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91 怪しいギルドはどこ?

ガルフのカレー屋から始まります。

「マスター、おかわりっ」


 ギルド [夜の豹]直営のカレー屋、ガルフのカレー屋のカウンター席から声がかかる。


「よく食べられるね。さっきのも大盛りだったのに」


「うおっ、巴さん。今日は店に居たの?」


 たまにだが、[夜の豹]のギルドメンバーが店を手伝う事がある。今日はたまたま、と言うよりも、先程流れた運営からの全体アナウンスを見て各々がギルドハウスに戻って来たという事でもあった。


「復活の果実って、ダッジのギルドじゃ話題になっていないの?」


 巴御前がダッジの空いた皿を片付けながら、聞いた。ダッジはギルド[ベルベッタ]のギルドマスターである。


「俺がここに居るんだぜ。そのうち他の面子も出て来るよ」


「ここに?」


「おうっ」


「なんでここよ?」


「だってよ、あんたらがどう動くか知りたいからさ。あぁ俺って素直」


「だって」


 厨房の中に立つガルフに聞こえるように、巴御前が言った。


「マスター、お姫様は最近来てるのか?」


「あっ、そういう事か。ガルさんとリサ姫は繋がってるもんね。という事はやっぱり復活の果実が気になるわけね」


「まあね、ペットシステムだろ。しかも対象はなんでもいいって事だし、上手くやればドラゴンを相棒にする事も可能だって聞いている」


「その話は本当? 誰から聞いたの? アナウンスにはそんな事は書いてなかったわよ」


「あぁ、この話な。さっき公文書館でさあのアナウンスを流したGM本人と、たまたま会ったんだ」


「ふーん、相変わらず詳しく教えてはくれない不親切運営様よねっ」


「巴さん、俺もおかわり」


 カウンターの別の客、メカマニアからもおかわりコールが掛かる。そしてそのまま会話に加わって来た。


「自分達で調べて、その情報が金になるシステム。だから公式サイトには何か知りたければ公文書館へとしか、書かれていないんだもんな。俺もさっき行って来たんだけどさ、新しいグアナコ情報があったぜ。1部分だけの公開だったけど」


「えっ、本当? 何て書いてあったの」


「ドロップアイテムのクラスが、オーラ1クラスが最低で、中には最初っからオーラ2クラスのアイテムがドロップしたって話だ」


「それまじっ? 他には」


「他に?」


 そう言って不敵な笑みを浮かべるメカマニア。周りの客も聞き耳を立てて食べるのをやめている。


「情報料が300万レイだ」


「高っ、ボッタクリじゃね。ねぇダッジ」


「いやそれがな、その張り紙俺も見たんだけどさ、ファンフル・フォレストファング・ボウって知ってるか?」


 少し立ったまま考える巴御前。


「つまり、グアナコはファンフルグアナコって事で、ファンフルグアナコからはオーラ2までのドロップがあるって事。それからファンフル・フォレストファング・ボウは、この世界に出て来たんなら弓の系統図に出てるはずよね。見てみる」


 巴御前は視界にアイテムウインドゥを開き、武器の系統図を表示させた。おそらくカウンターに座る他の客達も同じ事をやっている。


「うへっ、かなり間が空いてる。3枚目のページじゃん、だから分からなかったんだ」


 巴御前が普段使っている弓は、魔法弓の日向(ひゅうが)。たまにモンスターからドロップした別の弓を使う事もあるが、その弓は系統図の1ページに載っているクラスでしかない。というか2ページ目はまだ何も載っていない状態だったのだ。


「凄。これ出たの」


 確かに系統図の3ページ目に載っている武器なら、現時点で最強であるし市場価格もとんでもない額になるはずだ。つまり情報料の300万レイというのも納得の行く価格であった。


「いくらぐらいするかな?」


「今現在の露店価格から見て、200〜300万ってとこじゃねえかな?」


「どこのギルドか知ってる?」


「いんや。だからここに来てるわけだ、ははははっ」


「だよなぁ」


 そう言ってダッジが2皿目のカレーを食べ始めた。


「だからこんなに今日はお客さんが多いんだ」


 アクエリアのギルド、夜の豹はアクエリアの街のギルドの中ではトップクラスである。販売される情報の出所は、たとえ購入したとしても分からないようになっているので、ならば1番怪しいギルドに探りに来るのは自然な流れであった。



 ◇◇◇



「いい匂い」


「寄りますか? ご主人様」


「ガルフのカレー屋。また今度ね、行きましょ」


 ギルド・テンペスタのメンバーが北東に向かう道を進む。目指すはアクエリア城、もうすぐ視界に見えてくるはずであった。


「この辺りってすごく感じがいい街よね。さっき苺が来てたんでしょ」


「空いてねぇんだよなぁ。人気の高級住宅街なんだって。城にも近いし、緑も多くてついでに家賃も高い」


「そこは?」


 目の前にポツンと建つ家。樹木が絡んだまるで樹と一体化した家屋。誰も住んでいる様子は無い。


「ああそこ。俺も気にはなったんだけど、誰も居ないし持ち主も分からないし、売ってる訳でもないし」


「鍵は?」


「掛かってるよ」


 玄関のドアに手を掛けたルクが言った。


「そう。じゃあ住んでもいいわねっ」


「「「「えっ」」」」


 ご主人様に躊躇は無かった。


露店 : 個人で街角に立って物を売っている行為。 店を通さずに売買や物々交換を行う事が出来る反面、詐欺やRMTに繋がったりもする。 アンタレスでは禁止はされていないので自由に行える行為。

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