寝るか寝ないか
そしてそれからお風呂に入って、さらにご飯。
この流れは昨日と同じだけど、昨日より僕と羽菜は静かだった。
まあ下着の話もあるけど、多分普通に疲れてるだけ。
同じ100メートル走るのでも、体育の授業で走ってもなんともないのに、体育祭のリレーで走ると筋肉痛になる。
それと同じで、練習試合とはいえ、普段やってない人と試合してしまうと、本当に疲れるのだ。
これは多分テニスもそうだし全競技そうなんじゃないかなと思う。
そして無言な羽菜の食べる量が多い。
この夕食会場で一番食べてそうな気までする。
一方の僕は、あんまり疲れ過ぎると食欲がなくなるタイプなので、おかわりもせず、元あるのを食べるので精一杯だ。
だけど本当に今日も美味しい。
美味しいんだけど、食べると眠くなる。
消化に精一杯なのか知らないけど、もう頭はなんも働いてない。
なので夕飯食べ終わった後、気がついたら羽菜の部屋にいた。
「ごめん脳が動いてなくて羽菜にそのままついてきちゃった」
「大丈夫だよー。今日はこっちで遊ぼう……ねぇ……」
あ、羽菜が畳に寝転がって寝てしまった。
このままじゃ山は夜寒くなるし、よくないよね……。
僕は羽菜を布団に入れてから、自分の部屋に帰ることに決めた。
で、まず布団を敷くのはそれはそうだけど。
羽菜をどうやって布団に入れるかが問題。
抱っこしていいかな。
いいのかな……いやでもそれ以外に羽菜持ち上げる方法ないよね。
仕方がないから羽菜を移動させるべく羽菜に触れたけどそこで気づいた。
今日右腕もう疲れてるんだった。卓球のせいで。
なのでかなり重く感じる。
そもそも人一人持ち上げるのは大変だし。
羽菜が太ってるんじゃないからね。
で、結局羽菜を半分引きずるみたいにして、布団まで移動させた。
でも、これで大丈夫だな。
僕は部屋を出た。
なのに、夜おそく。と言っても十時くらい。
電話が鳴った。
隣の部屋の羽菜から。
なんだよ。
『拓人が私見捨てていっちゃって寂しいから電話したの』
「だってねてたよな羽菜」
『うん。そうだけど、でもなんか拓人と遊ぼうと思ったのに、目が覚めたら一人で暗い部屋にいて寂しかったよ』
「そうかごめんね」
『でもお布団敷いてくれてて、ほんとありがとう』
「ああそれはどういたしまして」
『で、なんか少し眠くなくなったから遊びません?』
まじかよ。いやしかし僕も眠さの限界とか考えずに遊びたいぞ。
はい決めました遊びますー。
羽菜が私の部屋おいでーと言うので、僕は羽菜の部屋にまた行くことにした。




