表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?  作者: miy


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/100

16話



「そうか、うん。…はぁ…よかった…」



フェルナンド様が今まで見たこともないような…へニャッ…とした表情をする。


私が伯爵家へはもう戻らないと言ったから、これは…安堵の表情?なのかな?



「実は、イシスの異能力について…師匠から知らせが届いていたんだ」


「え?」


「イシスを保護したと知らせたら、この長ーい()()がね。

内容が内容だから…イシスが邸の生活に慣れて、落ち着いてから渡そうと思っていた。


読めば分かるが…今後は、私がイシスをしっかりサポートするようにと、師匠からご指名を受けたよ」


「サポート?ですか?」



それはつまり、異能の訓練の?…昔…師匠がしてくれていたみたいに?



「とりあえず、手紙を読んでみてもいいですか?」






師匠からの手紙は、報告書みたいに分厚かった。



「…()()…じゃないのでは…?」


「全く同感だ。見た目だけじゃなくて中身も論文みたいだからな…落ち着いてからじゃないと頭に入らないだろう?

でも、イシスにとって大事なことが書いてあるよ。読めそうか?」


「はい。帝国と近隣国の言葉は…一応…」


「…っ…え?!…は…?」



フェルナンド様がおかしな声を出した。



「ご…5カ国語…をか?」


「簡単になら、ですよ?…あ…バイセル王国の言葉ならバッチリです。直接教わりましたから」


「…待て、直接以外に教わり方があるのか?」


「えと…文字を見たり辞書や本…とか?」


「つまり…見るだけか…」


「見ないと始まりませんよ?」



フェルナンド様がバタリ!と、ソファーに倒れ込んだ。



「わあっ!お兄様、大丈夫ですか?!」


「ある意味…大丈夫じゃない…」


「えぇ?!」


「私も3カ国語くらいまでならいけるんだが。負けてるな…大負けだ。1番難しいバイセルの言葉が完璧だと?」



“どうする…常識を飛び越えてきたぞ”

“やはり、眼に何かあるな”


フェルナンド様が…ブツブツ…と、呪文のように小さな声で呟く姿に…私はドン引いた。



「て…手紙?を読もうかな…」



フェルナンド様は、しばらくそっとしておこう。





師匠の手紙には、異能について調べた結果が書き綴られていた。当たり前だけど、初めて知る事柄ばかりだった。



異能力者の眼には多種多様な能力があるらしく、オーラで本質を見抜くフェルナンド様の眼を“心眼”、今まで魔眼としていた私の左眼は…正しくは“神眼”というそうです。



「つまり、私の眼は…呪いどころか魔眼ですらなかった…ということね」



そして、私の右眼は最も稀な“宝石眼”というものではないか?と師匠はお考えのようだ。



「…宝石眼…?」



宝石眼は、古の王族が持つだとか、最強の魔物の眼だったとか言い伝えはいくつかあるらしい。要するに、異能の眼の王様みたいな存在だとか…。


いきなりこれは凄すぎない?


異能の眼の中で、瞳の色が変化するという特徴を持っているは宝石眼のみ。

だから、師匠は私の右眼を宝石眼だというのだろう。


でも、



─“宝石眼”は対、必ず両眼である ─



これは…当てはまらない。


そう思いながら手紙、いや…報告書を読み進める。



『今の左眼は、単に神眼としての能力が現れている状態に過ぎない。おそらくは、訓練によって徐々に瞳が変わっていくはずだ』


「…訓練すれば…変わる…?」


『左眼が宝石眼へと変化を遂げた時、初めて両眼揃う。イルシス、君は素晴らしい新たな能力を得ることになるだろう』



()()の最後は、そう締めくくられていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ