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第八十六話 敵対する人たちの状況

 王妃殿下の反撃に対し。グラスジュール殿下は、


「わたしは父上に、財政についての権限を委譲されております。母上は王妃でいらっしゃいますが、わたしに命令には従っていただかなければなりません」


 と言って、王妃殿下の主張を一蹴した。


 王妃殿下は結局、グラスジュール殿下に従わざるをえなかったが、不満は持ったままになった。


 その話を聞いたわたしは、


「王妃殿下はこのまま黙っているでしょうか? ウスタードール殿下を推す勢力と連携して、グラスジュール殿下から実権を奪う為に、巻き返してくる可能性があると思うのですが?」


 とグラスジュール殿下に言ったのだけれど、グラスジュール殿下は、


「心配することはない。わたしは父上より、権限を委譲されている。このことについても父上はわたしを支持している。今まで、母上のほぼ言いなりになっていた父上なのだが、ようやくこのままではこの王国が衰退することを理解してきたのだよ。大丈夫。母上といえども、わたしに勝つことはできない。先日そなたに申した通り、わたしは生まれ変わった。この王国の為、わたしは突き進むのみだ」


 と力強く言って、わたしの心配を一蹴した。


 わたしはそんなグラスジュール殿下が頼もしいと思った。


 ただ、それでもウスタードール殿下を推す勢力のことは気になっていた。


 王妃殿下は、ここ数年、国王陛下が自分に夢中であることを利用して、この王国の実権を握ってきた。


 グラスジュール殿下は、もう全く問題にしていないようだけけれど、その勢力は依然として根強いものがある。


 しかも、想定をしていなかった舞踏会で、グラスジュール殿下が後継者であることを。改めて発表されたのだ。


 このことに対する怒りも強いものがあると思う。


 心配はしたくはないが、心配する気持ちはどうしても残ってしまうところだ。


 でもわたしとしては、グラスジュール殿下のことを信じるしかない。


 わたしはグラスジュール殿下の改革がうまくいくことを強く願っていた。




 一方、フィリシャール公爵家の方ではどうだったのかと言うと……。


 舞踏会においてグラスジュール殿下が改めて後継者として発表をされたことは、この舞踏会に出席していた父、継母、コルヴィテーヌの三人に対して大きな打撃を与えていた。


 その後、フィリシャール公爵家に戻ったわたしたち。


 それぞれ馬車から降りた後、四人で父の執務室に行き、そこでで三人は落胆していたのだけれど、継母は近くにいるわたしに対し、怒りを燃やし始めたようで、


「グラスジュール殿下が改めて後継者として定められて、あなたは鼻が高いでしょう。腹立たしくてしょうがない。昨日までは、ウスタードール殿下の方が王太子にふさわしいと言われてきたのに……。ウスタードール殿下は、もう王太子になれそうもないと思っていたから、あなたが婚約者になっても、まあここは我慢するしかないと思っていたのに……。それが、もう王太子殿下の婚約者としての座が確立されてしまった。こんなことってありえるのかしら? 王太子殿下の座はウスタードール殿下こそふさわしく、その婚約者にふさわしいのはコルヴィテーヌだとずっと思ってきたのに……。全く、なんであなたのようなどうしようもない人間が王太子殿下の婚約者の座について、コルヴィテーヌが婚約者になれないのよ! 腹が立ってしょうがない!」


 とその憤懣をぶちまけていた。


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