番外編 《メタイベント》バレンタイン〜♪
なんか書きたくて始めちゃった新連載作品の所為で、余計に遅筆になってます‼︎
ごめんなさい‼︎
本編の続きは、気長にお待ちくださいませ‼︎
「最近、本編進める気があるのか分からなくなってきたわよね」
「早速メタ発言は止めろ」
王宮のサロンでお茶を飲みながら呟いた言葉に、グランがすかさずにツッコミを入れてくる。
私はワザとらしく「てへぺろっ☆」をしながら、亜空間から赤い箱を取り出した。
転生してから、何気にこのイベントのこと忘れてたのよね。
まぁ、渡さないと話が進まないから、渡しちゃいましょう。
あ、そうだわ。良いこと思いついた♪
私はソファから立ち上がり、グランも同じように立たせる。
そして、ちょっと恥ずかしそうに箱で口元を隠しながら、グランを上目遣いで見つめたわ。
「えっと……先輩、バレンタインのチョコレートです。受け取ってくれますか?」
「………えっ?」
グランはちょっとギョッとしながら一瞬だけ頬を赤くする。
だけど……ふと冷静になったのか、「いや、先輩ってなんだよ」って再度ツッコミを入れてきた。
「ほら、雰囲気よ‼︎雰囲気‼︎私、友チョコと義理チョコしか渡したことがなかったから、やってみようと思って」
「え?それって……」
グランは何かを悟ったのか、その顔がどんどん赤くなっていく。
そして、口元を手で覆うと勢いよく顔を背けた。
「…………グラン?」
「いや、その……それって逆を返すと……本命渡すの初めてってことじゃ……」
「……………あ……」
そう言われて私も徐々に顔が熱くなっていく。
そ、そうね……思ってみれば……本命チョコを渡すの……グランが……初めてに…………。
「あ、ぅ……」
その事実に気づいた瞬間、私は顔全体を箱で隠すようにする。
…………これよりもっと恥ずかしいことしてるのに……なんでか無性に恥ずかしいんだけどぅっ‼︎
「…………えっと……受け取っても?」
グランはふんわりと微笑みながら、私に手を差し出す。
…………でも、やっぱりグランも顔が真っ赤で。
私は「……どうぞ」と小さな声で言いながら、彼にチョコを手渡した。
「……………あ……ありがとうございます」
「ど、どう致しまして……」
互いに顔を赤くしながら、チョコレートを渡す。
…………もう、これ……恥ずかしいわ……。
「…………今日はちょっと、アダルティなムードは止めておこうか……」
「……そ、そうね……」
異世界転生して(今まで忘れてたがゆえに)初めてとなったバレンタインは、何故かピュアムードで終わりました。




