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19 自推

 先日ネット上で「自推・他推」という言葉を初めて見ました。どうやら「自薦・他薦」と同じように使われているようです。「小説家になろうのおすすめの作品を教えてください! 自推・他推は問いません」みたいな感じです。「自薦・他薦」じゃ駄目なんでしょうか。私、気になります!



 ネットで調べてみたところ、「自推」は「自己推薦」の略語らしいです。でも「自己推薦」という言葉もあまり見慣れないような気がします。日常的に使用する言葉ではないのではないでしょうか。「自分で自分を推薦する」ということを表す場合は、「自薦」を使うのが一般的だと思います。



 では「自己推薦」はどこで使われる言葉かというと、高校や大学の入学試験の一種に「自己推薦入試」というものがあり、入試の際に学校に提出する書類には「自己推薦書(文)」というものがあります。また、多くはありませんが、就職活動で企業から「自己推薦書(文)」の提出を求められることもあるようです。現代日本語で「自己推薦」が使われるのはほとんどが受験用語としての用法です。


 青空文庫では受験用語ではない「自己推薦をする」のような用例が見つかるので、受験用語以外で全く使われないというわけではないのかもしれませんが、国立国語研究所の現代日本語書き言葉均衡コーパスやウェブコーパスでヒットする用例は全て「自己推薦入試」や入試の際に提出する「自己推薦書(文)」を表すものだったので、やはり現代日本語で「自己推薦」は主に受験用語として使われる言葉だと言えるでしょう。


 そして、「自己推薦入試」について書かれたウェブページを見ると、確かに「自推」という略語が見られます。予備校のサイトや入学試験を行う学校のサイトなどで使用されているので、スラング的なカジュアルな用語というわけではないのかもしれません。



 「自推」はいつごろから使われるようになったのでしょうか。2000年代の初め頃の用例を見つけましたが、「自己推薦入試」自体はもっと前からあったと思うので、「自推」ももっと古いのでしょうか。この辺は調べきれていないので、今後の課題ですね。



 また、ツイッターなどで用例を見てみると、「自己推薦入試」の略語としての「自推」ではなく、「自分で自分を推薦する」という「自薦」と同じ意味で使われることが多いようです。元々「自己推薦入試」を「自推」と略していたのが、次第に広く「自分で自分を推薦する」意味で使われるようになっていったものと思われます。「他推」も「自推」からの連想で「他人が推薦する」から「他推」となったのでしょう。


 この「自推」「他推」は「自薦」「他薦」と全く同じ意味・用法なのか、あるいは何か違いがあるのか、用例を見ただけではよく分かりませんでした。

 略語なので俗語っぽいカジュアルな使い方をするのかと思ったのですが、用例はツイッターなどの気軽な場面だけでなく、どこかの市議会の議事録といったフォーマルな場面でも見つかるので、場面を問わず使えるのかもしれません。

 私が調べた限りでは、「自推」「他推」は「自薦」「他薦」と違いは無いように見えました。うーん、使用者の方のご意見を聞いてみたいところです。



 ところで、「“自推”“他推”」とウェブ検索してみると、予想外にたくさん出てきて驚きます。全国各地の様々な賞の募集ページで使われているのです。冒頭に挙げた例文の「自推・他推は問いません」のように。もしかすると、私の思った以上にこの言葉は浸透しているのかもしれません。

 それに対して問題視するような発言はほとんど見られないので、そのうち気づいたら普通に使われる言葉になっていた、なんてこともありえるかも?




 「自推」は「自己推薦」の略語だとすれば、「間違った言葉」ではないのかもしれません。しかしそうは言っても、今のところまだ一般的に広く認知される言葉にはなっていないので、使用には注意が必要かと思います。特別な意図が無い限り、「自薦」「他薦」を使うのが無難でしょう。


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