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第二十六話 大聖女様

 わたしは自分が持っているその魔法の力をもっと強くしていき、人救けをしていきたい、と強く思っていた。


 すると、わたしの目の前が急に明るくなる。


 光り輝いた状態がしばらく続いた後、一人の女性がその中から現れた。


 わたしは呆然とする。


 一体、誰なのだろう?


 わたしと同じ金髪碧眼。


 少しわたしよりも髪は短め。


 年齢は二十歳台前半というところだ。


 わたしは自分でも美人だと思っている。


 しかし、この方は、わたしよりも美しく、そして気品がある。


 そして、この方からは、やさしさがわたしの心の中に流れ込んでくる。


 癒しの力があるようで、それは心地良いものだ。


 夢の世界に入っている気がしてくる。


 もしわたしが男性であれば、一目惚れしてしまうだろう。


 それほどの魅力にあふれている方だ。


 ただ、どこかで見た気がする。


 それが思い出せない。


 でも今はそれよりも、この夢の世界での心地良さを味わいたかった。


「リランドティーヌさん」


 その方はわたしに呼びかける。


 その声を聞いて、わたしは現実に心を戻される。


「わたしの名前をご存じなのですか?」


「はい。知っております」


「申し訳ありませんが、あなた様のお名前も教えていただいてよろしいでしょうか?」


 すると、この方は微笑みながら、


「ソフィディーヌと申します」


 と言った。


 ソフィディーヌさん?


 どこかで聞いたような?


 そうだ!


 わたしは、


「もしかすると、『大聖女様』でおられますソフィディーヌ様でしょうか?」


 と言った。


「大聖女様」の名前はソフィディーヌ様と言う。


 そして、この王国では像が作られたり、絵で描かれたりしている。


 その姿とほとんど同じだ。


 名前とその姿から、ソフィディーヌ様ではないかと思ったのだ。


「よくご存じでしたね。わたしはソフィディーヌと申します。今から三千年ほど前になりますが、この地で聖女として活動をしていました」


「やはりソフィディーヌ様でした。お会いできて、光栄に存じます」


 わたしはそう言うと、頭を下げた。


「頭をお上げください」


 ソフィディーヌ様は微笑みながら言う。


「それではお言葉に甘えて、頭を上げさせていただきます」


 わたしは頭を上げた。


 それと同時に急激に緊張してくる。


 伝説と言われる「大聖女様」とわたしは向かい合っている。


 本来であれば雲の上の人だ。


 わたしのような人間が気軽に話すことのできる相手ではない。


 この方はわたしのようなものに、何を話そうと思っているのだろう?


 緊張しながらそう思っていると、ソフィディーヌ様は、


「リランドティーヌさん、あなたは今持っている魔法の力を強くしていきたいと思っているようですね」


 と言ってきた。


「そうでございます。ただ、その方法がわからないままなのです。というか、もともとそこまでの弱い力しかなく、その力を強めること自体ができないのでは? という気持ちもありました」


 わたしがそう応えると、ソフィディーヌ様は、


「リランドティーヌさん、あなたの力はそんな弱いものではありません。もともとあなたは過去世において、その力を発揮したことがあるのです。残念ながら、前世と今までの今世ではその力が発揮できていませんが、練習をすれば、その力を発揮することができるようになるのです」


 と微笑みながら、しかし、力強く言った。


 わたしは、


「ソフィディーヌ様、わたしに過去世があり、その中で、魔法の力を発揮したことがあるとおっしゃいましたが、わたしには前世以外の過去世の記憶がありません。今お話しになったことについては、信じることがなかなかできません」


 とソフィディーヌ様に言った。


 それに対し、ソフィディーヌ様は、


「無理もないことだと思います。普通の人々は、前世のことすら思い出すことができません。その点で、前世のことを思い出すことができたリランドティーヌさんは、それだけでもすごいことだと思っています」


 と言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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