表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/108

第21話 まさかのストーカー事件はたった一晩で解決


長く間隔が空いてすみません‼︎

よろしくどうぞ‼︎


 





 目が醒める。



 少しの違和感。

 でも、それは直ぐに消える。



「さぁ、お姉様を見守らなくちゃ‼︎」


 邪魔をしないでと言われたけど、優しいフリージアお姉様を見守りたいんだもの‼︎

 だから、私は影からお二人を見守ってーー。




 ……ジジッ……。




 あれ……?


 ノイズのような音と共に意識が切り替わる。

 身体が熱い……いや、違う。


 痛いっっ‼︎


「なっ……ガハッ……」


 ぼたぼたと私の身体から血が垂れる。

 なんで?どうして?

 いきなり何が……。

 目の前には血に濡れたナイフを持つフリージアお姉様。

 その目は酷く虚ろで。

 そして、血迷っているようで。

 フリージアお姉様は、笑う。


「貴女が悪いの。私につきまとうから。止めてって言っても止めてくれないから。貴女が悪いのよ?貴女が、貴女が貴女が……」


 狂ったように笑うお姉様。

 何がーー。




 ……ジジッ……。




 ノイズのような音と共に目が醒める。

 勢いよく起き上がると、そこはいつもの私の部屋。

 身体を確認しても刺し傷はない。

 でも、身体の違和感が拭えなくて。


「…………さっきの……夢……?」


 そう呟いたから〝何か〟が納得したようにストンッと胸に落ちた。

 あぁ、嫌な夢だった。

 私は首を振り、意識を切り替える。



「さぁ、今日からフリージアお姉様を見守らなーー」





 ……ジジジッ……。






「君が悪いんだよ、聖女殿」



 ヒュー……ヒュー……。



 呼吸もままならない状態で空を見上げる。

 そこには、優しい顔で微笑むグランヒルト様。

 彼は私の喉を掻き斬ったというのに、とても優しい顔をしている。



「君が俺のリジーを不安にさせるから。影からずっとずっとずっと、リジーを監視するから」



 違う、監視なんかじゃない。

 ただフリージアお姉様を見守っていただけ……。



「リジーを不安がらせるもの。邪魔するもの。全部敵だ。俺が排除する。例え、聖女であろうと……お前の存在はいてもいなくても変わらない」



 ゆっくりと持ち上げられる剣。

 そしてーーー。





 ………ジジジッ……。






「っっっっ⁉︎」




 勢いよく目が醒める。

 グランヒルト様に殺された。

 剣を突き立てられた。

 でも、私は生きている。

 でも、身体はあの痛みを覚えている。

 一体、何が起きてーー。




 ジジジッ。




 フリージアお姉様に燃やされた。






 ジジジッ。





 グランヒルト様に圧殺された。




 ジジジッ……ジジジッ……。





 狂ったお姉様が国ごと殺した。






 ジジジッ…ジジジジジジッ…………。




 何度も何度も何度も何度も殺される。

 それはフリージアお姉様だったり、グランヒルト様だったり……何の因果も関係ないモノだったり、二人の手による策略だったり。

 殺された、殺され続けた。



 その理由は私が〝フリージアお姉様に執着したから〟。



 今なら分かる。

 私の見守りは……二人の言う通り、監視だった。








 ブスッ………。




「……………あ、……れ?」




 目の前には血塗れのフリージアお姉様。

 そして、私の手には血塗れのナイフ。

 目の前でグランヒルト様が、お姉様を抱き上げて泣き叫ぶ。

 そして、私を睨む。


「どうしてっ‼︎こんなことをしたっ‼︎」


 どうして?

 違う、お姉様が私を殺すから。

 何度も何度も殺すから。

 殺される前に、殺しただけ。



「リジーはっ‼︎君に何もしてないのにっっ‼︎君がリジーを苦しめていたのにっっ‼︎」



 ………フリージアお姉様は、何もしていない?

 何度も殺してたじゃない。

 今回も………。

 違う。

 殺されてたのは夢の中。

 全部、全部夢だった。



 つまり、私は………。



 現実の、フリージアお姉様を……殺した?





「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ‼︎」






『まぁ、こんなもんか』



 グルリッ……。



 世界が回る。

 そして、目が醒める。





「………………んっ……ぅ……」



 爽やかな朝日が眩しいけれど、私の身体は寝汗でびっしょりで。

 嫌な気分になりながら、起き上がる。


「……………なんか……嫌な夢を見ていた気がする……」


 ズキズキと痛む頭を押さえながら、シャワーを浴びて、着替えて、食堂で朝食を食べる。

 それぐらいになった頃には、いつもの私に戻っていて。

 鞄を持って、女子寮を出る。

 女子寮の前にはいつものように、フリージアお姉様とグランヒルト様がいてーー。




 ジジジジジジッ。




 身体が震える。

 恐怖を覚える。

 理由は分からない。

 何も覚えてないけど、悪い夢でソレを見た気がする。



 関わっちゃダメだと、本能が警告音を鳴らす。



 グランヒルト様の視線がこちらに気づいて、優しく微笑まれる。

 その笑顔はどこかで見た笑顔と同じ。



 血に染まった視界に映ったあのーー。



「やぁ、聖女。おはよう」

「お……おはよ、う……ございます……失礼致します‼︎」


 ダメだ、だめだ、駄目だ。

 フリージアとグランヒルト様に関わっちゃいけない。




 私はその場から逃げるように、校舎に走った。







 *****






「……………あら…?」





 私は目を見開いて固まる。

 だって、またあの子が付いてくるかと思ったんだもの。

 なのに、あの子はまるで怯えるように逃げて行って。

 一言で言えば、拍子抜け?ってヤツかしら。


「…………一体、何が……?」

「上手くいったみたいだ」


 隣に立つグランが楽しそうに笑う。

 首を傾げると、私の腰を抱きながら歩き出したわ。


「ちょっと時空魔法を使いまくりまして」

「…………へ?」

「未来に起こるだろう可能性(不幸ver)を沢山、夢の中で聖女に見せてやったんだ。まぁ、あんまりにもグロテスクだったから、最恐最悪な嫌な夢を見たって曖昧コトにしたけど」

「…………はぁ。つまり?」


 グランはニヤリと悪い顔で笑う。

 その顔は爽やかな顔なのに、魔王のような邪悪さを放っていたわ。



「本能的に俺達を忌避するようにしたんだよ」



 ………………本能的に忌避するようにした。

 それはつまり……私はストーキング……されない?



「どうだ?これでもう不安に思うことはないだろう?」



 優しい顔で笑うグラン。

 グランが、リリィの対処をしてくれたの?

 ストーカーに怯える私のために?


「グランっ……‼︎」


 私は思わず彼の首に抱きついて、その唇にキスをする。

 だって、それだけ嬉しかったんだもの。

 私の不安をちゃんと考えてくれて、私を守ろうと行動してくれるグランが愛おしくて仕方ない。


「グラン、大好き‼︎」

「俺も大好きだよ、リジー」





 こうして、まさかのストーカー事件はたった一晩で解決したわ。



 流石、チート能力様々ね。

 いや、この場合はグランの策略様々かしら?



 まぁ、とにかく。

 グランのおかげね‼︎もう、本当にこの人が私の婚約者でよかったわ‼︎









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ