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転生した鏖殺姫は今日も仲間と共に楽しく暮らします  作者: 骸崎 ミウ
冥海の海賊女帝
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亡霊の海賊団〜2

バロメッツさんについて行き、難しい顔をしたスクアーロさんが教えてくれたのは近郊の海域に人間の武装船団が真っ直ぐこちらに接近してきているというのだった。



つまりは海から攻めようという魂胆である。そこまでして魔王軍に勝ちたいのかと呆れ果てたが。



そんな中で凶悪な笑みを浮かべる者が1人。



そう、バルザックだ。



「海ならばウチの出番や。アレらを倒してしまっても構わんのだろう?」



そんな風に某弓を使わない弓兵の有名な死亡フラグセリフを吐くバルザック。そして、それで死なないのがバルザッククオリティ。



魔導具での通信でアリシアのGOサインを受けて、私たちはバルザックの船に乗り、出港した。




***




轟々と波を打ち砕きながら進む巨大な船 《フライング・ダッチマン》。船内に人はいないにも関わらず、船の操縦に必要な動作がひとりでに行われていた。



そして、絶えず船内から鳴り響く荘厳で威圧感のあるパイプオルガンの音色。それに合わせる様に紡がれる悲哀の歌声。



その演奏者と歌声の主はバルザックである。



3段もある古びたパイプオルガンを両手と髪の触手を使い、音を奏でている。



「〜〜〜〜〜〜♪ 〜〜〜〜、〜〜〜〜〜♪」



その歌詞はとある海賊が愛する海の女神へ向けた悲しみに溢れた歌詞だった。



そのバルザックが歌っている側に私たちはいる。



「そういえば、スクアーロさんはよくバルザックさんの出撃を許可しましたよね。いいんですか?いくら魔王様の許しが出たとしてもこの辺りは貴方の管轄下ですし」



「普段ならこんな事はないさ。ただ、あの嬢ちゃん……バルザックっていったか。俺の勘が逆らったらやばいって言ってんだよ」



「にゃははは。それはサメ君が海の眷属だからや。ウチの種族特性に水に棲まう全ての生物の絶対支配権というがあるから多分それに反応したんやろな」



とここでバルザックは演奏を辞めてスクアーロさんにそう言った。



バルザックの種族、『深淵皇海龍』は海に棲まう全ての生物の頂点にして原点の龍という設定がある鯨みたいな見た目をした龍だ。



nightmare(ナイトメア) memory(メモリー)』には設定のみとなっていたが、現実となったこの世界ではその設定が出ているのだろう。



「なるほど…………。つまり俺を含めた水系統の種族は軒並み嬢ちゃんの配下になるってわけか」



「ウチは王様とかそんな面倒やしつまらん奴はやりたくないんよ。それに、ウチは野郎に興味ない!自由気ままに海を渡り、お宝見つけてはしゃいだりするのがウチの性分にあっているんや…………と見えてきたで」



バルザックが示す方角には20隻ほどのガレオン船がこっち向かって進行していた。



「まずは警告からしとく?サメ君」



「そうだな。いきなりの攻撃は状況を悪化させるだけだからな」



「りょーかい」



バルザックは備え付けの連絡用配管に近づいてガレオン船軍団に警告を発した。



『あー、あー、こちら魔王軍海上保安庁であーる。これより先は魔王領の為、引き返すことを推奨するー』



なんとも気の抜けた警告である。さて、あちらの返事は………。



ドンッ!という花火を打ち上げた様な音がなり、船近くの海面は爆ぜた。あちらさんの返事は大砲の玉の様だ。



『繰り返すぞー。命が惜しければ即刻引き返しなさーい』



バルザックはそれでも気にせずに警告を続ける。



対してあちらさんは更に大砲増量。



「…………………………」



笑顔で青筋を立てるバルザックさん。その間にも砲弾の雨は降り注いでいた。



バルザックは連絡用配管から離れると甲板へと出て行き、腰に差してあるカットラスを抜くと………



『Komm schon, Bastarde!! Es ist Zeit für den Krieg!!!Ich ziehe es heraus und mache es zu einer Tribüne!!』



般若の形相で何故かドイツ語で叫んだ。



ちなみに翻訳すると『さぁ野郎共!!戦争の時間じゃあ!!!そのはらわた引き摺り出して晒し者にしてくれるわぁ!!』になる。



『『『Roger! Master!!』』』



そして、その叫びにドイツ語の返しが来たと思うと《フライング・ダッチマン》の周りの海面が爆ぜてそこからひと回り小さい大量の骨でできた海賊船が50隻ほど出てきた。



「さぁさぁさぁ!戦争じゃ血祭りじゃ虐殺じゃあぁぁぁぁ!!!男はぶっ壊し、女はその身朽ち果てるまで好きにしてえぇよ!!殺れーー!!!」



『『『ヒャッハーーーーー!!!!』』』



ダミ声の聞くに耐えない叫びが木霊する大海原。



……………その後、船としてはあり得ない速度でガレオン船団を蹂躙し、そのままの速度でバルザック艦隊は連絡にあった人間の港拠点に襲撃して好き放題したのであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

バルザック・セレスト


種族:深淵皇海龍


カルマ:クリフォト


職業:海賊女帝

レベル:100

HP:5.3万

MP:6万


称号:背信者・堕ちた龍・神を喰らいし者・神殺し・海の覇者・7つの海の踏破者・濁流を極めし者・人類の絶望・冥海の死神・海賊王・七つの大罪 《強欲》・水に愛されし者


加護:邪神の加護・大海神の加護


【固有スキル】

龍の流水体・天龍眼・龍滅魔法・大海魔法・龍化・海神・鼓舞・航海術・水の愛子・強欲の手腕


【スキル】

翻訳・アイテムボックス・剣聖術・銃撃術・盗術・死霊術・物質透過・船操・纏水・危機察知・予測変換・眷属召喚 ・酒造技術・薬剤調合・精神汚染完全耐性・状態異常完全耐性


頭部:『老海龍の海賊帽』【潤水】・【再生】


胴体1:『暁の到来』【活力増強】


胴体2:『水母精の雫』【月夜の癒し】【破壊不能】


メイン武器:『自由を愛する証(アンアンドメアリー)』【一騎当千】・【破壊不能】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

次の章から平和な日々が始まる予定であります。(私としてはギャグ要素)

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