かうことにした。

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