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第30話 最後の闘いを前に

 ソルは第100階層の手前に転移された。


 目の前には重厚な扉があった。間違いない。この扉の向こうにルシファーの言っていた強大な敵がいるのだ。このダンジョンの最後の強敵(ラスボス)がいる。


 だが、この扉を開けるまでは闘わなくてもいいようであった。


 ソルはステータスの確認やステータスの向上。準備などを始める。


 ルシファーと闘った時と同じように、特殊な階層扱いなのだろう。『偵察』スキルを試みたが、キャンセルされてしまった。


 どうする? ソルは考えた。考えた末に今まで獲得したSPは基本的にはステータスの方に廻し、大抵のスキルを取得できる程度のSP。1000SP程は温存しておく事にした。どんな敵が出てくるのか事前にわからない以上は柔軟に対応する必要性があった。


以下が第100階層を攻略する前のソルのステータスである。


【名 前】 ソル・ユグドラシル



 【年 齢】 15歳



 【固有スキル】 レベル0




 ※レベル0で固定される。経験値取得が意味をなさない。




 【レベル】 0




 【HP】    6123




 【MP】     6212




 【攻撃力】    6200




 【防御力】  6189




 【俊敏性】    6189




 【魔力】     6040




 【魔力防御力】  5980




 【運気】    5890



 【スキル】 


技スキル


『回し斬り』『一刀両断』『魔法剣』


補助スキル


『強化』『ステータス変換』『鑑定』『錬成』『解析』『偵察』『錬金』


魔法スキル


炎魔法(フレイム)』『氷結魔法(コールド)』『雷魔法(ライトニング)』『風魔法(エアロ)』『大地魔法(クエイク)』『聖魔法(ホーリー)』『闇魔法(ダークネス)』『回復魔法(ヒーリング)』『異常解除魔法(クリアー)』『重力魔法(グラビティ)


 ソルは気づいていなかった。自身のステータスの高さに。既にソルのステータスの高さはLV100相当といってもいいくらい、高いステータスであった。その上豊富なスキルをソルは習得していた。その為、単純な強さであったら同じLV100相当の相手がいたとしても遅れを取らない事だろう。


 ただ世界は広い。人間以外の種族でLV100を超える程の強さを持った相手もいるかもしれない。だが、人間に限って言えば恐らくはそんな存在はいない事であろう。


「……よし」


 ソルはこのダンジョンでの記憶を振り返っていた。長かった。どれくらいの時間が経過しているのかはわからないが、このダンジョンでの出来事はそれだけ自分にとって濃密な時間であった。


 このダンジョンでの経験がソルに今までになかった強さを与えていた。それはステータスやスキルなんていう具体的なものだけじゃない。

 

 精神的な強さだ。


 ソルは自身が当初に比べて精神的に強くなった事を自覚できていた。


 準備を済ませたソルは第100階層の扉を開く。


 これがこの裏ダンジョンと呼ばれる『ゲヘナ』で行われる最後の闘いにして。


 最大に熾烈な闘いであった。


 その闘いの火蓋が今、切って落とされるのである。



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