表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/108

番外編 《メタイベント》ハロウィンですね、初心に帰りましょう。


【注意】メタです。ご注意ください。

なお、読まなくても支障はない(真顔)


よろしくどうぞー( ・∇・)ノ


 




 王宮のグランの私室にて。

 私はソファで本を剣の手入れをしていたグランに向けて、毎度恒例である〝あの台詞〟を口にした。



「とゆー訳でトリックオアトリート。お菓子をくなきゃ鳴神5連発(イタズラ)するぞ☆」

「うん、相変わらずのルビ振りがおかしいヤツ。というか……今年は2人っきりでやるんだな?」


 剣を鞘に納めながら、グランはきょとんと首を傾げる。

 まぁ、不思議に思うのも当然。過去2回のハロウィンはお化け屋敷したり、みんなでお菓子交換会したりとなんか賑やかだったものね?

 でもね……。


「ハロウィンパーティーの準備が面倒になっちゃったというか、私が主催じゃいられなくなっちゃったのよ……。むっっっっだに大事になっちゃったから……」

「…………あぁー……確かに」


 そう……。今年のハロウィンパーティーは去年と違ったの。いや、元々他国の王族が参加してたからちょっと去年の時点から怪しいは怪しかったんだけどね?

 でも、去年のハロウィンに魔王領の子供達を招いたのが影響したのか……一気にハロウィンパーティーの話が広まっちゃったというか。

 そしたらどうなったかって?参加者がとんでもねぇ数になっちゃって……最終的に、夏祭りの秋ver開催ということになったのよ。つまり、魔王領全域でのハロウィンパーティーもといハロウィン祭りになっちゃったって訳。※一応公式名は、《豊穣祭》。

 流石にここまできちゃうと、ディングス王国所属の私が魔王領での祭り主催じゃおかしいことになるじゃない?

 他の国にも情報が回って一般の観光客も来るみたいだし。当日は舞台が設置されて、そこでパフォーマンスとかあるみたいだし。出店とかも出ることになっちゃったから、全体的な経済効果もとんでもないことになってるし。

 そんな訳で、今年の主催はスイレン陛下に。陛下の手伝いこと祭り運営役員を陛下の部下達、リリィの姉御&アズールヒルト様&カメリアさんにお願いしたの。

 ※姉御は陛下とセット扱い、アズールヒルト様達は将来のことを考えて外交体験として今回、参加する運びになったわ。

 ……かくして。ハロウィンパーティーこと《豊穣祭》は私の手から完全に離れ……。

 私とグランはTHE王道。本来のハロウィンらしく、グランの部屋で2人っきりハロウィンに洒落込むことになったのでした(マル)

 閑話休題。


「まぁ、いいじゃない?こんなハロウィンも。こうやって2人っきりじゃないと、こんなコスプレする気にもならないし」

「そうそれ。見た瞬間から気になってはいたんだよ……なんなの?リジーのそのコスプレ」

「にゃんこ幽霊ですが?」

「にゃんこ幽霊」

「にゃー」


 猫の鳴き真似をしながら、私は白い布で覆われた両手を胸の前に上げる。

 私がしている格好は白い布で顔以外の全身を隠した格好。にゃんこ幽霊と言うだけあって、布に覆われた頭は猫耳のカタチになっているはず。

 私は「にゃん」とあざとく鳴いて、首を傾げた。


「可愛いでしょ?」

「いや、まぁ……可愛いぞ?可愛い、けど……なんだろう……。てるてる坊主感が、強めだな……?」


 おっと。それは言わないお約束。

 …………実のところ。姿鏡で確認した時、私も同じことを思わなくもなかったけど。敢えてそこには触れない感じでお願いするわ。

 まぁ、取り敢えず。


「はい、グラン」

「…………ん?」

「貴方の分のコスプレ衣装」


 私はにゅるっと亜空間にしまっておいた袋を取り出す。

 グランは困惑した様子でそれを受け取り、中を確認する。


「…………犬耳と、首輪?」

「狼の耳と言いなさい、狼の耳と。ハロウィンと言えば狼男が王道じゃない?」

「吸血鬼じゃなくて?」

「そっちも王道だけど、今年はこっち。付けてあげるわ」


 私は狼耳カチューシャと首輪を奪い取って、スポッとグランの頭にそれを嵌める。イエス、ナイスフィット。

 グランの意識が耳に取られている内に、首輪の方も。

 私は(略式)狼男になった彼の姿にニンマリと笑って、布の下で指をサムズアップさせた。


「うん、ピッタリね‼︎」

「楽しそうだな」

「グランが私のペットみたいで気分がいいわ‼︎」

「…………まぁ、確かに。なんか、所有印みたいだよな。首輪これ


 嵌められた首輪を撫でながら、グランが呟く。

 それはそうでしょう。だって、首輪の色は碧色。私の瞳の色だもの。

 でも……。


「何言ってるの?そんなの無くてもグランは私のモノよ」

「いやぁ……あー……うん。それは、そうなんだが」

「そして私も……グランのモノ、でしょ?」

「…………なんなの。急なデレ期か??」


 グランの目が少しずつ据わっていく。

 ……まぁ、なんとなく察してるのかもしれないわね。この日は大概、サービスディだから。

 ……え?なんのサービス?それは勿論……えっちぃ感じのサービスよ。別名、いつもの展開とも言うわ。

 私は赤くなっているであろう自身の頬をパタパタと手で仰ぎながら、彼の隣に座る。

 そして襟元を引っ張って……チラッと、布の下をグランに見せた。


「⁉︎⁉︎⁉︎」

「こーゆーことにゃー」


 布の下は……まぁ、彼好みの衣装でしょう。

 私の格好を見たグランは声にならない呻き声をあげて。我慢できないと言わんばかりに、勢いよく私に覆い被さってきた。


「リジーさん⁉︎急にそーゆー爆弾落とすの止めろ⁉︎止まらなくなんだろ⁉︎」

「とか言って、爆弾落とさなくったって止まらない癖に」

「いや、そうだけど⁉︎いきなりのご褒美が過ぎる‼︎」

「食べないの?」

「いただきます‼︎」



 そっから先はまぁ……いつも通り。

 私はグランにぺろりっと食べられて。



 今年のハロウィンは、俗に言うにゃんにゃんENDで終わるのでしたとさ(マル)






【ちなみにハロウィンパーティーこと《豊穣祭》では】

「「「トリックオアトリート〜‼︎お菓子くれなきゃイタズラするぞ〜‼︎」」」

「うむ。よく来たのぅ。儂お手製のかぼちゃプリンだ。味わって食べると良い」

「……そこぉ‼︎喧嘩してんじゃないよっ、1人1個ずつ食べなっ‼︎って……こらぁ‼︎ちっさい子から奪おうとすんじゃない‼︎仲良くしなっ‼︎」


…………といった感じで。

お医者さんスタイルのスイレン陛下と、看護師スタイルの姉御がお菓子を配っていたとかいなかったとか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ