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49 AIは進化するわけで

 肉屋のマッテオが手に持っている葉書のような物、何か綺麗に印刷されている


(……印刷?)


「それって写真ですか?」


「そうだよ、写真だ。ほれっ、受け取れ」


「あっはい」


 写真に写っていたのは……体中傷だらけで血を流し、ロープで両手を背中の後ろで結ばれて、両足もロープで結ばれた、何処かの部屋の床に倒れている生々しい白刃のロビーの姿だった。


「エロい……凄い加工技術、アイコラし放題……いやそれは犯罪か……って、マッテオさん。これは何ですか?」


 俺の様子を観察する様にジッと見つめていたマッテオは、返事をするのに少し時間がかかった。


「お前の仲間じゃ無いのか? その娘は」


「っぽいね」


「違っているのか?」


「うーん、微妙かなぁ。そもそもエルフってデフォルトでベースはみんな同じだし、ロビーちゃんには似てるけど、似たような姿のプレイヤーなら何人もいるんじゃないかな」


「では、その写真を見てなんとも思わないのか?」


(なんか誘導しようとしてんのかな? この人。俺にこの写真の女の子エルフがロビーちゃんだと思わせたいみたいだ。乗っかるか? ……いや、もっと色々聞いてみよう。この人NPCだよね、GMが化けてる訳じゃないよね……って思ったら、ますます怪しく思えて来たよ。NPCにお前NPCだろって言うのはタブーみたいだから、いやそれは前にロビーちゃんがNPCにそれを言って、怒らせたからそう思うんだけども)


「マッテオさん、あんた家族はいるの? あっ、個人的な事だから別に言わなくてもいいんだけど」


「家族はいる。妻と娘と息子、爺さんと婆さん、仲良くやってるぞ」


「例えて悪いけれど、この写真の女の子……もしもこの子が、まだこの写真のままだったら、それがマッテオさんの娘さんだったら俺はどうすればいい? もしそう聞かれているんだったら、俺はこう答えるよ。助けに行きたい、マッテオさんの力になりたい」


 俺の言った事を聞いて、マッテオさんは首を横に振って何か呟いている。


「駄目だ、俺ゃどうすればいいんだ。ネカマのラヴィちゃんは俺の娘を助けたいって言ってるんだ。俺の娘をだぞ、なのにそれを止めるなんてそりゃ無理だ、それどころか俺は……違うっ、俺がやる事は娘を助ける事だ。そうだよ、そうだっんだ! なんて事をやっちまったんだ」


「大丈夫か? マッテオさん」


「すまん、ネカマの……いや、ラヴィアンローズ、ラヴィでいいか?」


「あぁ、別にラヴィでいいよっ、マッテオさん」

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