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捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?  作者: miy


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10話



「イルシス嬢、取り乱して…驚かせてしまって悪かった」



その後、フェルナンド様は…私が魔術師として優れているとか、容姿についても可愛いとか?ちょっと恥ずかしいくらいにたくさん褒めてくださった。


さっきも、伯爵家に“ゴミ”と言われた私のために怒ってくださったのだ…とてもお優しい方なのだろう。




私は、今の生活についてしっかりとフェルナンド様にお話をしておいた。


だから当然、このまま伯爵家へ帰れるだろうと思っていた。



「兄弟子さま、今日はありがとうございました」


「伯爵家へは帰さないよ」


「へ?」



なぜに?

今、私は幸せだと説明しましたよね?



「侯爵家の…総意だと思ってくれていい」


「私が生きていくのに、その()()とやらで邪魔をするのですか?」


「…っ!…そうではない…」



では、帰らせていただきます。



「服はどこでしょう?そろそろ…失礼したいと思いま…」


「待ってくれ!」



フェルナンド様が必死に私を引き止めようと焦っている姿に、困惑してしまう。



「…君が“イシス”として生きていくことを…私が手助けするというのは?それならどうだ?!」


「兄弟子さまの仰る意味が分かりませんが…?」


「だから…その…そうだ、ここから仕事に行けばいい!」



何ですって?

伯爵家の小屋から、侯爵家へ住まいがグレードアップするということですか?



「伯爵家では、君の存在を朝晩の食事だけで把握していて…姿は確認しないんだろう?」


「…確かにそうですが…」



私に出会うと“呪われる”らしいですから。



「なら、ここにいたって構わないはずだ。

伯爵家で出される食事の後片付けくらい、こちらの者にさせる。簡単なことだ…何も気にしなくていい」



こんなフカフカなベッドで毎日眠れるなんて、それはとても有り難いことだけど…。



「師匠が君を心配しているんだ。勿論、私もそうだよ。

頼むから言うことを聞いてくれ」



また、あの気遣うような眼差し。


…うーん…本当に迷惑じゃないのかな…。



「…じゃあ…兄弟子さまは、私のことを“イシス”って呼んでくださいますか…?」



フェルナンド様がパアッと明るい顔をした。



美形が喜ぶと、こんなに眩しいものなのね。

眼をやられるわ…気を付けよう。



「あぁ…イシス。では、君も私のことを…“お兄様”って…呼んでくれないか?」



むむっ、照れた美形も眩しいのね…気を付けよう。



「…お…お兄様?では…よろしくお願いします!」



商談成立。






流れ的には…抱き合ってもいいシチュエーションなのだけど、魔眼持ちにはハードルが高過ぎるので無理でした。









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