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試合おしまい

 しかしここからさらにおもしろくなってしまい、つまり何が起きたかといえば、相手のプレースタイルまで変わってきた。


 相手も、打ちたいショットをめっちゃ楽しそうに打ってくるようになってしまったのだ。


 なんかまるでエキシビションマッチみたいになってるぞ。


 そして羽菜の優勢さはだんだん失われてきた。


 でも羽菜も今度はメンタルを崩さない。


 そのまま、また今度はドロップショットを打った。


 そしてワンバンして……自陣に返ってきた。


 すご。完全なスーパーショットじゃん。


 まあ狙ってできるものではないから今のは流石に運のところもあると思うけど。


 でも見てる人々は盛り上がったし、相手は、めっちゃ笑っていた。


 いいぞ面白い試合になってきた。


 そして羽菜のアウェイも消えてるし多分そろそろ、羽菜は賭けに出るタイプのショットをやめるはず。


 そして相手はその変化にまた戸惑うはずだ。


 と予想していたのに。


 羽菜と相手は幼馴染かのように同時に笑った。


 多分相手の方が余裕がある。


 二人同時に、プレースタイルを普通に戻したのだ。


 これは……やばい。


 だけど羽菜はまだまだ勝てると思っていると思う。


 ボールを最後まで追う。


 もうラケットの先でしか触れなくでもちゃんと振る。


 だから……相手のマッチポイントになって、そしてそれを取られても、まだ羽菜が出したサーブが台をはずんでほしいと思うしかなかった。




 だけど試合には負けて、もう相手も球を返してくれなくなってしまったのだ。


 羽菜は落ち込んでると思う。


 急にラケットを握る強さが弱くなって、ボールを優しく床に落として、悔しさを、ちょっとずつ床に渡していた。


 だけどまた足から登ってきてると感じるのか、羽菜はまだまだボールを床に落としていた。


 でも周りからは、羽菜がぼろ負けしているところを見にきた人たちのとは思えない拍手がなっていたから。


 僕は羽菜にその音が小さめになるまで聴いてもらってから、声をかけに行った。

 

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