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32話 パーティー編成

日間ローファンタジー2位!

日間総合42位!

ブックマーク・評価してくださった読者様、ありがとうございます!

追伸:パーティーの説明が長くなったので朝投稿もさせていただくことにしました。

「こっちは人も多いし、女の人もいるんだね」


 ダンジョン【獣】のビルに移動した俺達は適当に買い物を済ませると、早速ダンジョンの受付待機列に並んだ。


 灰人は周りをキョロキョロとしながら何故か感動に浸っている。

 ダンジョン【ゴブリン】には男しかいないのか?


「白石君。本当にダンジョン【スライム】じゃなくても効率よく経験値が稼げるんですの?」

「はい。流石に40階層のミニドラゴンスライム程ではないですが、灰人が居ても安全に経験値が稼げると思います」


 俺のお目当てはホーンラビット。

 角さえ折れば80経験値。嫌というほど湧いてくれればレッドメタリックスライムより効率がいい。

 

 それに、ある程度灰人のレベルが上がってくれればゴールドホーンラビットとホーンラビットの交互経験値狩りで一気にレベルが上げられる。

 わざわざ30分待つボススライムや、強敵のミニドラゴンスライムを相手にするのは現状ナンセンスと言えるだろう。


「ふーんですの。あっ!! そういえば肝心なパーティー編成をしていませんでしたわ!」

「あ、そういえば……」


 ダンジョンに潜る気満々過ぎてうっかり失念していた。

 

「その、俺そもそもパーティーの編成っていうのがよく分からないんだけど……」


 はっとする俺と桜井さんに灰人が困ったような表情で質問してきた。


 昨日探索者になったばっかりで、右も左も分からないのだからしょうがない。

 そもそも俺だって、探索者になって2日後に届いたパンフレットでようやくそういう大事な事を知りえることが出来た。


 もっと探索初心者講座などを探索協会でしてくれないかな……。


「このパーティーのリーダーとなる私が教えてあげますわ!」

「桜井さんがリーダーなんですね」

「不満かしら?」

「適任だと思います」

「ですわよね。それでは気を取り直してお教えして差し上げますわ」


 桜井さんの目に一切の濁りはなかった。

 実際俺よりも桜井さんの方がリーダーシップはある。

 しかし、これだけ自信満々に自分がリーダーと言われるとやはりツッコミを入れざるを得ないと俺は感じたのだった。


 桜井さんのこういう性格にはもっと慣れていかないといけないな。


「パーティーとは最大5人1組の探索形態ですわ。パーティーで行動する事で色々な恩恵を受ける事が出来て、まずその1つ目は経験値の分配ですわ」


 俺が思うパーティーの最大のメリットでありデメリット。

 スマホで忠利から聞いた話だと、これの所為で多くの人がパーティーを組まず、ソロで行動をしていると言っても過言ではないらしい。


「同じフロア内での戦闘で手に入った経験値は誰が倒したのか、誰がどれだけダメージを与えたのか、こういった煩わしいものを全部取っ払ってパーティー編成の際に決めた割合で各々が経験値を手に入れられるんですの。1人当たりの最大は60パーセントで、たとえ一回も戦っていなかったとしてもそれだけ経験値が貰えるんですわ!」


 裏を返せばどんなに頑張っても60パーセントまでが限界。


 これを嫌がる探索者が非常に多いらしく、過去にはランクの高い探索者に寄生して経験値を稼ごうとした奴らが何人もいたとか。


「その割合はこちらで好きに決められるんですか?」

「良いところに気付きましたわね灰人。勿論これは自由に決めることが出来ますわ。ただし、変更する際には一度パーティーを解散してもう一度パーティーを編成しなくてはなりませんの。その場合クールタイムが48時間発生しますので、割合は慎重に決めないといけないんですわ」

「でも、今回は桜井さんのレベル上げが最優先事項だから桜井さんが60パーセント。俺達が20パーセントずつにしようと思う。灰人もそれでいいか?」

「20パーセントでも俺1人でレベル上げするより全然いいんだろ? なら文句はない」


 20パーセントでもゴールドホーンラビットで200。ホーンラビットも通常のコボルトよりも高い16が貰える。

 それも、自分が戦わずしてだ。

 はっきり言ってこんなにラッキーな新米探索者はいないだろう。


「それじゃあ経験値の分配は6:2:2で設定しますわ。他にもパーティーについて説明する事はあるのだけれど、順番ももうそろそろですから、先に編成だけしちゃいますわね」


 桜井さんはステータス画面を表示時すると勢いよく下にスクロールして、パーティー編成の文字をタップした。


 するとステータス画面が五つの手形が映し出される。

 俺もこの画面を見るのは初めてだ。


「ここに手を置いてくださいまし。そうすれば勝手にパーティーメンバー候補欄に表示されるようになって、私の方で2人をメンバーにしたパーティーの作成が出来ますわ」


 俺と灰人は桜井さんに促され、手形に手を乗せた。


『桜井綾子のパーティーメンバー候補になりました。パーティーの編成を待ってください。』


 頭の中にいつものアナウンスが流れる。


 そういえば依頼だと俺にパーティーを編成してくれという風に書いてあったが……。まぁどっちも変わらないか。

お読みいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたらブックマーク・評価を何卒宜しくお願い致します。

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