馬車に揺られて
最近忙しく投稿できない日があるかもしれません。
申し訳ないであります……
〜sideティアムンク〜
アリシア様からの提案により彼女の帰郷に同行することになりました。今はゆったりとアリシア様と共に馬車に揺られてアリシア様の故郷であるカタキムルバスへと向かっております。
途中途中で休憩を挟みながらですけど。
「…………そういえばアリシア様。ひとつよろしくて?」
ずっと無言でもあんまりですので私はアリシア様に気になっていたことを聞くことにしました。
「なんだ?」
「この世界の吸血鬼は皆、アリシア様やフロイラインの様な金髪で蝙蝠の翼があるのでしょうか?」
実際、私がこの世界で見たことのある吸血鬼はアリシア様かメアリーくらいしかいません。お二人共金髪にワインレッドの瞳に蝙蝠の翼が生えておりますのでそれが普通なのでしょうか?
「…………まぁ、金髪は多いな。蝙蝠の翼は大小形はまちまちだが、吸血鬼なら全員あるぞ。そっちでは違ったのか?」
「えぇ………種類が沢山ありました」
『nightmarememory』の吸血鬼は大まかに分けて3段階あります。
まず1番下の下級吸血鬼こちらは他種族が吸血鬼に噛まれた時に変換するもので1番弱いです。
次に中級吸血鬼。こちらは元々吸血鬼であるか下級吸血鬼が成長するとなります。ちなみに1番種類が多いです。
そして最後に………
「最後に真相ノ血族。こちらは純血の種類で不純物となる他種族の血脈が全く無いものを指します。その真相ノ血族の中でも源祖と言われる個体は我々とかなりいい勝負するほど強力ですわ」
「……………なんかそっちの世界は何から何まで規格外だな」
「確かにそうでありますわねぇ。私も5人までは契約出来たのですが、なにぶん変わり者が多くて………」
「待て。そんなやばい奴らを呼べるのかお前は」
と私がそこまで言うとアリシア様から待ったがかかりました。
「え?あぁ、はいそうですよ?私の他に確かお姉様とナザール様とバルザック様が1人ずつ契約を成されております」
私がそう言うとアリシア様はなんだか白くなって固まりました。まぁ、自分と同じ種族且つ世界最強クラスの者がいればそうなりましょう。
「ちなみにアリシア様。貴女様は私の配下にいる真相ノ血族の源祖の5人のうち1人はよく顔を合わせておりますよ。時々、私の代わりに資料を届けているあの子です」
「………………やっぱりかぁ。どうにもなんか感じた事のある気配だとは思ったんだよなぁ」
………………なんか私が補足したらアリシア様は頭を抱えてしまいました。
こうして我々はのんびりと馬車に揺られていくのでありました。




