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異世界美容室  作者: きゆたく
三年目、異世界大陸革命編
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※鍛冶師サイトウ、バイク発明※


「サイトウ…とうとうやったな!」


「ああ、ディンドン!」



 俺達はとうとう完成させた!自動車設計をしていた俺の自信作、バイクの『魔単車』だ!魔石や魔力伝導は、ディンドンと協力し、車体は俺が作り上げた。



「よし!走らせて見よう!」


「街道の広い所でチェックだ!」



 最初は車を作ろうとしたが、まだ車道とも呼べる道は無いので、まずはオフロードバイクを作った。これなら山道も行けるので、冒険者達にも受けるだろう。魔力を消費せず、高速移動するにはもってこいだ。それにタンデムシートにしたので、二人乗りも出来るし、荷物も多少は載せる事が出来る。



※※※



「これなら、バッチリだ!」


「サイトウ!俺にも乗らせてくれ!」


「操縦に気を付けろよ!」



 大成功だった。多分普通のバイクより良いな。最速で時速400㎞出るし、ブレーキも良し、ギアチェンジもしやすく、安定性も高い。何より燃費が良すぎる。魔力だと恐らく、20万㎞は走れる。多分先に車体が駄目になるから、給油の必要が無い。とにかく、各所に付けた魔石と魔方陣が、大活躍しているって事だ。



「サイトウ!これは凄いぞ!」


「ああ、後はコストパフォーマンスだな。そして大量生産だ。これじゃ値段が高過ぎるかもな」


「いや!大丈夫だろう。それでも売れるはずだ!」



 そんな会話をしていると、声を掛けられる。



「良ければ、俺にも乗らせてくれ!」


「私も乗ってみたい!」

 

「僕も!」



 いつの間にか、観客が凄い事に…。集中してたせいか気付かなかった…。仕方無いので、ジャンケンで順番を決め、時間が許す限り乗せて上げた。小さい子は二人乗りでね。その結果、皆が大喜びだ。これだけでも、異世界に来た甲斐があるってもんだ。



※※※



「サイトウ…まずい事になった…」


「どうした?」


「注文が凄い事に…」



 ディンドンの言った通り、値段は関係無かった…。この世界では、新しい物に目がない。キクチさんのアドバイスを、忘れてたよ。試乗の場で、アントレン様や騎士に乗せたのもまずかった。ジーク様や騎士団の、大量発注まで来た。これは何とかしなければ…。



「取り合えず、ギルドで最優先の仕事として、フル回転でいこうか…」


「そうだな、それしか無いな…ギルドメンバー皆に頼もう」



 具合を見て、すぐにでも自動車を作ろうと思ってたのに…。先伸ばしだな…。



※※※



「俺達が想像してたよりも、遥かに馬力があるな…」


「確かに…まさかそんなにパワーがあったなんて…」



 ある程度売れていくと、魔単車乗りをかなり見かける様になった。冒険者や配達人、一般人でも良く利用している。でも驚いたのが、後ろに荷車を引いてたり、積載量を遥かに超える荷物を載せてたりする事だ。勝手に座席を付けて、五人乗りなんて事もしていた。



「魔力と魔方陣が、思ったより効果を出してるのか…」


「そうなのか…皆が便利なら、それで構わないが…事故とかは気を付けて貰いたいな…」


「それも大丈夫だろう。魔方陣が安全をカバーしてるからな。ある程度の無茶が、出来るようになっているし、接触もしにくい…」


「…オフロードに対応したのが、裏目に出た…皆が無茶をするなこりゃ…」



 皆は各々で、有効に活用していた。若者はいつの間にか、レースもし始めたよ。そのうちレース場を作ったり、大会も行われそうだよ…。その後もジーク様から感謝の言葉を頂いたり、キクチさんやナナセさんに褒められたりもした。でも中々生産が追い付かなく、困っていた。



※※※



「サイトウ…。更にまずい事になった…」


「ど、どうした?」


「外国の注文も凄い事に…」



 俺は良く理解した。この世界に、面白い玩具を作るとどうなるかを。魔単車がこの世界で、あっという間に大ヒットしてしまった。いつもキクチが苦労しているのは、こういう事なんだな。これは…無理だ…。



「絶対無理だ…技術公開しよう…」


「確かにな…無理だ…各国に連絡して貰おう…ジークに言ってくる…」


「各地に修理や整備を、出来る人がいなきゃだしな…遠くで壊れても無理だ…その辺の説明も頼む…」


「わかった…」



 その話はすぐに進み、各国や他の街から多くの人が訪れた。以外な事に、この世界には特許制度があった。甘く見ていたよ。契約もしっかりと魔法等も使い、行われていた。日本とは多少違うのだろうが、それでもかなり良い収入になりそうだ。キクチさんは俺の大変さに、かなり同情してくれた。同士として、飲む約束までしたよ。



※※※



 そして魔単車の生産が落ち着き始め、車を作りを始めようとした所で、キクチさんからのお願いが来た。魔族の国の為らしい。



「へぇーテレビ…そんな物があるのか。面白そうじゃないか。それに発電機は俺も作ろうとしたしな…まぁ微弱な電気しか作れなかったけどさ。サイトウが作ってくれるなら、楽しみだ」


「ディンドン…でも大変だぞ…魔力から変換するのは…」



 キクチさんからのお願いは、発電機だ。テレビやDVDを魔族の元へ運ぶから、使える様にしたいそうだ…。普通の発電機だったら、買ってくるなりすれば良いのに…。あえてこの世界で作らせるのは、文化の発展の為だろう。専門外だけど、いつかテレビや他の電気製品も、魔力を元に作らせる気だな。俺じゃ無くても、いつかこの世界で作れる様に、俺が礎になるんだろう。



「ディンドンは、弱い雷の魔方陣を考えてくれ。俺が機体を考えて作る」


「わかった、任せてくれ」



 取り合えず、自動車はお預けだ。でも必ず作る。そして電車や飛行機も、作れるかもしれない。それだけ魔力や魔石は有効だからな。やってやるよ。それに異世界で名を上げないと、アスカ…いや今はポンデリーンか…ポンデリーンと結婚出来ないしな!愛と異世界の為に、俺は生きているんだ!



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