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異世界美容室  作者: きゆたく
三年目、異世界大陸革命編
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デリタム王国訪問、きのこと鑑定


「待っていたぞ。キクチ、ナナセ」


「私もよ」


「ライオトーラ様、シャームネー様、ありがとうございます」


「ありがとうございます!」



 今は、デリタム王国に転移してきた直後だ。この国もどれだけ楽しみにしてたんだよ…。後にはジャングラ王子や、王弟のタイガベア様もいる。僕達は、ヤッカム様とルード様と護衛の騎士二人で来ている。因みにタハラシ様は、現在引きこもり中だ。自分の過去をバラされ、自分の殻に閉じ籠ったのだ。



「では早速、我が輩が作り上げた軍を見てもらおう。軍団名を考えて欲しいからな」


「兄上!それと我等の闘いのアドバイスも、頂きましょう!」


「ルード久し振りだね!元気そうで良かったよ!」


「ジャングラこそ!ちゃんと鍛えてる?」



 皆張り切ってるな。タイガベア様は軍団長でもあるから、きっと戦闘狂なんだろうな。ジャングラ様は武闘大会から、ルード様と仲良しらしい。次世代の王が、仲良しなのは良いよね。二人共、温厚だしね。そして僕達は馬車で、王都の訓練場に向かう。



※※※



「キクチさん、デリタム王国の王都はどうですか?」


「ジャングラ様、驚いてますよ。木々に挟まれ、山や自然を活かした素敵な都ですね」


「ありがとうございます。僕達はエルフ程ではありませんが、自然を大事にしますから。他の国と比べて国も小さく、獣人もそんなに多い種族ではありませんからね。街も三つしかありません。このデリタム連峰が国なんですよ。たがら街や国を大事にしてます」


「そうなんですか…でも山菜やきのこもありそうだし、山の幸も多そうですね。羨ましいです。食べ物も、美味しいものが多いんだろうなぁ」



 本当に良い街だ。小さくても活気がある。コミュニティが狭いからこその良さなのかもな。



「ちょっと待って下さい…キクチさん…きのこって食べられるんですか?」


「はい?シャームネー様、食べられますよ。まぁ仲には毒キノコもあるでしょうけど…」


「オースリー王国でも、食べませんね」


「私も大好きです!椎茸、シメジ、エリンギ、ナメコ、えのき、マッシュルーム、トリュフ、松茸何でもござれです!焼いても良いし、出汁を取っても良いし、鍋も良いし、バター焼きなんかも最高ですよね!」


「そっそれは、本当か!?」



 皆さんが、驚いている…。ヨダレが垂れてない?



「どうやって、見分けるのだ?我等は、昔から毒として見てきたからな」


「僕も完全には…見分けられないです。プロじゃないですからね」


「鑑定の魔法は無いんですか?何でも見分けられるじゃないですか。食べ物や鉱物とか。上手くいけば、自分達のステータスなんかも」


「「「「「……」」」」」



 ちょっとした移動時間で、またこの世界に革命が起きた。



「なっナナセどうやるんだ?その前に、おっおい、各国の研究者にも至急連絡しろ!転移陣を使っても構わん!」


「はっ!」


「うーんと…そうですね。イメージとしては…目に魔力を、集めるのかな?そして見た物の情報を読み取るイメージですかね…詠唱が必要なら…『森羅万象の神よ、この真理を教え賜え』ですかね!まぁ上手くいけばですけどね!」


「兄上!今すぐ試しましょう!」


「父上!僕もそう思います!」


「あなた!これは命令よ!山に入ります!」



 ナナセさんのせいで、急に山に入る事に。魔法を調べるだけなら、そこら辺の物で良いのにね。きっと、きのこを食べたいんだろうな…。まぁ僕も異世界のきのこは見てみたいしね。食べられるなら、尚更だ。



※※※



 簡単に言うと、鑑定の魔法は使えた。いとも簡単に…。流石だよ、ナナセさん…。



「こっ、こんな事が…」


「あなた!出来るだけ持ち帰りましょう!」


「僕にはまだ、上手く見えないけど…良し悪しはわかる」


「ジャングラ僕もだよ…目に集める魔力の操作が、以外と難しいかも…」



 結局、沢山きのこを持ち帰った。高級食材の松茸もあったよ。僕達が食べたいという事もあり、訓練の見学後に戦士達と皆で、バーベキューをする事になった。あわてて鍛冶屋に、鉄板や網を作らせに行ったよ。全て食い意地の張ってる、ナナセさんの提案だ。いつの間にか、僕が料理をする事にもなっていたしね…。僕は招待客じゃないのか?誰も気を使ってはくれないのかよ…。



※※※



 きのこを採り終えた僕達は、訓練場に向かった。戦士達は物凄く張り切っているみたいだし。予定よりも遅れたから、急ぎたいところだ。



「いや。参った。キクチにナナセ、本当に感謝する。我々は、山で狩った獣や魔獣の肉や、果実が殆どで、後は交易で買ったものばかりだ。新しい食材が、国内から発見されるのは助かる。新しい森の恵みに、民も喜ぶだろう」


「別に良いですよ!私も美味しい物が食べたいですし!山菜も採れましたしね!店長が美味しい物を作ってくれますよ!」


「ナナセさん無責任な…頑張るけどさ…僕は料理人じゃないよ…一人暮らしだから作るだけなのに…」


「他に何か必要なら用意するが…」


「まぁバターや醤油もあるみたいですしね…調味料は調理場にあるもので、きっとなんとかなるかと…後は適当に野菜や肉でもあれば…」


「兄上!第一部隊だけでも、今から狩りに行かせます。もしくは決死隊を編成しましょう!最高の肉を届けます!」


「そうだな!死ぬ覚悟があるものを選抜し、ドラゴンを狩りに行くか!」



 ちょっと面倒臭いけど、まぁ良いだろう。国が豊かになるのは大変喜ばしい。食文化も、新たな可能性と発展が期待出来る。因みに狩りに行かせるのは、何とか止めて貰った。バーベキューの為に、戦死は勘弁だからね…。そしてこれから行く訓練場は、ナナセさんの出番だ。さて何が起こることやら…。ていうかドラゴンているのね。二年経つけど、モンスターは一匹も見てないよ。食材になった肉だけ見た事あるけどね。いつかモンスターに出会う日は、来るのだろうか…。



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