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第89話 (義弟SIDE)魔王城にして

 雷鳴が轟く。


 そこは魔界にある魔王城であった。玉座には魔王サタンが座っている。


「魔王サタン様……」


 魔王サタンの前に、暗黒剣士エドと魔人レイがかしづく。


「なんだ?」


「はっ……報告があります。エルフの国より、神の魔晶石(ゴッドクリスタル)を手に入れる事に成功しました」


 魔人レイはそう報告する。


「そうか……それは良かった。誠に大儀であった。魔人レイ、それから暗黒剣士エドワードよ」


「勿体なきお言葉」


「これで魔道砲を問題なく撃てるわけだな……天界にのさばる天使達への狼煙代わりの一撃となるだろう。クックック」


「その通りであります、魔王サタン様。ですがサタン様、一つだけ問題がございます」


「問題? どのような問題があるというのだ?」


「人間達——このエドワードの義兄であるソルという男が私達の邪魔立てをしてきました。奴らは神の魔水晶(ゴッドクリスタル)を奪われたからと言って、諦める様子もありません……必ずや私達の邪魔をする為、この魔界に攻め入ってくる事でしょう」


「そうか……そんな事があったのか」


「ですがご安心ください……奴らにそんな邪魔はさせません。必ずや私とこのエドワードの力で、奴らを捻りつぶしてやりましょうぞ」


「ふふっ……頼もしいではないか。それでは早速、魔道砲の準備を進めようではないか。我等の憎き天使達に、目に物を見せてやろうぞ」


「はっ!」


 こうして、神の魔水晶(ゴッドクリスタル)を手に入れた魔族達であった。そして、天界に攻め入る為に魔道砲の発射準備に入ったのである。


 世界の命運をかけた危機はもうすぐそこまで迫ってきているのだ。


 果たしてソル達は間に合うのであろうか……。




https://book1.adouzi.eu.org/n2084ho/

世界最強の鍛冶師~闘えない無能はいらないと勇者パーティを捨てられた鍛冶師、SS級の危険ダンジョンで装備を鍛えていたら、気づかない内に最強になっていた。装備がボロボロになって戻ってこいと言われても遅い~


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