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番外編 《メタイベント》ハッピー☆ハロウィーン


【注意】メタ発言過多。苦手な人はお逃げください。


お久しぶりです。

何ヶ月も更新止めちゃってごめんなさい〜‼︎


でも、本編じゃなくてメタイベントっていうね……。

気ままに更新する作品なので、気を長〜くしてお待ちして頂けたら幸いです‼︎

では、よろしくどうぞっ☆


 








「という訳で第2回(←メタ発言)、ハロウィン☆イベントよ‼︎」

「いや、どこら辺が〝という訳〟でっ⁉︎というか、めっちゃくちゃ久しぶりだなっ⁉︎」

「敢えてそこには触れないけど、一言だけ。決して、忘れてた訳ではないわ。多分」


 グランはなんとも言えない顔をしていたけれど、取り敢えずそれを無視してっと。

 こんな感じで始まった本日は、ハロウィン。

 今では仮装をして〝お菓子をくれなきゃ悪戯すトリック・オア・トリートるぞ〟という合言葉を言いながらお菓子を貰うパーティーになっているけれど……昔は、この時期に出てくる悪いモノ(悪霊とか)から身を守るために仮装をしたりしていたらしいわ。

 後、私達目線で言うところのお盆みたいなモノでもあるらしいわね。

 取り敢えず、ハロウィンの由来は置いといて。


「という訳で〜パート(ツー)

「ぱーと、つー」

「この日のために、ハロウィンイベントを用意させて頂きました。今回は完全にギャグ要素に全振りよ」

「……あっ。なんだろう……魔王屋敷に連行された時点で嫌な予感はしてたけど、更に嫌な予感」


 うふふっ。流石、グラン。

 長い付き合いだから……私の言葉と魔王屋敷ここに連れて来られた時点で何かを察してたのね。

 えぇ、そうよ。きっと貴方の嫌な予感は的中するわ。




「魔王屋敷を(一時的に)改装してお化け屋敷にしてみたわ☆」




「……………」


 バチコーンッ☆

 目元にピースサインを添えながらウィンクした私を見て、グランは黄昏るような顔をする。

 そして……。


「いやっ、なんでっっっ⁉︎」



 思いっきり大声で叫んだわ。



「なんでハロウィンなのにお化け屋敷っ‼︎普通、ハロウィンはコスプレして、お菓子パーティーするか‼︎コスプレエッーー」

「はい、ストップ。今回は不健全ワードNGよ」


 ピタリッ。

 彼の言葉を遮って、胡乱な目で見つめる。

 だけど、グランもグランで引かなかったわ。


「………前回は()()不健全コースだったのに……なんで今回はお化け屋敷……」


 ピクリッ。

 私はそれを聞いてススススッ……と目を逸らす。

 えぇ、そうね。よぉ〜く覚えているわ。

 前のハロウィンはあんまりハロウィンらしいこともできずに、不健全コースだったものね。

 でもね、だからこそ今回は()()を企画したのよ‼︎

 だって……‼︎


「ハロウィンをエログランに台無しにされないために、このイベントを企画したのよっ……‼︎」

「あっ、そんな理由?」

「後、純粋にハロウィンを楽しみたかったけど、ただのハロウィンじゃつまらないって気持ちもあったわ」

「だろうな。じゃなきゃ、お化け屋敷になんかならないわな」


 ちなみに、このイベントのために場所の交渉、構想、着工、参加者の募集……などなど。

 イベントを開催するまでに何ヶ月も掛かるであろうところを、魔法を使って二週間で終えたわ。

 グランに知られてハロウィンをエッチな展開で台無しにされないためでもあったけれど……開催場所である魔王屋敷(魔王領)ってそんなに大きくないから、二週間で充分だったというのもあるわ。

 まぁ、とにかく。



 今回のハロウィンはこの企画で手一杯になる予定だから、不健全にはならないはずよ‼︎



「ふはっ……リジーってば、俺に抱かれたくないからってこんなイベント企画を開催するとかアホっぽいなぁ」

「っっっ‼︎う、煩いわ‼︎事あるごとにさかる貴方が悪いの‼︎」

「そりゃあ、リジーが可愛いのが悪いだろ」

「煩い、うるさい、うるさーいっ‼︎とにかく、今日はお化け屋敷の運営で忙しいから、エッチなことはなしよ‼︎グランにも手伝ってもらうわ‼︎」

「はいはい。(……リジー、気づいてるのかなぁ?俺に手伝わせたら、その代償に……自分リジーを請求されることになるってのに。基本的に頭いいのに時々ポンコツになるの、可愛いな)」




 そうして……この時の私は、結局前回のハロウィンと変わらぬ末路になることに気づかずに……。




 ハロウィンイベントを開始したのだった。








 *****








『ウェルカムトゥー・ザ・ハロウィンイベント〜☆



 貴様の妻子達は預かった。返して欲しかったら、魔王屋敷(ハロウィン仕様)を攻略するのだ‼︎

 ※なお、提供場所である魔王屋敷は主人である魔王様のご厚意でお借りしております。なので、屋敷を傷つけたりしないでください。もし、傷つけた場合は賠償を請求させて頂きますので、悪しからず。

 ハロウィンイベント実行委員会より』





「なんでやねんっっ‼︎」


 ベシコーンッッ‼︎

 オレは、強制転移させられるなり空から降ってきた説明書を読んで、その紙を地面に叩きつけた。

 あ、皆さん。お久しぶりです。牧原数人です。

 今日も今日とて何も連絡なしで、寝起き一発目にパジャマ姿のまま転移させられました。

 どうせグラン君とリジーちゃん(+悪ノリした嫁達)が原因なんだろうなぁ‼︎


「はぁ……行くか……」


 オレは溜息を吐きながら、目の前の建物……魔王屋敷を見つめる。

 ぶっちゃけよう。入りたくねぇ。

 だって、普段は古典的な和風屋敷って感じなのに、今日は装飾されてるからか……とんでもなく微妙な外装になっているんだよ?

 和風な屋敷にオレンジのカボチャが飾られまくってるんだよ?

 和洋折衷どころか、頓珍漢トンチンカンすぎて目がバグりそうだ……。

 こんなところに入って行かなきゃいけないとか……どんな罰ゲーム?

 でも、そんなことを言っても妻子達が待っているというならば行かないという選択肢はない。

 オレは再度溜息を吐いてから、魔王屋敷へと足を踏み入れた。



 ……。

 …………。

 ………………。



『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎』

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあっっっ⁉︎⁉︎⁉︎なんでハロウィンなのにお化け屋敷ぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ⁉︎⁉︎⁉︎」


 全力疾走しながら走るオレの背後。

 とんでもねぇ速さで追いかけてくる死装束の血を吐いたサ◯コもどき。

 いや、なんでぇぇぇぇ⁉︎⁉︎

 内装もカボチャとか魔女の装飾とか、ガチでハロウィンって感じなのにっっ‼︎

 なんで追いかけて来たり、脅かしてきたりするのがお化け屋敷のそれぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎⁉︎


『ばぁぁぁぁぁ‼︎』

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ⁉︎」


 天井から顔どころか全身ツルツル真っ白な謎の人型落ちてくるし、首の裏に冷たいヤツがピタってなったし‼︎

 もうマジでこれはハロウィンじゃねぇぇぇぇぇ‼︎

 サ◯コもどきに追われながら、廊下を全力疾走するオレのずっと先……待ち構えていたかのように用意されたふすまが一つ。

 あ、嫌な予感がするけど……他に入る部屋がない今はそこしかないっ‼︎

 スパーンッ‼︎スパーンッ‼︎

 襖を勢いよく開けて中に入り、思いっきり閉める。

「はぁ……」と息をつくけれど、視界に入った煙と鼻に付く硫黄の匂いに……オレは固まった。



 チョロチョロチョロチョロ……カポーンッ……。



「…………」


 うん。ここ、温泉っぽい気がするな。

 …………襖の向こうがなんで温泉なんだとかは、ツッコミ入れたら負けなんだろうな……。

 オレは頬を引きらせながら、ゆっくりと視線を動かす。

 そして、湯煙の先にいる人影が……こちらに向かって来るのを見つけて…………。


『かぱぁんっ(照)‼︎』



 ムキムキな河童(♂)がいやんっ♡って胸と下半身を隠したのを見て、叫んだ。




「なんで河童ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」







 *****






「「「トリック・オア・トリート‼︎お菓子をくれなきゃイタズラするぞ〜‼︎」」」

「はいは〜い。可愛い魔女さん達、どうぞ〜」

「「「ありがとう〜‼︎」」」


 最後のお化け役の子供達にお菓子を渡して、魔王屋敷の出口から出てきたのは……わざわざ第Ⅶ大陸から来てくれたリズベットさんとハルトさん。

 ナースとお医者さんっていう如何にもテンプレなコスプレをした二人は、中庭に用意されたパーティー会場の隅にいた私達を見つけて……笑顔で駆け寄ってきたわ。


「こんにちは、フリージアちゃん‼︎」

「やぁ。本日はご招待、ありがとう」

「いらっしゃい、お二人とも」

「楽しんでるか?」

「「勿論‼︎」」


 屋敷内ではマッキーの謎(笑)の叫び声が響くけれど、実際のハロウィンイベントはとっても平和。

 屋敷内に配置された仮装した子供達(マッキーチルドレン+魔王領の子供達)が、お化け屋敷を回る参加者(大人)達に〝トリック・オア・トリート〟と言ってお菓子をもらう……という内容になっているわ。

 え?なんでマッキーは()()()()()()()のかって?

 マッキーだけ特別コースである理由は……。


「あぁ、見ろ。カズトが転んだぞ‼︎」

「あらあら。情けない旦那様ですこと」

「頑張れ〜、カズ君〜。きゃははっ‼︎」


 中庭の隅に置かれた電子スクリーン(もどき)の前……そこに映った必死なマッキーを見て楽しげに笑うのは、とっても綺麗な女性達。

 ……ここまでくれば、言わなくても分かるかもしれないけれど。

 イベントの開催協力者であるマッキーのお嫁さん達が、彼だけ特別コース(元々あるコースにちょっとズレた位相の世界を重ねて、マッキー専用コースを作った)にすることを希望したからよ……。

 マッキー……あんたのお嫁さん達はドSね……。


「あぁ……なんか平和なイベントっぽいのに、変な叫び声()()が聞こえるなぁ〜って思ったら、一人だけ特別コースの人がいるのかな?」


 リズベットさんはお嫁さんズを見て全てを察したのか、苦笑を零す。

 私も同じように苦笑を零して頷いたわ。


「えぇ。協力してもらう代わりに、彼女達の旦那様を嵌める約束をしたの」

「あらま。ドSだねぇ」

「それな」


 思わず即答すると、リズベットさん達はケラケラと笑う。

 そんな時……また、魔王屋敷から出てくるカップルがいたわ。


「結構、楽しかったな」

「はい。子供達が嬉しそうでよかったですわ」


 腕を組みながら、楽しげな会話をするのはスイハとアウラさん。

 スイハの方は……ちょっといつもの服がちょっと豪奢になってるぐらいで仮装とは言えなさそうなんだけど、アウラさんの方は猫耳をつけていたわ。


「アウラ〜‼︎」

「……‼︎まぁ、リズ‼︎」


 リズベットさんが声をかけると、アウラさんはこちらに気づいて満面の笑顔で駆け寄ってくる。

 そして、二人で抱きついて楽しげに笑ったわ。


「リズもいらしてたのね‼︎」

「そうだよ〜‼︎フリージアちゃんに招待してもらったの‼︎元気そうで良かった‼︎」

「えぇ、元気よ‼︎皆様、とても良くしてくださるもの‼︎」


 その言葉の通りに、アウラさんは日に日に生き生きしていってるわ。

 愛されてるから、っていうのもあるかもしれないけれどね。


「はろうぃん、というイベントは初めてでしたけれど……子供達に喜んでもらえて、とても嬉しかったわ‼︎また、招待してくださいませ」

「はいはい‼︎私もまた、参加する〜‼︎」

「勿論よ‼︎」


 三人で笑い合いながら次はどんなイベントを開催しようか、なんて話し合いをする。

 ……あの、合宿の時に思ったのだけど。

 私は、こういったイベントを企画するのが大好きみたい。






 取り敢えず……今回のハロウィンイベントは大成功ね‼︎










【リジーとリズベット、アウラの三人が話してる頃……男子側(グラン:グ、ハルト:ハ、スイハ:ス)】


ハ:「あー、可愛い。リズのコスプレ、可愛い」

グ:「なぁ、ハルト?そのコスプレをチョイスした理由は?」

ハ:「それは勿論、夜のためだよ?」

グ:「やっぱりな」

ス:「………夜?」

グ:「ちょっと耳を拝借」


スイハに説明中……。


ス:「……なるほど……普段と違う格好……マンネリ防止……」

グ:「俺も今夜、リジーに違うコスプレさせようっと」

ハ:「…………うん。その方がいいと思うな……」


三人の視線が、リジーの方は向く。

そして……オレンジ色のカボチャを頭に被ったリジーを見て、思わず遠くを見つめるグラン達なのであった……。



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