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天城院家 2


 それから私たちは先程の言葉通り、天城院家専属の料理人が作ったというやけに豪華な昼食を摂った後、常葉に連れられ地下の体育館へと向かった。



 地下の体育館はとても広く、何でわざわざ地下に作ったんだよ、なんて「もう何も言うまい」と誓っておきながら突っ込まざるを得なかったわけだが、それはさておいて。


 昼食の際に予め使用人に伝えてくれていたのだろう。

 着いたときには既にゴールとボール、得点板の準備がされており、すぐにゲームが始められる状態になっていた。



「お待ちしておりました、お嬢様方」

「ええ、ご苦労様。もう下がっていいですわよ」


 待機していた使用人を下がらせた常葉は続けて私たちの方へ向いて言う。



「では皆様、早速チーム分けといきましょう。グーとパーで決める方針でいいでしょうか?」

「うん、それでいいわ」


 特に否定するようなこともなかったので頷くと、そのままチーム分けが始まった。


 結果としてパーを出した私と真昼。

 グーを出した朝日と夜瑠、常葉の二手に分担された。


 元々奇数のため人数が違うが、そこは交代を挟みながらやるらしい。


 畜生、なんで私はあの時パーを出してしまったのだろうか……。

 奇数組に入り込めば合法的にサボれたのに……。


 小さく嘆息。


「頑張ろうね! 夕ちゃん!」

「あ、うん……」


 この気持ちは真昼には絶対に共感してもらえないだろうなぁ……。


 そんなことを思いながら、無邪気な笑顔と共に拳を向けてくる真昼に適当に返して、アップを始めた。










「あー疲れた…………」

「うー。あそこで決めておけば勝ち越しだったのに……」

「10勝10敗。締まらない終わりだったわね」

「さぁ、皆様。こちらですわよ!」


 バスケットボールを終えた私たちは、汗を流すため、やけに元気の良い常葉の案内の下、風呂へと向かっていた。


「うわ……。でか……」


 暖簾の先にあった、まるで銭湯ほどに大きい浴室に思わず口を溢す。

 我が家も一般的な家庭よりは遥かに大きな浴室を持っているが、軽くそれの倍はある。

 

 うん、絶対に風呂掃除大変でしょ、これ。

 水道費も凄いかかるだろうし……。


 しかし、私と違い、朝日、真昼、夜瑠の三人はキラキラと目を輝かせていた。


「す、凄い……」

「羨ましいです」

「広いって良いわね、夕?」

「あ、うん。そうだな……」


 何が良いのか私には分からないが、とりあえず空気を読んで便乗しておく。



「常葉ちゃん。脱いだ服はこの籠に入れておけばいいの?」

「ええ。そこに入れておけばいいですわ」


 脱衣所で服を脱ぎ、そのまま下着を脱ごうと手を伸ばしたところで、ゾッと寒気がした。

 朝日達も同様に寒気を感じたのか下着姿のまま固まっている。


 原因はすぐに判明した。


「……あの常葉さん。その、あまりジロジロ見ないでくれると助かるんですけど……」


 こちらを凝視していた常葉に恐る恐る声をかける。


「私たちは女同士、遠慮しなくて良いですわよ?」

「いや、遠慮とかじゃなくて、えっと。あまり見られると恥ずかしいんで……」

「そうですか……。ですが大丈夫ですわ。慣れます」


 慣れますってなんだ、答えになってないが…? え、私が間違っているのか?

 ダメだ。私じゃ常葉を止めることはできない……。誰か説得代わってくれ。


 しかし朝日や真昼、夜瑠が説得しても、常葉の視線が止むことはなく、結局折れた私たちは顔が熱くなるのを感じながらも浴室へと足を進めた――――。





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