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捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?  作者: miy


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67話



「2人を夫婦として認め、契約したことをここに宣言する」



フェルナンド様と私は婚姻契約書にサインをし、夫婦となったことを司祭様が宣言した。



「「「「おめでとう!」」」」



侯爵家の皆様から祝福の言葉を受ける。


フェルナンド様は私をギュッと抱き締めた。



「やっと…やっとだ。あぁ…イシス、もう離さない」


「フェルナンド、そう言わずに…少し離してくれ。

イシスを抱き締めたいのはお前だけではないんだぞ。さぁ、父にも譲らんか」


「あ、…ち…父上…」



フェルナンド様が腕の力を緩めた途端、私はムギュッと侯爵様…いや…お義父様の腕の中に抱き込まれていた。



「可愛い娘…私もこの日を待っていたぞ」


「今日から…よろしくお願いします。お…お義父様、大好きです」



お義父様って…呼んでみたかった。



「あぁ…私も大好きだよ、イシス」


「…はいっ!あなた、交代してっ」


「…あっ…アデリーナ…」



お義父様は私からベリッと引き剥がされた。



「お義母様、よろしくお願いします。いろいろと…教えてください」


「えぇ…もう娘になったのだもの、私を本当の母だと思って…何でも言うのよ?イシス」



お義母様は私に抱き着いて、涙ぐんでいる。


お義母様…そう呼べて幸せだな。



「はい…お義母様、大好きです!」


「…んもぅ…可愛いっ!」



お義母様は私の頬にチュッとキスをした。



「ははっ…カイラ見てみろ、早速イシスの取り合いが始まったぞ…」


「アンディったら、あれを“幸せ”っていうのよ?

今日は最高の日だわ。フェルにこんな可愛いお嫁さんが来るなんて…夢みたいね」


「アンディ義兄様、カイラ義姉様…私も、可愛い甥と姪ができるので、うれしいです」



カイラ義姉様の大きなお腹をそっと撫でてみる。結婚式のころには…生まれているわね。



「イシス、今度…女同士でお話しましょう」


「はい、カイラ義姉様とのお話は役に立つことばかりですもの…楽しみです!」


「そう?是非とも役に立って欲しいわ。楽しみねっ!」



この前のカイラ義姉様のお話は、タチアナ様を助ける時にとても参考になりましたわ。





──────────





お邸に帰ると、使用人の皆が花束やお菓子をたくさん用意して待っていてくれた。うれしい!


お祝いの豪華なディナーをお腹いっぱい食べ、旦那様の腕に包まれながら…談話室で寛ぐ。



「幸せ。まるで何かの物語みたい…これ夢じゃない?」


「夢だったら…困るよ?やっと一緒になれたのに」



フェルナンド様が切ない顔をして、私の顔にかかる髪をそっと耳にかけ…頬を撫でる。


…お互いの唇がゆっくりと重なった…。



「……ん……」



口づけはどんどん熱く…情熱的になる…。



「…イシス…幸せにするから…」



…チュ…チュッ…クチュッ…もう止まらない。



扉の外で、若いメイドが赤面していたらしい。





───────────





「お式までの1ヶ月は準備で忙しいわね」


「そうだな。式への招待状の手配はこちらで済ませてあるから、何も心配はいらないよ」



私は“イシス”として結婚するから…フォークレア子爵家以外に招待者はいないのよね。



「殿下の我儘で側近として戻ることになってしまったが、まぁ、それはそれでよかったのかもしれないな。

任期は臣籍降下なさるまでの…多分1年程度だと思う。

その先のことをどうするのか、これからイシスと一緒に考えていこう」



私は花嫁になる準備がいよいよ始まる。





──────────





「お邸?…ですか…」



お義父様の執務室に呼び出された私たち。

皇帝陛下との謁見からは1週間が過ぎていた。



「うむ。陛下が褒美として与えるとの話がある」


「何だか…畏れ多いことですわね」


お義父様やフェルナンド様は、貰えるのならあってもいいといった話をしている。



確かに、侯爵家にずっと住まわせていただくのもご迷惑よね?…ということで、ここはありがたく褒美を受け取ることにした。



長く住人がいないので、現在管理されているのみ…という…皇族所有のお邸を譲り受けるらしい。



え?

皇族所有?いや、そこは…()()のお邸で大丈夫ですよ?


豪華な感じになりそうで、今から不安なのは私だけでしょうか?…管理できる気がしません…。


国宝級の調度品に囲まれ、邸内をおっかなびっくり歩く。そんな自分の姿を想像して…震える。





結婚式後、新しいお邸へ移り住むことが決まった。










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