表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/103

羽菜④

 女の子の恋バナって久々にやった。


 だから結構な長風呂をしてしまっていた。


「じゃあ一緒に卓球を頑張れてる関係だって心から誓えたら、もう完璧に好きってことね」


「そう、かなと」


「えでも、もうそうなんじゃない?」


「そうかも……」


「じゃあ、この合宿中に告白!」


「ええ……」


「私告白見たい!」


「す、するとしても誰もみてないところでするもん」


「あ、じゃあするかもしれないんだー」


「たぶん……し」


 いや、ほんとはしたい。


 言い訳を思いつかないレベルに好きなのに。


 どうしても告白とかは考えられない。


 でも、合宿とか、いい機会だよね。


 ずっと四日も二人でいるし。


 だから最後の日とか? してみても……?


 考えただけで……。


 あれ?


 恥ずかしいけど、ちょっと、してみたくなっちゃった。

 

「あ、これは、告白を想像してるお時間かな?」


「……」


「かわいいね」


「ありがと……?」


 私たち二人は立ち上がって笑った。


 のぼせるちょっと前くらい。


 もうお腹すいた。


 浴場を出て脱衣所へ。


「夕飯、おばあちゃんがめっちゃ美味しいの作ってるから、早く来てね」


「うん」


 そう話して別れる私たち。


 脱衣所で髪を乾かしてから、暖簾を触ってお風呂を出る。


 パジャマ用ジャージらしきものを着た拓人が待っていた。


「予想の二倍くらいの長さだった……」


「ごめんね、お孫さんと話したりしてた」


「うん、羽菜より前に出てきた人でしょ。挨拶したよ。なんか驚くほどにこにこしてていい人そうだった」


「うんいい人」


 私はそう返しながら、髪を後ろにまとめた。


「夕飯食べにいく時間はそろそろかな?」


「そうだよ。行こう」


 私と拓人は食事会場を目指した。


 食事会場が近づくにつれ、いい匂いがして、それに比例して思い出してきた。


 去年、夕飯が超美味しくて、たくさん食べたんだった。


 明日もまた運動できるエネルギーを、余裕でとれるくらい、豪華なメニューだった。


 だから今年も絶対美味しい。


 楽しみだなあ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ