真相
「明らかにまぐれでは無い、洗練された動き・・・なんだよぉ、今の技は」
死神にそう聞かれても、そんなの知るわけ・・・いや待てよ、確か───
「秘剣、鍔眩目・・・」
そう、オレはこの技を知っている。
「やっぱり切り札かぁ、やってくれるねぇ・・・」
死神はフラフラと窓へと近づく。
「ダメージは五分五分というところだが・・・。今日のところはアサシンの新米君に花を持たせてやろう。また会おうぜぇ」
そういうと、死神は窓を突き破って落ちていった。
・・・ここ、3階じゃなかったっけ?
恐る恐る窓に近づき、外を見渡したが死神の姿はもう見えない。
オレは安全を確認すると、その場で尻もちをついた。
「た、たすかった・・・」
◇◆◇
「キャアアアア、何よ、アンタ!!」
刀でドアを切り裂いて中へ入ると、拷問レズビアン貴族が叫ぶ。
それはそうだろう。いきなり血まみれの男が部屋に乱入したのだ。
「あんたが、拷問レズビアンロリ貴族か・・・?」
オレは目の前の、赤毛の少女にそう聞く。
「人の部屋にいきなり押し入ってきて何クソ失礼な質問してんのよこのキチガイ!!」
それはそうかもしれないが、自分と同じ女に欲情し、あまつさえ拷問して楽しむ女にキチガイ扱いされる覚えはないぞ。
「残念だが、お前には死んでもらう」
そう言ってロリ貴族に刀の切っ先を向ける。
「ひっ、し、死神!早くきて何してるのよ!こいつを殺して!」
あいつ死神っぽいとは思ってたがやっぱり死神と呼ばれてるのかよ。
「アイツは逃げてったよ。俺も死にかけたけどな」
俺の声を聞いてロリ貴族はポカンとした顔をする。
「そんな・・・アイツはアサシンギルドでも一番の凄腕なのよ!あいつを撃退したって、アンタ一体何者・・・?」
「それは俺が知りたいよ」
やることは変わらない。わざわざ会話を長引かせて怖がらせることはないだろう。俺は刀をロリ貴族に振りかぶる。
「待って!待ってよ!一体私が何をしたっていうの!」
「よく言えたもんだなそのセリフ。シャーロットという娘の両親を拷問して殺しただろう」
「・・・してないわよ」
「ん・・・?」
「殺してないわよ!両親がいて愛されてると思い込んでるあの女が目障りだったから、ちょっとからかっただけじゃないの!」
「・・・その話、詳しく聞かせてもらえるか」




