私の1日〜朝
とりあえず私が男になって3日が経った。
アリシアに報告したら最初はまるで石像になったかの様に固まったが、徐々に慣れて普通に会話できるようになった。
あと、何故かアリシアに服を変えろと若干赤い顔で言われた為、今はいつもの露出度の高い修道服モドキから上はハイネックで袖のない黒いピチッとした服にして下はニッカポッカを履く事にした。
いやだって、これしか無かったし仕方ないよ。新しく買うにしてもなんか私の趣味に合わなかったし。そんでリュウエンに髪垂れ流しはちょっとカッコ悪いからと後ろに纏めたポニーテールにして見た目は細身のチャラいナザールとなった。
そして今日も私は職場に行く。
「おーいガルムト殿、入ったぞー」
と私はいつも通り職場に入る。
私の1日はまずアリシアから魔導具の修理の依頼などを受ける。私たち『七大罪龍』はアリシアの直属の扱いとなっている為、アリシアからの依頼があればそちらを優先する。
無ければ今度は職場の依頼箱にある依頼をこなしていき、何もなくなれば自分の好きに作れる。
まぁ、そんな事は週に1回あるかどうかだけど。
ちなみに初日に私が男になったと報告した時、職場の連中からは特に反応は無かった。
なんか「そういうもん」だと認識されているみたいでそんな事よりも早く仕事しろといった感じだ。まぁ、私としてはその反応の方がいい。
「ガルムト殿?起きておるかー?」
ここ魔導具工房の長であり、私の上司であるガルムトさんは普段から工房内で寝泊まりしている。理由は宿舎から移動するのが面倒だからそうだ。
彼の工房の一角を覗くとそこでは椅子に腰掛けたままグースカ寝ているガルムトさんがいた。周りには人形らしき手足やら散乱している。彼は未だにオートマタを作ろうと躍起になっているのだ。
「……………」
そうして私は自分の持ち場に戻り、炉に火を入れてしばらく待つ。
こうして私の朝が始まるのだ。




