ダウタウーン公国訪問、リゾート気分
翌日僕達は、海水浴に出た。折角と言う事で、ダウタウーン公国の方々も参加している。周りにも、遊びに来ている人はいるが、僕達の様な格好をしている人はいない。むしろ服を着ていて、そのまま海に入って行く感じだ。
「多めに水着を買っといて良かったです」
「ありがとうございます私達の分まで…」
「僕も嬉しいです。それにしても良い素材ですね」
「メロンパ様、これは水に濡れても透けませんし、素材も入水用なので良いですよ」
「これは、公国でも製作したいですね。研究していきましょう。新しい産業です」
「クロワツ!俺達をスケッチするな!何する気だ!」
クロワツ様は漫画の資料にでもする気だろうか…。それとは別に、ジーク様達も嬉しそうだ。アントレン様はもう海に入ろうとしている。そして女性陣が遅れてやって来る。
「店長!お待たせしました!」
「まさにリゾートね。最高だよ」
ナナセさんとマイさんが、まずやって来る。オシャレなビキニを着ている。マイさんも、自慢気に大きい胸を露出しているよ。アントレン様は大興奮だ。良く見ると周りの男性陣や、他の海水浴客も驚いている。
「これは…刺激的ですね…」
「ああ…マイ…素敵だ…」
そして更に他の女性陣も、やって来る。そしてクロワツ様!スケッチすな!
「お父様!お兄様!どうですか?可愛いでしょ?」
「マリー…そんなに露出して…でも可愛いよ」
「あなたどう?昔より、グラマーでしょ。若いしね」
「ああ、そうだな。アスカとはいえ、恥ずかしいな。確かに今は、若い娘だもんな」
「ポンデリーンは良く平気ね…私はかなり恥ずかしいわ…こんなに胸を強調して…お尻も出てるし…」
「コローネ良いじゃないか…これからは新しい産業にもなる。良いお披露目だ」
「師匠!どうですか?私は少し胸が窮屈ですが、開放的で楽しいです!」
「オーパイさんも似合ってるよ。スタイルも良いからね、海にピッタリだよ」
次々と水着を披露していく。オーパイさんは、胸が大きくてスレンダーだし、ポンデリーン様やコローネ様も同様だ。マリー様は、流石に子供体型だけど、良く似合っている。クロワツ様も更にペンが走る…。
「店長…変な事考えてません…?」
「いっいや別に…」
「キクチくんは、誰の胸が大きいか見てたのよ。マリー様とナナセ以外のね」
「えっ?そっそんな事は、別に…そりゃマリー様はまだ子供だし…ナナセさんは大きくはないけど…形は良いかもしれないし…」
「店長…何を言ってるんですか…そんなに慌てて…」
結構な怒りを買ってしまった…。この後が大変そう…。そうしているうちに、やっとディーテ様がやって来る。豊満なボディを従えて…。
「「「「「……」」」」」
「そんな目で…見ないで…!恥ずかしいから…!」
「大丈夫ですよ!ディーテ様!皆は照れてるだけですから!」
「ナナセ…でも少しやり過ぎよ…まぁ似合ってるとは思うけど…」
男性陣は驚いた…。ジーク様も頭を抱えてる…。クロワツ様はここに来て最速でペンが走っている…。何故ならディーテ様は、物凄く面積の小さいブラジリアン水着を着ているのだ…。胸は殆ど出てるし、お尻も丸見えだよ…。ナナセさんが選んだのか…?確かに外人風だし、豊満な体付きをしているけど…。やり過ぎじゃないか?この海辺にいる全員が、目のやり場に困っているよ。仮にも王妃様だからね…。
「視線が怖いわ…せめてもう少し痩せてから…胸もお尻も…ていうか描かないで!」
「ディーテ様!もう遅いです!行きますよ!マリー様も付いてきて!」
「ラジャーです!」
ディーテ様は、恥ずかしがりながらもナナセさんとマリー様に連れられ、海に入っていった。少し呆然としていた僕達も、それからは遊び始めた。
※※※
「これは良い!早くて楽しいぞ!」
「落ちるぅ~!」
「キャー!」
今僕は、サイトウさんの運転をするボートに乗っている。後ろにはバナナボートが繋がっていて、他の皆が乗っている。
「これはなんて言うんですか?」
「これは、俺が開発したジェットスキー『魔小艇』だ。後ろはゴムで作った、ただのバナナボートだけどね。今日の為に苦労したぜ」
沖では、サイトウさんの開発したジェットスキーで大盛り上がり。馬力もあるので、バナナボートも簡単だ。僕達は遊び道具も、沢山持ってきた。ビーチボールとかね。サイトウさんもバナナボートや、それに合わせて救命具まで作って持ってきた。いつの間にか、ディーテ様も外見を気にせず楽しんでいる。胸とお尻をプリプリさせながらね。
※※※
浜辺にに戻ってくると、見ていた人達の歓声で盛り上がる。そこまでか?とも思うけど、新しい物には弱い世界だからね。
「オジサン!ボクも乗せて欲しい!」
「ママ~!私も乗ってみたい~!」
子供達もやってみたいんだな。何気に後ろの大人達もやりたそうだしね。というかうちの連中も、もう一回やりたそうだし…。
「良いよ。順番だぞ!アスカ、手伝ってくれ!後ろに乗ってくれないか?」
「ふふっ、良いわよ。じゃあ順番に後ろのゴムボートに乗ってね。ちゃんと救命具も、着けて貰いますからね!」
その後は、サイトウさんとポンデリーン様が、他の子供達や海水浴客を楽しませて上げた。良い夫婦だ。皆もその光景を楽しく見てたよ。でも自分達も乗りたいという嫉妬も、良く見えたけどね。
※※※
「オラッ!」
「グハッ…アントレン貴様…」
「甘ぇよ。俺に勝つなんてな、百年早ぇ!」
「やってやろうじゃないか…潰す!」
何故か、ジーク様とアントレン様がビーチバレーで、血を流していた。最初は皆でワイワイ楽しくやってたのに、いつの間にか二人で醜い争いをしているよ…。いつの間にか他の皆も、砂でお城を作ったり、日光浴をしたり、また海に入ったりとしている。でも僕だけ…バーベキューの準備だ…。誰も手伝ってくれない…。パラレルの皆ですら…。
「私は今日休みですから!何にもしません!」
「師匠が来てって言ったから、来て上げたのに!それは失礼です!」
「キクチくん、私は先輩よね…まさか先輩にさせないわよね…」
そんな事を言っていたよ…。まぁ、大量の食材は用意して貰ったし、つまみ食いしたり、飲みながらやるよ…。ちくしょう…。
※※※
「外で食べるのも良いですね!」
「最高に美味しい!」
「これも食べたい!」
「さっきのもう一回作って!」
皆にバーベキューは大好評だ。シーフードは新鮮だしね。調子に乗ってシーフードカレーや、シーフード焼きそばなんかも作ったよ。その時には、ポンデリーン様も手伝ってくれたしね。材料もまだまだあるし、食いまくってやる!
「あの~すいません…お金は払いますので…少し分けて貰えませんか…?」
「私も…」
「俺も…」
あれっ?匂いに釣られてきたかな?多少は構わないけど、気のせいか、行列が出来てる様な…。
「キクチ!折角だ、分けてやれ!」
「キクチさん、材料は私達で用意しますから!皆も好きなだけ食べていって下さい!」
「新しい文化の始まりです!お金は僕達が出しますから、皆で新しいダウタウーン公国に乾杯しましょう!」
「「「「「ワアァァァー!」」」」」
おいおい!僕とポンデリーン様の負担が半端無いよ!ていうか、ポンデリーン様はどこに行った?いつの間にか逃げたな!くそっ!なんでこんな事に!
※※※
宴は暫く続き、僕は疲れ果てた…。
「皆…恨みますよ…」
「まぁまぁ…皆喜んでいたし、良かったじゃないか」
「そうですよ!問題無いですよ!ねっマリー様!」
「うん!楽しかった!」
「ポンデリーン様も…いつの間にか、消えてるし…」
「私は…逃げたとかではなく…えっとちょっと持病が…」
「私もこんなに恥ずかしい格好を、我慢したんですから、少しは我慢しなさい!」
皆、好き勝手言ってるよ…。後半はかなり疲れたけど、まぁ楽しかったから良しとするか。皆もかなり喜んでくれたしね。絶対また来よう。今日みたいな日が多く取れるように、また明日から頑張ろう。そうして僕達の、ちょっとしたバケーションは終わった。
※※※
「これは…教皇様に、いい報告が出来そうだな…」
「ああ…あれはオースリー王国だ…調べる価値もありそうだ…」
どこかで、新しい問題の種が育ち始める…。




