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捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?  作者: miy


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80話 (最終話)



「…イシス…機嫌を直して…?」


「…………」



フェルナンド様は、私のプクッと膨れた両頬を撫でながら困っている。






昨夜、フェルナンド様に純潔を捧げた。



素肌で抱き合った瞬間…全身が甘く痺れたような感じがして、心も身体も愛して欲しいと思った。…でも…



─ 初めてなのに…()()も ─



朝起きたら、腰が重だるくて動けないし…身体には赤い痕がいっぱい付いていてビックリしたのよ。






「イシス、婚約から4ヶ月も私は我慢していたんだよ?」



それは…カイラ義姉様からも珍しいと聞いたわ。避妊薬があるから、今では婚前交渉するカップルも多いそうね。


ナターリエ様も、フェルナンド様は相当我慢していると…



ん?



タチアナ様が言ってた“大爆発”って…このこと?

フェルナンド様の…我慢が大爆発して…何回も…したの?



「身体には跡をいっぱい付けて…ごめん。

魔術で薄くはできるからね。でも、イシスを独り占めした証なんだ…少しは残しておいて欲しい」



独り占めした証?


これは、フェルナンド様のものになったって印なの?

こんなに…たくさん…愛されてるってことになるのかな?



「イシス、答えて。…もう…嫌になったの…?」



裸のまま上掛けに包まっている私を膝に抱き上げ、フェルナンド様が真剣な顔をして必死に聞いてくる。




「嫌じゃ…ないわ…」



ホワッと…フェルナンド様の表情が和らぐ。



「無理させてごめん。身体は辛い?回復の術をかける?」


「私も知識不足で…ごめんね。独り占めしてもいいって言ったのに。フェルが大爆発したんだって、今気付いたの」


「ん?…何…大爆発って…?」


「この身体の辛さも、いっぱいフェルに愛された証なのよね?…回復の術で消したらダメなんじゃないかな…」


「…はぁ…可愛い…。もう大爆発とかどうでもいいや」





フェルナンド様はお風呂でゆっくりと温まれば身体が楽になると言って、私を抱え浴室まで連れて行ってくれた。



楽になる?いいえ。

ムラムラしたフェルナンド様に“いやらしいこと”をいっぱいされた私は…疲労が増し、声が枯れたのです。


回復の術が必要になる日は近いと思う。





タチアナ様…大爆発って、一体いつまでなの?





──────────





♢ その後 ♢




婚姻契約して1年、子供はまだいないけれど…私たちはずっと仲良く暮らしている。



結婚式から半年経ったころ、フェルナンド様はレガリア伯爵の後を継ぐことが決まった。




レガリア伯爵の一人娘ノエル様は、愛した方が伯爵家の跡継ぎであったため…お嫁入りされることになったのです。


後継者がいなくなるとしても、娘の気持ちを優先したいと…レガリア伯爵から相談を受けていたお義父様とお義母様は、悩んだ末にフェルナンド様を後継者にと推した。


レガリア伯爵との血の繋がりも濃く、侯爵家次男のフェルナンド様は…後継者として申し分なかった。





『私たちの子供であることは、これからも変わらない』



お義父様とお義母様は、寂しそうに私たちにそう仰った。


後でフェルナンド様から聞いた話では、私の身分を“伯爵”に戻してあげられるのならと…決断されたという。


深い愛情を感じて、フェルナンド様の胸の中で泣いた。





クリストファー殿下は間もなく臣籍降下される予定なので、そのタイミングに合わせて襲爵することになる。



アカデミーで経営を学んでから、随分と経ってしまったフェルナンド様。

最近まで、ずっと領地経営のお勉強を頑張っていました。



    ♢



私は、魔導具の性能を向上させることに時間を費やした。


たくさんの本を読み漁り、知識を頭の中に全て叩き込む。

後は、今の魔導具の質を上げるには何が必要か?頭の中から情報を引き出し、組み合わせながら試行錯誤していく。


そんな私のサポートをしてくださったのは、魔塔主のレイヴン様だった。何と、ルミナス様のお兄様でした!



レイヴン様は魔導具集めが趣味。

しかも、あらゆる分野に精通している天才でしたの。

魔導具に関しては趣味の域を超えている気がするけれど、お陰で私は助けられ…多くの魔導具の改良に成功した。


今では…魔導具を販売する商店の元締めから、外部顧問にならないかとお声がけをいただくほどです。



辺境の地では、ローウェン様が頑張っている。

お力になれるよう…これからも魔導具の改良に勤しむ。



    ♢

    


「イシス!師匠がお見えになったよ!」


「はーい」



今日は、祝・婚姻契約1年記念。

大好きな皆さんを招いて小さなホームパーティーを開く。





「イシス…幸せか…?」



濃いブルーの瞳が、いつものように私を見つめる。



「えぇ。あなたといると…とても…幸せよ」


「…私もだ…君を愛している」



チュッ…と、髪に優しく口づけられる。



…フェルナンド様…

私はこれからもずっと、あなたの側で幸せになるわ。







新しい…幸せが増えるかも?…私はそっとお腹を撫でた。





                ─ END ─








※最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございました!

読んで下さいました皆様、ブックマークの登録や評価をして下さいました皆様、深く感謝申し上げます。


また、作品を投稿出来たらいいなと思います。



(※79話と80話の間の『閑話』『80話(修正なし)』『おまけ話』などは、アルファポリス様にて公開中です)

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