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番外編 《メタイベント》正月は数の子‼︎


あけましておめでとうございます。

今年も他作品含め、よろしくお願い致します

m(_ _)m



新年早々、ふざけます☆

短いです。タイトルの通りです。よろしくね☆


 






「あけましておめでとう。正月よ、ふざけるわ」

「あけおめ……新年早々、自己申告でふざけるって言うんだ……」




 同じベッドで目覚めたグランは、私の新年の挨拶に開いた目をまた閉じたそうな顔をする。

 まぁ、うん。

 本編が一向に進まないじゃないかと思う方もいるかと思うけれど、とーとつに始まるのがこの物語だから仕方ないのよ。


「……………もう一度、寝てしまいたい……」

「ふっ、甘いわ。健康優良児だから、大晦日でも9時過ぎには寝てた私が二度寝できると思ってるの?」

「それ、前世の話だろ。つーか、昨夜はちゃーんと(・・・・・)夜更かししたのに何言ってんだか」

「うぐっ……‼︎」


 …………何が起きたかは察しの良い人分かるでしょう。

 恥ずかしさのあまり、前世の話で朝の情緒感を消そうと思ったのだけど……グランはアンニュイな笑みを浮かべつつ、私の頬を撫でる。

 ちょっと、その年齢に似合わない色気を抑えて欲しい。

 このままの雰囲気でまた朝からR-18展開になるのは、嫌なんだけど。


「…………リジーの思惑に乗ってやろう。朝からまたエッチなことするのは嫌なんだろ?」


 顔に出てたっっっ⁉︎


「残念、勘だ」


 いや、心の声を読んでる感じよね、それ。

 私がジト目でグランを睨むと、彼はわざとらしく咳払いをする。

 そして、取り繕うような満面の笑みを浮かべて質問してきた。


「正月って、何をしてた?」

「…………お正月?」

「そーそー。俺は、一応は親父ん家に挨拶回りとかしてたかな。甥っ子、姪っ子共にお年玉たかられて大変だったわ」


 …………あぁ、新年の挨拶ね。

 お年玉をもらえるかどうかは子供には、一大事だからたかるくらいするでしょう。

 ウチもよく集まって、新年の挨拶して、お年玉もらって、子供軍を率いて遊んだりしてたわね……。

 バトミントンとか、花札とか。

 というか……。


「正月って、数の子戦争の記憶が強過ぎるのよね……」

「………………………ん?」

「だから、私の中じゃ正月=数の子戦争なのよ」


 ぴよぴよぴよ。

 どこかでヒヨコの鳴き声が聞こえる。

 グランはちょっと理解が追いつかないように眉間を揉み……息を吐いて、もう一度質問したわ。


「パードゥン?」

「なんなのかしらね、アレ。家の伝統?いや、伝統ではないと思うのだけど……キロ単位の数の子()毎年戦う(仕込む)のが我が家の正月だったのよね」

「キロ単位⁉︎」


 グランも驚いてるけれど、私もあの数の子達には驚かされてきたわ。

 5キロも数の子があった年は本当に大変だったもの。

 〝なんで正月に食べる数の子を5月に食べてるのかな?〟って本気で思ったこともあったわね。


「というか……数の子って普通にスーパーで売ってるんじゃ……」


 グランは不思議そうな顔で言うけれど、まだまだ甘いわね。

 私は悟りきった顔になりながら、それを否定したわ。


「それは味付き数の子でしょう?我が家が必要とするのは塩数の子よ」

「ん?」

「スーパーでは塩数の子が出るかどうかも年によって変わってくるし、売り出す時期と仕込む時期も合わないことがあるわ。確実に入手するには魚屋に注文するのが一番ね。ただ、かなりの値段の変動があるから……入手できるかできないか分からないけれど安いか、確実に入手できるけれど高いか。運に左右されることが多いのよね」

「あ、待って。結構ガチな感じなんだな?」

「塩水につけた状態の数の子を1日かけて塩抜きして、また1日かけて醤油、酒、鰹節(あるいは白だし)で味付けして、更に1日かけて味を馴染ませて……時に塩が抜けすぎたり、抜けるのが不十分だったり、塩っぱくなり過ぎることがあるから上手く塩抜きを繰り返し…………」

「…………うん、ごめん。ちょっと数の子戦争って意味が理解できてなかったけど……それは確かに数の子戦争だわ、うん」


 …………グランは私の熟練された数の子の扱いに納得したのか、〝前世の数の子戦争、お疲れ様〟の意味を込めて撫で撫でしてくる。

 まぁ、うん。

 頑張ったのよ、前世の私。


「…………とにかく、独断と偏見による結論。正月に塩数の子を買ってる方は仕込みを頑張ってるわ。褒めてあげて」

「はい、お疲れ様です」



 後、新年の集まりとかで食事の準備をしてくれてるご家族(特にお母様達)は、かなり大変&親戚の方に気を使うと思うから……。

 皆さんもどうか感謝の気持ちを伝えてあげてくださいませ。



「…………なんか、話が色々と逸れたな……。ディープな数の子トークで、ちょっと終わりが見えなくなったから、無理やり終えよう」

「そうね、うん。今年もよろしくお願いするわ」

「うん、よろしくな。リジー」





 こうして……マイペースで、いつも話が逸れて、色々と破・天・荒・☆で溢れる私達の新しい年が始まる。




 皆さん、今年もよろしくお願いするわね。






ちなみに我が家は8月(安心してください、賞味期限は9月)に数の子を食ってました。


仕込み忘れて、冷蔵庫の底から数の子の塩漬けの箱が出てきたときの悲しみは……凄まじいモノです。

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