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捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?  作者: miy


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18話



あっという間に、1年が過ぎた。



今の私は、ランチェスター侯爵家の分家で…かなり遠縁にあたる子爵家の令嬢…となっている。



広い意味での家族になったのかな?



フェルナンド様の意向により、養子縁組をして再び貴族となってしまった私は…行儀見習いなる名目で、今も変わらず侯爵家で過ごさせていただいている。



異能の眼の訓練が半年を過ぎたころ、宝石眼への変化の兆しが見え始め…レストランでのお仕事中に予測不能な事態が起きないとも限らないので…泣く泣く皿洗いを辞めた。


今では両眼“宝石眼”となり、師匠の読みは正しく完璧であったと証明されている。





宝石眼とは、あらゆるものを視る万能の眼。


そして、視たものに対しては魔力による影響を強く与えることができる。


当然、心眼など異能の眼が持つ力も全て使いこなせる。しかも、地味にバージョンアップしている。

何より、その能力を使うも使わないも私の意志ひとつで決められるオン・オフモード付き…というのが素晴らしい。


だから、勝手に他人の未来を“先読み”してしまう心配もなく…とても生きやすくなった。



訓練して本当によかった!



今は魔術が使えれば十分な気がしているし、知られていない宝石眼の能力を使っても…周りから見れば魔術と変わりはないと思う。


多分、異能の力なんてそんなに必要ないんじゃないかしら?




────────




「イシス、やはり濃いブルーにしないか?」



フェルナンド様が言うのは、ドレスの色の話。



私が生まれて初めて出席するパーティー用のドレスを、アデリーナ様、フェルナンド様とご一緒に、仕立て屋で選んでいる最中。


私はもう18歳だから、真っ白いドレスを着るデビュタントまがいなことはしないけれど…社交界デビューとしてはそのパーティーが初となるため、ドレス選びは慎重に進めている。



「フェル、初めてのパーティーよ?白っぽい色のほうがいいわ。ドサクサに紛れて自分の独占欲を押し付けないことね」


「イシスの黒髪に白いドレスでは、注目の的になります。

イシスはパーティーで目立ちたいなどと思う卑しい令嬢たちとは違うんですよ、母上」


「何を言っているの?フェル、あなたがパーティーに参加するだけで目立つに決まっているでしょう?

嫌ならイシスのパートナーはやめてちょうだい。どんな好奇の目を向けられるか…分かったものではないわ!」


「なっ…母上、それだけは絶対に嫌です!」






どうしてお2人は毎回こうなってしまうのかしら?



フェルナンド様がお仕えする第三皇子殿下の婚約披露パーティーが、3ヶ月後に行われる。


そのため、多くの高位貴族たちから新しいドレスの注文が殺到している仕立て屋は“てんてこ舞い”なの。

要するに、早くドレスを決めないと間に合わなくなるんです。



揉めてる場合なの?


デザインに拘るならまだ分かるけれど…色とか…私は何でも大丈夫ですよ?



結局、濃いブルーから白へのグラデーションカラーで落ち着いたけれど…


次はデザインで一悶着。


続いて、宝石選びでもう一悶着。




一体いつ終わるのかな?







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