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第46.5話 魔女姫の辿った道



…………時々、シリアスぶち込みますっ☆

苦手な人はお逃げなさい。読まずとも大丈夫だからw


誤字脱字教えてくださってありがとうございます‼︎



ちなみに、まだ連載途中の作品があるのに、なんか書きたくなって新たに新作を始めるかもしれません……。

『○○○を回避する‼︎』シリーズの新作……。

まぁ、もし新作を始めたらその時はよろしくねっ☆


 







 あたくしの名前は《境界の魔女姫》。



 今は(・・)、マリカという偽名を名乗っているけれど、長い長い時を生き過ぎて……。



 本当の名前すら忘れてしまった、人間だった(・・・・・)モノ。










 第Ⅰ大陸。



 あたくしが生まれた時には、もう既に人間と魔族……吸血鬼達が争っていたわ。

 始まりは簡単。


 ただ、吸血鬼達が化物であったから。


 彼らの食事が〝生き物の血〟だったから。


 人間を襲うとされたから。


 だから、自分達が殺される前に吸血鬼を殺そうと争っていたわ。





 人間だった頃は生き物の血を吸うなんて、なんて野蛮でなんて恐ろしい化物だろうと思っていた。

 きっと他の人も同じ。


 化物を殺そうと、人間達は日々躍起になっていたわ。



 血で血を洗うような人間と吸血鬼の戦争。



 そんな時……1つの噂が流れた。



 吸血鬼達の仲間が、人間に紛れ込んでいるという噂。

 本当に根も葉もない噂だったの。

 でも、人々はそれを恐れた。

 だって、仲間内に敵がいるかもしれないのよ?

 後ろから寝首をかかれて簡単に死んでしまうかも。

 察しのいい人はもう分かっているでしょう。



 そう……その裏切り者だと思われたのは、あたくしだったの。



 その時のあたくしは本当に何も知らないただの人間(・・・・・)だった。

 だけど、一度芽生えてしまった疑心暗鬼は消えなかった。


 たくさん拷問されたわ。

 たくさん人間としての尊厳を踏み躙られたわ。


 だけど、運が悪いことにあたくしには膨大な魔力とそれに伴う高度な自己回復能力があった。

 だから、下手に生き延びてしまって……無駄に苦しい日々を伸ばしてしまった。


 苦しくて、痛くて、辛くて、寒くて、暑くて、暗くて、寂しくて、悲しくて、悔しくて、憎くて、感情がグチャグチャになって、頭も身体も心も全てが壊れて……。


 苦しくてくるしくて狂しくて。


 きっと、その時に〝どこか〟が壊れてしまったのでしょうね。


 だって、とうとうあたくしは……こんなふうに思うようになってしまったんだもの。



 〝あぁ、みんなが裏切り者であることを望んでいるならば、あたくしはみんなの期待に応えてあげなきゃいけないわ〟って。





 だから、あたくしは境界線を越え(人間を辞め)た。







 それから、長い長い人生を生きたわ。


 時々、襲ってくる者もいたけれど、あたくしの敵ではなかった。



 そうして更に長い時間を彷徨って。



 あたくしは吸血鬼の王……《第Ⅰの魔王》ディラン・ブラッドレイに出会った。



 最初は殺し合いをしたけれど、あたくしが人間を辞めたのだと知ったら、彼は受け入れてくれたわ。

 なんだかんだと言って、あたくしも被害者だったから。



 そうして、共にいるようになって……真実を知ったの。

 確かに吸血鬼は血を啜る。

 でも、それは人間である必要ではない。

 そして、生き物の血を啜るからとその生き物を殺すことはない。

 ただ、ほんの少しだけ血を分けてもらうだけで充分だった。

 だけど、その姿が人間には悍ましく見えたんでしょうね。

 自分達は殺されてしまうと思ったんでしょうね。



 本当は、人間も吸血鬼も共生できる生き物だったのに。



 でも、あたくし達は沢山殺しすぎたわ。

 沢山、殺されすぎたわ。

 きっと、この溝は永遠に埋まらない。



 人間はどこまでも臆病で、自分達以外のモノを受け入れようとしない。








 寄り添うのが、共にいるのが当たり前になったから。

 あたくしは彼の一番の理解者になっていたと思っていた。

 …………きっと、ディランも人間とは分かり合えないと思っていると思ってた(・・・・)



 だけど、彼はあたくしに何も言わずに眠りについた。

 そして、目覚めた時には……いつの間にか、人間と共にいて。

 その少女を自分の最愛としていた。



 表面上は取り繕っていても。

 人間だから……最初は警戒せずにいられなかった。

 あたくしは人間に壊されたから、同じ人間である彼女に警戒を抱かずにいられなかった。

 だけど、酷くその子は……ロゼはとてもいい子で。



 〝あぁ、人間にもまだこんな子がいるのね〟って。


 〝もしかしたら……全ての人間が、敵対するとは限らないのかしら?〟って。



 そう思わずにいられなかった。











 きっと、あたくしは迷子になっていたの。


 ディランへの恋心。


 人間への敵意。


 人間ロゼという存在。


 どうすれば良いのか分からなくて。

 どう思ってるのかも分からなくて。

 感情がぐちゃぐちゃになって。

 ディランに分かって欲しくて、助けて欲しくて。

 なのに、恋心が変に働いちゃって素直になれなくて。

 どうしてだか殺し合いに発展して……そうして、あたくしは隣の大陸に辿り着いた。



 まぁ、冷静になった今だから分かるけど……空から落ちてきたあたくしも悪いと思うわ。

 でも、その時のあたくしは毎回殺し合いになってしまうことへの、素直になれないことへの自己嫌悪で、感情が思考がめちゃくちゃで。

 不審者へ剣を向けることは当然なのに……やっぱり、自分達以外の者には人間はこうなんだって勝手に絶望して。



 …………だけど、求婚されて追いかけ回されて、余計に訳が分からなくなっちゃったわ。



 そして、フリージアさんを始めとするこの大陸の人達に出会って……人間にも、自分達以外のモノを受け入れる人がいるって知ってしまった。






 きっと今のあたくしは、これからどうするべきかな迷っているの。

 自分がされてきたことを、全て水に流すべきなのか。

 人間への思いを改めるべきなのか……違うのか。

 彼への恋心をどうするべきなのか。



 多分、このまま帰ってもずっと迷子のままだし……この大陸に残って答えが見つかるかは分からないわ。










 でも……人間と魔王が手を取り合っているこの大陸なら、希望はあるかもしれないと……ほんの少しだけ、思っているの。










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