幕間〜わたしのきおく
『ーーーーーッ!!ーーーー!?』
きょうもおかあさんがさけんでる。
『ーーーッ!?ーーーッ!!』
ガシャンッ!!
きょうもおとうさんはきげんがわるい。
わたしはきょうもかくれる。
あのふたりにめをつけられないように。
そうすればいたいめにあわないしおこられない。
……………きょうもそとにいこう。
ざぁざぁ、あめがふっている。
あめはだいすき。なにもかんがえられなくてよくなるから。
ふらふらとぼんやりしながらあるいてたらしらないばしょにいた。
……………チノニオイガシタ
……………………………オナカスイタ
オナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタオナカスイタ
イタダキマス
ガジュッ
***
目が覚めると知らない天井だった。
起き上がって見渡してみると小さな和室で閉じた障子からは暖かい日差しが透けていた。
私が寝かされていた布団は家にある物とは比べ物にならないくらい清潔でふかふかしていた。着ている服は…………黒い甚平だった。
…………一体誰が?記憶が曖昧でよくわからない。それに…………なんだか体が怠い。
とここで障子が開いた。
「おや。目が覚めましたのね」
そこには真っ白な髪の毛と、青っぽい薄い色の目をした私と同い年くらいの女の子がいた。
「…………ここは?」
「ここは私が住んでいる離れですよ。お身体の調子はいかがです?」
「……だ、大丈夫、ですっうわ」
私は立ち上がろうとしたが何故か力が入らなくて転びそうになった。それを目の前の彼女が受け止めてくれた。
「おやおや………まだ治り切ってないですね。貴女、3日程熱を出して寝込んでいたのですよ。さぁ、横になって」
そうして私は寝かされた。すると途端に頭の中がかき混ぜられた様になって直ぐに力が入らなくなった。
「しばらくは安静にしてないといけませんね。まだ血の症状が出ておりますから少し眠ってくださいな」
彼女はそう言うと私に布団をかけて部屋を出て行った。そして私はまた意識が途絶えた。




