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練習試合をすることになった

 で、それからしばらく経ち、羽菜と僕は実夜さんと、おじいちゃんの運転する車に乗っている。


 なんでかというと。


 実夜さんに卓球部だよね? って訊かれて、じゃあ私の学校の卓球部と練習試合しようよ。うちの学校の卓球部も人少ないんだー。って言われて。


 それで実夜さんと一緒に学校に向かっているのだ。


 ちなみに、実夜さんの学校の卓球部は全部で五人。みんな強くて山梨県大会本選まで進んだらしい。


 中学生とはいえ、少なくとも僕よりはかなり格上そうだ。県大会の中でも強い方なんだから。


 まあだからこそ、貴重な機会で嬉しい。


 羽菜も合宿で練習試合できるとは思わなかったって喜んでるし。


 


「東京の高校ってやっぱり、超おしゃれすぎるJKとかいっぱいいるの?」


「いっぱいいないよ別に。そんな変わんないと思うよ。まあ私の学校が東京郊外だからかもしれないけど」


「そっか。でも羽菜さん髪の毛さらさらすぎじゃない? こういうところにもおしゃれでてる」


「これは朝とお風呂で時間かけてるからねー。でも起きた時はいつもやばいよ。すぐ寝癖たつ髪なの」


「そうなんだ〜私も!」


 会話楽しそうにしてる。


 なぜ僕を真ん中にしたんだよこの二人は。両方に女の子がいるのはとてもいいことだけど。


 後部座席のど真ん中で、僕はのんびりと車の前方を眺める。


 山から降りて、盆地みたいなところを走っている。


 人も多くて、自転車で走る女子高生がたくさんいたりした。


 自転車で走る女子高生って、なんか爽やかさがあるから、目で追ってしまう。


 まあその感想はいいとして、そろそろ中学校に着くらしい。


「はい、あそこが裏門だからね、実夜についていけばわかると思うけどね」


「ありがとうございます」


 僕たちは車を降りた。意外と暑い。


「はいついてきてー」


 実夜さんがいち早く裏門を通る。


 すごく大きい中学校だ。しかも綺麗。僕たちの渚ヶ丘学園より綺麗だよ絶対。校舎の壁がちゃんと綺麗に塗られてるもん。


 敷地内を歩いていく。


「ここが体育館。テニスコートはあっちね。一応卓球やってるお客さん連れてくって言ってあるからねー」


「ありがとう」


「じゃ、声かけましょうかね卓球部に。…………おおおおおおおーい!」


 外から体育館の中の人呼ぶの初めて見た。


 というか大きい声。どうやったら出せるんだろう。応援団極めてる人みたいだ。


「声でかっ、と思ったら実夜じゃん」


 体育館の窓が開いた。


「卓球やってるお客さん連れてきた!」


「え、もう来てくれたの? え、やった! 今ちょうど二人しかいないからだらけてたところ。試合やりたい!」


 突然訪ねたのに喜んでくれてる。よかったし、いい人だなあ。


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