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118 いざ、お披露目会へ!

 スワンとモフモフさんと、なぜかミュラーさんがやって来た。全員コーヒー党で美味しいって言ってくれて、本当に嬉しかった。


 スワンには2階のどの部屋のどの鏡が、ストレイのあの街角に通じているのか聞くつもりだったんだけど、それよりも今日は大事な用がある。


 モフモフさんとお姫様のお披露目会を見に行くという、大事なイベントだ。裏口から入る為にスワンを呼んだので、ゆっくり出掛ける事が出来る。実はミュラーさんも初めてだそうだ。


「でも僕はお姫様には興味は無いっ」


 なんて言って私の方を見るから、モフモフさんがニヤニヤしはじめた。そりゃ確かにあたしゃ男ですとも、元はね! でも今は違うでしょっ、現世に囚われる必要も無くなったんだから。


「ミュラーさん、あのね、私は本当は男よ。わかってる?」


「ふっ、構わないさ」


「ブッ」


 モフモフさんがコーヒーを吹き出した。


「ミュラーさん、やめとけっ。ラヴィちゃんにはちゃんと彼女がいるぞ。しかも嫉妬深そうな、キレたら何をされるかわからない超絶よくわからない系の美少女だ。下手に手を出したらヤバイぞ」


 自分の服には吐かなかったモフモフさんが汚したテーブルをフレディが拭いている。


「相変わらずおしゃべりね、モフモフさん」


「だって黙ってた方が悪いぞラヴィちゃん。こんな事はさっさと言っておくべきだ。だよなっミュラーさん」


「えっ、いや、彼女って…… 彼女に彼女、そっち系だったの?」


 (それ言ったら百合じゃん…… 流石に私もわかんない世界だわ)


「あのね、私ラヴィは男で女の子なの。スワンのせいでこうなったんだけど、仕方ない事だわ。ミュラーさんの気持ちは嬉しいけれど、あなたにはもっと別にいい人がいるはずよ」


「そうなのかスワン」


 黙って聞いていたスワンにミュラーが聞いた。


「そうだろう」


 きっと今の返事は適当だ。


「同じGMとしてこれからも仲良くしてね、ミュラーさん」


「もちろんだっラヴィちゃん。スワンだけじゃなく俺にも何か言ってくれ。プログラムには強いぞ俺は」


「えぇっ、凄い心強い」


 身を乗り出して両手でお願いポーズをしたら、モフモフさんが手で目を覆った。


「そろそろ行こうか」


 スワンがそう言って立ち上がった。


「ご馳走さまラヴィちゃん。美味しかった、また飲みに来るよ」


「うん、2階の鏡もあるしね。何なら部屋も空いているわよ。家賃は取るけれど」


「いやいや、僕は城に行かないといけないしね」


「あっ、そっか」


「GMは、公文書館が基本的に常駐する場所だ。だよね、ミュラー」


 ミュラーさんが何か言う前にスワンが言った。


「俺もまたコーヒーを飲みに来てもいいかな?」


「うん、いいし公文書館には持って行くわ。私もGMなんだもん、通勤しなきゃね」


「楽しみだ」


 嬉しそうなミュラー。フレディがそばに来て小さな声で言った。


「嬉しいって、あんな気持ちなんですね」


 もしかしたら違ってるかもしれない、でもそうだと答えた私。


 ちょっと緊張したモフモフさんが髪型を直して振り返った。


「行こうラヴィちゃん、やっと行くぜっ。俺も参加するからっ!」


 噂のお披露目会に? あの地獄と言われるようになったお姫様のお披露目会。撃沈はお決まりコースだが、その過程が非道過ぎて毎日盛り上がっているそうだ。


「スワン、もしもお姫様のパートナーが決まってしまったら、お披露目会は無くなってしまうの?」


「いや、次があるんだ。まだそれこそ極秘なんだが、今度は王子様のパートナー探しだ。女性のユーザーも沢山いる事が分かったし、1人うるさいのが居て王子を出せ、王子イベントをしろと……」


「ソフィーか誰かが言ったの?」


「いや、ラヴィちゃんとモフモフのよく知っている女の子だ」


「えっ、もしかしてロビーちゃん?」


「ロビーちゃんと会ったのかスワン」


 そう言えばモフモフうさぎは、ロビーを救えクエストを霧の谷ストレイでやったのだ。


「色々事情があってロビーちゃんは今、城に住んでいる。ログイン、ログアウトも城の中で行っているんだ」

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