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転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
平和?な日常
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観光

獣王国タルザリアの街並みは石畳で綺麗に舗装された映画村の様な感じだった。



銀鉄さんが言うには"式典"はあと3日くらいかかるそうでその間はアリシアは今後の話し合いを私たちは観光をすることになった。



まぁ、今回は私1人だ。たまには1人でのんびりとしたいだろ?



リュウエンは『精霊真森』という精霊達が多くいると云われている場所へ、ナザールは武器に興味があるのか鍛冶場へ行き、バルザックは「使命がある」と言ってどこかに行った。



リュウエンとナザールはともかく、バルザックは朝からなんだか怪しかった。一見すると普段とは変わらない様子だったが、なんというか…………ピリピリしていた。



アリシアを除く他の2人もバルザックの異変に気づいた様だが、それを問おうとした時にまるで人目を避ける様にバルザックはすぐさま近くの池に潜り、消えてしまった。



以前にはなかった反応だ。奴が何かやらかす時はそれはもうお気に入りのおもちゃを見つけた子供の如くキラキラとしていた。



……………………非常に怪しい。



気配を探ろうにも水に溶けたバルザックはそれこそ水そのものだ。実体を取っているならいざ知らず、水の中では感知できない。



「一体、なにを企んでいるのやら……」



私は茶屋にて団子と抹茶を注文して外の景色を眺めている。



タルザリア名産の万年桜が咲き誇る瓦屋根の平家が立ち並ぶ城下の街並み。その街並みを彩る様に精霊達が飛んでいる光景は綺麗なものだ。



ーーーーキョウハヒトリ?



とここで1人の小人精霊がやってきた。色は緑と桜色の服から花の精霊だろう。



「たまには1人でのんびりしたいじゃろ?妻も同じ理由じゃ」



ーーーーソウナンダ……。ネェ?コノクニハドウ?



「まだ一部しか見ておらんが、見た限りでは良い国じゃ。まぁ、少し視線は気になるがの」



最近まで鎖国状態だったせいか外の国の者である私が物珍しいのだろう。様々な場所から視線を感じる。



(好奇心が8割、敵対心が2割といったとこか…………)



あとの2割の敵対心は部外者に対しての当然の反応だろう。まぁ、その程度で済んでいる理由は精霊のおかげだろう。今も私の周りをふわふわと飛んだり翼や角に腰掛けているから。



「ま、気にしない方が良いな」



私は茶屋に代金を払い、店を後にした。




***




次に私が向かったのは『からくり市場』というからくりが沢山作られて販売されている市場だ。



鉱物を主流とした魔導具とは違い、からくりは木材を中心に作られている。私がここへ来た理由は職場の上司であるガルムトさんにからくりを買ってこいといわれたからである。主に研究の為に。



まぁ、土産としては最適か。



茶運び人形やからくり箱など見慣れたものから明らかにファンタジーなからくりなど多数あった。



「ーーーーーーーーむ?」



何にしようかと見て回っていると小さな露店を見つけた。そこはやけに古めかしい露店であり、まるで周りから疎外されている様な雰囲気が見て取れた。店内には狐の面が1つと古めかしい大きな箱が1つあるだけだった。



「おや珍しい、異国の方かい?それも精霊をそんなにも侍らせてるなんて余程居心地がいいんだろうねぇ」



露店の店主であろうお婆さんは私に気づくとそう言った。



「開国して間もないからのぉ。婆さんや、その箱はなんじゃ?」



「これかい?これは古い屋敷跡から見つかったものでねぇ。中に何か入っているけど、開け方が分からなくて、壊そうにも何故か壊れなくて、みんなきみが悪くて売りに出されたもんだよ」



「なんじゃそれは…………。まぁいいわ。婆さんや、その箱と仮面をおくれや」



「いいのかい?仮面はともかく、この箱は何が入ってるかわからないだよ?」



「構わん構わん。我はその手のヤバいものには耐性があるから心配せんでも良いぞ」



そうして私は店主の婆さんから箱と仮面を購入して城へ帰った。

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