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ゲームを楽しむ

 というわけで他のゲームをしようと思ったんだけど。


「これは何?」


「てぇぃぶるてにす」


 そうだな。


 結局ここでも卓球をすることになってしまった。


 けど、ゲームセンターなだけあって、色々と仕掛けのある卓球だ。


 気づいてしまった。


 これなら勝てる説ある。


 しかも未だに若干脚が震えてるし、羽菜。


 ワンピースの上からでもわかるから若干じゃなくて結構震えてるな。


 


「じゃあ、サーブ私からでいい?」


「いいよ」


 多分これ、台がななめる仕掛けが最初に発動すると思う。


 だから……とりあえず台の近くで僕は構えた。


 羽菜がサーブを打つ。


 羽菜側の台にボールが触れた瞬間、台が傾いた。


 予想通り……!


 いやあ、よくできた仕組みだな(本日三回目)。


 しかしその仕組みに対応した僕の勝ちだなやった!


 ぶおっ。


 は?


 突然風が吹き、ボールが曲がった。


 僕は空振って、さらにラケット持った腕を横の柱にぶつけた。


「ふ……ふふふううう!」


 こらえきれないふりしてこらえる気のない笑いやめなさい。


 くそ。風は予想外すぎる。


 ていうか風は流石にピンポン球に当てたらダメだろ。


「うん、クソゲーだな」


「あれれ? 自分がダサい空振りしただけでクソゲーとか言っちゃうのかなあ?」


「うざい……」


 これがかの有名な四字熟語、立場逆転か。


 仕方がないから戦うことにしよう。見てろよ僕の対応力を。




「いやあ、まさかの三ゲームとも余裕勝ちとは。実際の卓球よりもさらに実力の差あったかもね〜」


「悔しい……次エアホッケー!」


「はーい、来ました拓人のムキになるお時間」


「まだウザいモードなんかい」


「ぼちぼちやめる。だいたいゾンビの記憶がなくなるくらいにやめる」


「あー、なるほど」


 そもそも、羽菜の胸によってゾンビの記憶が弾き飛ばされた僕と違って、まだゾンビの印象があるのか羽菜には。


 まあそれなら少しだけウザくても許しましょう。


 しかし。


 エアホッケーも負けてしまった。


 三連敗。


 エアホッケーも卓球も、瞬発力の差が実力の差になってる可能性が高いんだよな。


 でもその代わり、すごく元気になった羽菜が、次やるゲームを探していた。


 うん、羽菜が回復したなら負けてよかったかなってなる。


 真剣勝負は競技の卓球だけで十分だ。


「音ゲーやろうよ。そう言う私が下手すぎるんだけど」


「僕も下手だわ。でもやろうか」


「うん」


 こうして羽菜と僕は、何時間もゲームセンターで楽しく過ごすことができた。


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