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練習のつづき

 ロビーにジュースを買いに行く羽菜と僕。


「なんか……色々あったし、ジュースおごりはなしでも……」


「いやちゃんと勝負だったんだからあげるよ。どれがいい?」


「……ありがと。じゃあ、これかな」


「私もそれ買う」


 羽菜が二本買い、そして落ちてくる冷たいペットボトル。


 未開封のペットボトルを開ける音が連続でする。


「はあおいしい、やっと元気出てきた」


「よかった」


「うん、まだまだ練習だねーっ!」


「試合やりたい」


「いいね、久々に限界までやりたいな、二十一ゲーム勝負くらい」


「ほいほい、最後はスタミナ勝負になるやつな」


「私最近スタミナ上がってきてるからね、ちょっと痩せたし」


「そうなんだ」


「そうなんだよ? なんかなんも変わってないって目しないで!」


「あ、いや変わったと思います」


「筋肉は落としてないはずだしほんと頑張ったから! 身体触って硬いの体感してもいいよ!」


「あ、いや触らなくてもわかる」


 わからないけどほんとは。


 女子同士のじゃれあいならそういうのを確かめ合えるかもしれないけど、僕は勇気がでない。


 まあ羽菜の努力はピンポン球を打ち合うことで体感するしかないな。



 

 疲れていたし気持ちよかったので、二人ともその場でジュースを飲み干してしまった。


 またホールへと戻る。


「さて、試合始めましょう。あ、で、そういやアイテム持ってきました!」


 鞄からそこそこ大きなものを取り出す羽菜。


「ビデオカメラ……?」


「そう。録画すれば弱点とか見返せるでしょ。スマホだと容量がいっぱいになりそうだから持ってきた」


「流石羽菜。ありがとう」


「何ゲームかごとに動画見て、修正したい点とか決めてから次の試合始めよう」


「了解」


 


 こうしてまず第一ゲームから始めて、第五ゲームくらいまで終えた。


 今ゲームカウント2対3で負けてる。


「動画分析タイム!」


 ビデオカメラをパソコンに接続し、動画をパソコンで見れるようにする羽菜。


「あ、私トイレ行きたいから先見てていいよ」


「わかった」


 羽菜からワイヤレスマウスを受け取り、それで動画をゆっくり見ていく僕。


 途中で羽菜がめっちゃ近づいてきた。


 カメラの近くのボールをとりにきたみたいだ。


 おおお。太ももがすごい画面いっぱいにでかい。羽菜のお尻と太ももしか画面にない……!


「変なところで止めてるし拓人。ま……男子ってそんな感じかまあ」


「え、ええ! あ、ごめん、あの、えもう戻ってきたの?」


「おしゃべりとかしなけりゃ女子もトイレそんな時間かからない時はかからないから。ま、油断してましたね? 拓人くん」


「うわあごめん」


「ていうか私の脚ここに生であるから顔近づければいいじゃん」


「いや大丈夫だから最初から動画見よう!」


「予想以上に焦ってるんで可愛くなってきた」


 羽菜は僕の隣に脚を伸ばして座った。


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