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異世界美容室  作者: きゆたく
三年目、異世界大陸革命編
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商人武人オドリーヘ、無双状態


「取り合えず。今日はご挨拶までということで、明日はカットをしに来たいと思います。空いている時間はありますか?」


「ええと…お昼位なら…」


「それでは、お昼過ぎに伺います。夜分にすいませんでした」



 そう言って、マダマダ様とオドリーヘ様は帰っていった。何か疲れたよ。



「ナナセ、言われっぱなしじゃない。あの女やるわね」


「姉御…完敗でした…もっと言い返しましょうよ…店長は私の物です、とかねぇ」


「お姉ちゃんもオーパイさんもうるさいよ!もうっ!私は関係ありません!」



 ナナセさんも冷やかされて、激おこプンプンだ。



「店長も、胸ばっかり見て変態です!」


「いや…そんなに見ては…」



 確かに胸は大きかった。僕の出した希望通り。僕というかジーク様だけど、それを決めたのはね。僕は才能ある商人で、二つ名持ちの武人という条件を出しただけだよ…。胸はおまけだよ。それにしてもマダマダ様に、あんなに凄い娘さんがいるとはね。



「もうっ!今日は帰ります!」



 そう言って、ナナセさんは帰っていった。怒りながら…。そしてその後は、僕が皆に何故か詰められる…。



「キクチくん、ナナセも良い娘よ…」


「師匠…女心をわかってやって下さいよ…」


「僕が何でそんな事を、言われなきゃ…」


「キクチ、ナナセと結婚するなら応援してやるぞ」


「私も賛成ですな。ジーク、派手に祝いましょう」


「ジーク様達もいつの間に…聞いてたんですか…」



 面倒臭いなぁ。僕達はそんな関係では無いのに…。明日もオドリーヘさんは来るし…大変だよ。



※※※



「へぇー凄いわね。これはお金になるわ」


「わかりますか?まだカット途中なのに」



 オドリーヘ様は時間通りに、来店された。そしてカット中に僕達を観察し、やたら感心している。



「わかるわ。武人だからね。その一つ一つの姿勢に、切る為の理論があるのね。どうすればまっすぐ切れるか、長さを合わせられるか、どういう形になるか…手の位置や角度、立つ位置まで見事としか言えないわ」


「良く気付きますね…」


「きっとある程度の武人なら、わかるはずだわ。流れる様な動き、簡単そうで…修練の賜物よ。気付かない訳がないわ」


「嘘でしょ…」



 そんな事までわかるのか…。良く見てる…。



「何気に他のスタッフとの、連携も見事だわ。美容学生もレベルが高いし、スタッフは次に何をするか完璧に理解しているのね。準備や段取り…あなたが声を掛けなくてもね。それに何気に目で合図も出してるし、素晴らしいわ」


「そんなに見られると、恥ずかしいですね」


「恥ずかしがらずに、もっと誇りなさいよ。自慢の弟子達なんでしょ?」


「誇りには思ってますよ。ただそんなに良く見られると、恥ずかしいですよ」


「まぁ、確かにそうかもね」



※※※



「いやぁ、大満足です。こんなに素敵にしてもらえて…」


「ありがとうございます」



 カットには満足して貰えた。癖を活かして、空気感のあるスタイルだ。前髪もあえて短く切り込んだ。これなら、うねりも気にならない。



「じゃあ、また夜に来ますね」


「えっ?」


「「えっ?」じゃないでしょう。私は一応あなたの出した条件を、クリアしてここにいます。それなのに無視を決め込むんですか?スタッフのご機嫌取りの為に、失礼な事は止めて下さい」


「はっはい。わかりました」



 そしてオドリーヘ様は出ていった。確かに自分勝手過ぎるよな…。僕が無理な条件を、勝手に決めたのにね。いざクリアされたら、知りませんは無いよね。



「師匠…どうする気ですか?」


「オーパイさん…どうしたら良い?」


「それは師匠が考えて…アタシには無理…とにかく姉御の機嫌が…怖いです…」


「同じく…僕も怖い…」



※※※



「何でディーテ様や、カズヤさんまで…」


「キクチの結婚には興味あるわよ。今じゃ城中の話題よ」


「僕はマイに聞いて、面白そうだったからね。学生達も盛り上がってたよ」



 勘弁して下さい…。もし本当に結婚なんかしたら、漫画化されそうで怖いよ。



「皆さんは、上で待ってて下さいね。邪魔されても困るし、話もちゃんとしたいですからね」


「そうかキクチは、前向きみたいだな」


「ジーク様、そんな事は言ってませんよ…」


「胸も大きかったからな、あれはキクチの好みだ」


「ヤッカム様も、余計な事は言わないで…」



※※※



 そしてマダマダ様と、オドリーヘ様がやって来る。



「キクチさん悪いね。連日来てしまって」


「いえ、はっきりしない僕も悪いですから」


「では答えを聞かせて貰えるのかな?」


「お父様!それは私が聞かせて貰います」


「すまんすまん…」



 確かに良い女性だと思うよ。スタイルも良いし、頭も良い、闘いも出来る。どうしたら…。



「キクチさん…」


「はい。何でしょうオドリーヘ様…」


「ちょっと外に出ませんか?出来れば、二人きりになれる場所で話しましょう」


「えっええ、構いませんが」



 ヤバそうじゃない?強硬手段に出られたら勝てないよ。まぁ、そんな事するとは思って無いけど…。



「では、行きましょう。お父様は、ここでお待ち下さいね」


「ああ、気を付けてな」



 そして僕達はドアから出る…。皆が付いてきそうな気もするけど、変な事はしないで欲しい。どうなる事やら…。



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