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異世界美容室  作者: きゆたく
三年目、異世界大陸革命編
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アカサタナ帝国とイキシチニ帝国訪問、大魔王降臨


「キクチ、良く来てくれた。ありがとう」


「俺も感謝させて貰う」


「カナヤ様、キニユ様、こちらこそありがとうございます」


「あれっ?ジークも来たの?」


「ふんっ、何かきな臭かったからな」


「…まぁ良いけど。そんなに心配しなくても、多分大丈夫だからさ」



 僕達はまた転移陣を使って、アカサタナ帝国に来た。でもイキシチニ帝国の面々もいる。二国同時訪問だから…。そして何故かナナセさんが付いてきた。理由は面白そうだから。流石だね…。



「では、さっそく行こうぜ」


「ああ、そうだな。皆、ワイバーンを用意してあるから乗ってくれ」


「やったー!」



 何か軽いなぁ。ていうか、ワイバーン?いきなり過ぎない?まだゴブリンやスライムすら、見た事無いのに…。大丈夫かな…。まぁナナセさんが喜んでるから良いか…。



※※※



「うわーっ、高い!」


「店長!最高じゃないですか!」


「久々だが、良いもんだ」


「ジーク、気持ち良いですな」


「俺も欲しいな!飼ってみたいぜ」



 僕達は今、ワイバーンの背中に乗っている。僕以外は怖く無いみたい。でも凄く僕達になついてくれた。魔物とはいえ優しいな。でもアントレン様みたいに、飼いたいとは思えないけど。



「俺達は空を飛べるから、あんまり必要ないけどな。でも魔族のみに基本なつくから、こういう時くらいしか使えないぜ」


「ワイバーンはそこそこ強いから、冒険者もそんなに狩らないしね。知能も高いから、人里を襲う事もしない優しい魔物だよ。竜族だからね」


「悪い竜族も腐る程いるだろうが…」


「そいつらは昔から、より多くの生物を喰らってきた種族だ。本来ドラゴンは雑食だが、主に草葉を好む。あいつらは人の味を知って、それを求める様になっちまったんだ。他にも俺達の様に、出来上がった料理が好きなドラゴンもいるぜ。好きな物を食べたいっていう本能もわかる」


「悪いドラゴンは、俺が狩ってやるよ!」


「アントレン様…」



 ドラゴンも色々いるんだなぁ…。もしかしたら、デリタム王国で狩ろうとしてたのは、そういう悪いドラゴンなのかもな。



※※※



 飛んでから、すぐ街が見えてきた。正直、もっと魔界感があるのかと思っていたけど、普通に綺麗な街だ。



「ここが帝都だ。右に見える谷があるだろう?あの向こうがイキシチニ帝国になる」


「へぇーそうなんですね!私はもっと瘴気溢れる、薄暗いイメージでした!」


「ナナセ…それでは魔族は死んでしまうよ…どんなイメージだったんだ…」



 ナナセさんの気持ちはわかるけどね。まあ僕達の常識は、この世界に当てはまらないからね。



「カナヤ、キニユ…で、これからどこに行くんだ…」


「ジーク焦りすぎだよ。まあ気付いてるみたいだけど、想像通り大魔王様のところさ」


「やはり…」


「まあ、楽しみにしてなよ」



 やっぱり大魔王案件だった…。そして僕達は不安を感じながらも、暫くそのまま飛んでいった…。



※※※



「着いたよ」


「ここですか…」



 ワイバーンから降り辿り着いたのは、少し人里から離れた森の奥。そしてそこにあるのは、小さな一軒家…。



「大魔王の城っぽくないですね!」


「ナナセさん、変な事言わないでよ」



 でもジーク様達も、同じ様な感想だろう。大魔王の屋敷とは思えない…。でもジーク様達は、やけに警戒し始めた…。



「サーツリーク様!カナヤです!キクチ達を連れて参りました!」



 ドアをノックし、中に向けて声を掛ける。すると…。



「はーい。いらっしゃーい!」



 中から一人の元気な、オバサンが出てきた。ちょっと小太りで、おばちゃんパーマをあてた様なヘアスタイル…。角が二本生えてはいるけど…。



「おっアンタがキクチかい?私はサーツリークだ。よろしくね!思ったよりも、良い男じゃないか。まあいいさ、とにかく皆入ってちょうだいな。お茶も用意してあるからさ!」


「ありがとうございます…」



 そして皆が入っていく。そしてリビングの様な所に通された。何故かジーク様とヤッカム様、そしてあのアントレン様まで謎の汗をかいている。何があった…。



「今、お茶と茶菓子持ってくるから」



 そう言ってサーツリーク様は部屋から出ていく。



「店長!良さそうな人で、良かったですね!肝っ玉母ちゃん見たいです!」


「そうだね、でもあんまり失礼な事は言わないでね」


「キクチ、ナナセ…何も感じなかったのか?」


「あんな感じだが、ありゃあバケモンだ。俺とジーク…いやここにいる皆で戦っても、間違いなく勝てねぇ…」


「ああそうだ…物凄い無力感を感じますな…世界は広い…もし鑑定魔法をしたら、驚いて気絶するな多分」



 そんなに?ただの気の良い、普通のオバサンにしか見えないけど…。



「ジーク達もそう言うな、敵意があるわけでも無いしな。ていうかあそこまでの強さになったのは、キクチやナナセのせいだし」


「「「「「えっ?」」」」」


「ナナセの考えた魔法や、キクチの漫画を参考に色々やってみたら、強さが遥かに上がったそうだ。ただでさえ桁外れだったのに、更に強くなってしまった」


「俺達も驚いてるんだぜ?ありゃ卑怯だよな」



 そんな会話をしてたら、サーツリーク様がお茶等を持って戻ってきた。



「あんまり私を悪く言うなよ…私もここまで強くなるとは、思って無かったんだから…」


「聞こえてたんですか…すいません…」


「まぁいいさ。お茶でも飲みながら話をしようさ。聞きたい事もあるからね」



 そう言って話を始めた。そしてお茶がめちゃくちゃ美味い。やるなサーツリーク様。



「さっそく聞くけど、キクチはこの世界の住人じゃないね?」


「「「「「……」」」」」


「そうかオースリー王国の連中は、知ってるのか。魔族は知らないと」



 いきなりきたー!アキハバーラ様パターンだ。



「何故…」


「良く考えればわかるしね。気付いてる奴もいるでしょうに」



 そして結局僕達は、ゲーイジューツ皇国の時と同じ様な話をする事に…。



※※※



「そうかいアキハバーラも気付いてたか」 


「ええ、サーツリーク様と同じ様な事を仰ってました」


「もう何十年も会ってないけど、あの娘も偉くなったもんだ。まぁ昔は賢者なんて言われてたしね」


「そうなんですか…」


「まだ信じられません…その様な世界があるとは…」


「ジーク達は行った事あるんだろう?俺も連れてってくれよ」



 サーツリーク様は、本当に聡明な方だった。あんな見た目なのにね。そして二人の魔王は驚いている。でも連れて行くには、角が邪魔だね。変化の指輪もあるけど…。色んな人を連れてくのも面倒臭いので、取り合えず気付かれるまで、黙っておこう。



「それで本題なんだけどさ…」


「えっ今までの話を、聞きたかったのでは?」


「それはわかりきってる事だからね、実はお願いがあってさ…」



 サーツリーク様が話そうとした時、周りに異変が起こる。



「こっこれは…!」


「何だ!?この膨大な魔力は!」


「空から、ここに向かって来てる!」


「ちっ!戦闘か!」



 皆が一斉に騒ぎ出す。そして…。



「グオォォォウオォォォ!」



 地響きと共に、物凄い咆哮が聞こえる。間違いなく近くに降り立った。魔獣か?皆は既に臨戦体勢に入り表に出ていく。そして僕とナナセさんは何も出来ない…。何が起きているのだろうか…。



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