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試合の日になるまで



 それでもやはり卓球に集中することをためらってしまう日々が続いた。


 そう思いながらも羽菜と練習をしまくっているので、勉強は全然してないし、卓球はものすごくした。


 だから卓球の手を抜いたということはなくて、羽菜とともに、さらに実力が上がった。


 そして試合前日になった。


 今日の練習は少しだけにして、疲れすぎないようにする。


 だから僕と羽菜は、お昼頃帰っていた。


「明日、勝とうね。勝つ。ちゃんと二人で頑張ったから」


「そうだな」


 苦手なショットの反復でミスも減ったし、一回試合にも出たので、メンタル的にも強めに向かえる気がした。


 そして、今日もいつも通り、羽菜と壁の前まで歩いてきた。


 この壁で練習することはなくなってしまったけど、でも、今は今で、努力してるから、なんかそれが形として外に出せたらいいな。


「じゃあ、明日朝ねー」


「おう」


 僕と羽菜は別れる。


 そして明日会って、二人でのダブルスではないけど二人で戦うことが、とても大切なのだ。


 


 家に帰った僕は、プロの卓球動画と自分が卓球しているところの動画を確認した。


 ちなみに今回の初戦の相手は、全国大会レベルほどではなかったので、動画はなし。だからどんなプレースタイルなのかもわからない。


 けど今回は、かなり色々なタイプの練習をやりまくれてるはずだから、相手のことがわからないことはそこまで気にしてない。


 調べてもわからなかったんだから仕方ない。今はミスにつながりうる自分の癖とかを減らすためのチェックをするのが賢い。


 睡眠時間を減らすのは本当にダメなので、十時までと決めてチェックを進めた。


 そして十時半には寝る。


 頭の中で卓球のラリーをひたすら羽菜とやるイメージで眠りに入る。


 羊を数えるみたいなノリだ。


 すごくよく眠れるし、朝起きた時も、卓球のことを考えていることが結構多い。


 卓球に気持ちを向けた睡眠だ。


 勉強とか他のことを考えたくはないから、最近寝る時はこればかりだ。


 



 朝はちゃんと六時に起きて、朝ごはんもいつも通りの量を食べた。


 そしてまた前回と同じ会場に向かうバスに乗るべく、バス停へと歩く。


 歩くリズムとつま先の向きがいつもと違うことに気づき、やっぱり緊張してきたかな、と僕は思った。


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