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90 スーイサイドアベニューの殺人事件

 港付近に建ち並ぶ倉庫街の、スーイサイドアベニューと呼ばれる大通りの13番地に古びた洋館があった。


 GMカルとGMバッドムR(通称R)はその洋館の前に立っている。2人はさっきまでラヴィ達を監視していたが、彼らが挑まされているクエストの最終局面である【ロビーを監禁から救え】が行われるこの場所に、嫌がらせをする為にダイレクトにアクセスして来たところだった。


「なぁ、カル。なんでさっき見てた女が転がった部屋じゃないんだ?」


「そうだなぁ……やっぱそうか、ポインタがズレると思った。多分あれじゃね? この建物自体が最終クエストだから中身にまで細かくアクセス出来ないんだろ。まっいいじゃん中に入ろうぜ」


「いやいやいや……折角何かやるなら、外から仕掛けようぜっ。あいつらもどっかからここに辿り着くんだよな?」


「えーと、ちと待て確認するわ……そうだな、まず海側にあるウォーターフロントパークに馬で登場して、公園のトイレの壁に描かれた血糊のマークを見て、奴らはそれをヒントにここに辿り着くとなっている。公園には犯人が使ったと見られる手袋が捨てられており、犯人の痕跡を辿りながらの謎解きミステリー」

「なんじゃそりゃ」


「手始めに何からイジるかい? Rさん」


「それじゃ、カルさんやトラップを仕掛けておくれ」


「グヘへへ、トラップって何よ? 穴でも掘っとくのか」


「あんま時間ないだろ、玄関からイジるぐらいにしとけよ? 扉を開けたら上から物が落ちてくるとか」


「……そんなもん? もっとこうモンスターが湧くとか色々有るだろうにまさかのど定番、まっいいけど」


 カルが玄関のドアノブを回した。


カチッ


「ギィヤァァァ痛えぇぇぇえっ」


 カルの手に激痛が走った!


「おろろろろ、どうしたっ大丈夫か?」


「っ最悪。針が出てきて手に刺さった。痛っえー。このクソドアがぁ」


 そう言ってカルが玄関のドアを脚で思いっきりキックした。


バンッ


 蹴ったカルの頭に見事な金ダライが落ちてきて……頭を抱えてカルが座り込む。


「ヒャッハッハッハッハッ、ダッセー。何やってんだよ、おめーが引っかかってどうすんだ」


「クッソー、手は痛えけど頭は痛くねぇ、ただカッコ悪いわ、まじ凹む……」


「タライがな」


「チッ、面白くねぇぞR、大体このドアボロいんじゃ。壊れたぞ」


「お前が蹴ったからだろ。直せねぇのか?」


「面倒くせえ、クソッもういい。なんでタライとか用意してんだよっ」


「知らねぇよ、スワンに聞け。さっさと中に入ろうぜ? 他にもこんなのが仕掛けられてんだろ、お前先に解除しとけよ」


「そこまで細かく分かんねえよ。つーか分かるけど見るの面倒だし、設定は極甘なんだから死んだりしないから気にせんっ。行こうぜ」


「じゃっ、お前が先な。俺様は後から付いて行きまーす」


「次お前がやれよR」


「何をだよ、タライか?」


「扉があったらお前が開けろよ。トラップに気をつけてな……」


「ふふふふ、R様のスキルの見せ所だなっ……」

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