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ヒーローロード・リメイク  作者: MrR
ブラックスカル編
24/40

第23話「ブラックスカル」

 Side 天野 猛


 ジーニアス司令によると廃工場が包囲されつつあるらしい。

 脱出を提案しようとしたところで――


 工場の入り口が爆発。

 爆発の煙の中から現れたのは――


「ムクロ――いや、ブラックスカル――」


 睨みつけるよう白夜は言った。

 黒いドクロ、赤いマント、漆黒のプロテクターにデザイアメダルが幾つもついたサスペンダーを付けた怪人。

 ブラックスカルが現れた。


『巳堂 白夜――俺の下に来ないか? お前には利用価値がある』


 と、ムクロは言う。


「アンタはもうムクロじゃないんだな――ムクロさんならそんな事は言わなかった!!」


『確かに今の俺はムクロではない。君達に分かり易く言えば――ドクロのデザイアメダルの意思その物だ』


「なっ!?」


 メダルに意思がある?

 その事に猛は驚いた。


「そこからは俺が話そう」


 次に現れたのは――


『黒崎 カイトか』


 ブラックスカルが言う通り、黒崎 カイトだった。


「そいつの体内にあるデザイアメダルは、メダルの中でも特注品の黒いメダルでな、そいつが言うように独自の意思を持っているんだ。ジェネシスがまだ存在した時代ではその存在を危険視されて処分される筈だった」


『お前の恋人はデザイアメダルの元となったチェンジメダルの研究者だったな。事情にはある程度精通しているワケだ』


「え!?」


 猛は耳を疑った。

 黒崎 カイトの恋人がデザイアメダルの元となったメダルの研究者?


『もっともその恋人がいたジェネシスの崩壊と共に死亡したワケだが――亡き恋人の意思を継いで殺しに来たのか? この俺を?』


 次々と明かされる新事実に猛は頭が付いていかなかった。


「お前が何を企んでいようが、お前はここで倒す!!」


『やってみるかね? 私は学園その物を敵に回すつもりだ。当然それ相応の準備はしている』


「らしいな」


 と、サスペンダーについた無数のベルトを見てカイトは言った。


「だがここで戦わないと言う理由にはならない! 変身!」


『愚かな――』


 黒崎 カイトは変身。

 機械の黒い鳥を模した戦士になる。


「俺が時間を稼ぐ――その隙に仲間達を引き連れて裏手から脱出してくれ!」


「え、ちょっと」


 そして巳堂 白夜も変身。

 二対一の戦いへと雪崩れ込んだ。


『話を聞かせて貰った。工場の裏手に退避経路を確保している! 今すぐ脱出するんだ!』


「うん!」


 猛は変身、続いて春歌も変身する。

 


 Side 黒崎 カイト


 黒崎 カイトはブラックセイバーに変身してブラックスカルと戦っていた。

 ムクロ本人に格闘技の経験はない筈だが明らかに洗練された格闘技の動きで此方を圧倒している。

 恐らくキックボクシングかマーシャルアーツ辺りだろうと当たりをつけた。


 二対一での急造コンビなのもあるが、それを差し引いてもブラックスカルの強さは圧倒的だった。


『初めてだな、これ程強い奴との戦いは』


(クソっ、遊んでやがる!!)


 その事に苛つきながらもアームガードのカギ爪、剣やビームガンを織り交ぜて戦う。

 巳堂 白夜は素直に支援に徹しながら戦ってくれていたのが有難かった。


『このまま遊びたいが時間が惜しいのでな――少し本気を出そう』


『『なっ!?』』


 周囲を高速で移動。

 更に複数に分裂して翻弄。

 そして次々と体当たり気味に全方位から攻撃を仕掛けてくる。


『なっ――』


『切り札はとっておくもんだぜ!!』


 白夜のヘルメットの目が怪しく光るとブラックスカルの動きが止まる。


『今だ!!』


 言われずともこの機を逃さずカイトは黒い炎を身に纏って相手に体当たりする。

 ブラックセイバーの必殺技「フェニックスダイブ」だ。

 直撃したが違和感を感じた。


『今のは危なかったな』


『バリアか!?』


 バリアで防がれたようだ。

 同時に体が重たくなる。

 ブラックスカルの周囲の地面が陥没している。


『こいつ、幾つ能力を――』


『楽しかったよ――だがそれも終わりだ。ふん!!』


 ブラックスカルが発光して全方位に光線を発射。

 二人は火花を散らしながら工場の壁を突き破る程の勢いで吹き飛んでいく。



 Side ブラックスカル


 まあいい前座にはなったとは思う。


 そう思った時、政府の役人――確か榊 誠一郎とか言っていたが――が現れた。

 完全武装の兵士。

 さらに見慣れぬパワードスーツを着込んだ連中が何十名も現れた。


『どうした? 日本政府は我々の活動を黙認してくれるのではないのかね?』


「黙れ! お前は危険すぎる! よって、ここで排除する!!」


『その気ならば先程の戦いで援護する形で割って入れば勝率は増しただろうに――まあ漁夫の利を得てあの二つのパワードスーツの技術を手に入れるつもりだったのだろうがな』


「ええい!! 攻撃開始だ!!」


 銃弾の嵐。

 さらにはロケット砲までも使う念入り振り。

 外のローター音を聞く限り戦闘ヘリまで投入しているようだ。


『仕方ない。少し相手をしてやろうか――』


 などと思いつつバリアを張って高速移動する。



 Side ジーニアス司令


 モニターから日本政府の部隊の様子をうかがう。


 戦いは一方的だった。


 銃やロケット砲の類が役に立たない。


 ならばと装甲車や戦闘ヘリも投入したがダメ。

 爆発炎上してしまった


 恐らく学園島から奪った技術で完成させたパワードスーツもまるで歯が立たない。

 

 その隙に急いで黒崎 カイトと巳堂 白夜の救出を優先させる。



 Side ブラックスカル


 失禁している日本の役人の首を締めあげてこう言った。


『警告しておけ。邪魔する者は全てこうなるとな』


 そう言って日本の役人を開放すると脱兎の如く逃げ出した。


『計画を少々早めるか――』


 ブラックスカルは燃え盛る廃工場を背に立ち去った。

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