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108 龍の加護

 初めて会うスワン以外のGMのメンバーの前に出て、モフモフうさぎが自己紹介を始めた。


「モフモフうさぎです、よろしくお願いします。ご存知のようにユニーク武器のライジングサンの所有者です。えっと、これは前任のバッドムRさんがくれたものです」


「これって言っても、どれ?」


 ミュラーが口を挟む。モフモフうさぎは両手を前に出して言った。


「この両手に装備したガントレットがライジングサンです。必要な時には、2本のサーベルに変化します」


「俺のプライネみたいな物か」


「ふ〜んユニーク武器のサーベル。どんな物か見せてくれます?」


 ピクシーがモフモフに言った。彼は霧の谷ストレイでモンスタートレインを止めたモフモフうさぎの姿をモニター越しに見ていた1人だ。


「ちょっと離れて、長いから」


 モフモフうさぎはそう言うと、両手を斜に構えた。次の瞬間、ガントレットが金色に光ってライジングサンに変化した。


 近くで見ると、刀身の峰の部分に重厚な装飾が施された美術品のような雰囲気が醸し出された業物。刀身の長さは80cmほどで、柄の部分がドラゴンの頭の形をした半月状の鍔になっている。刀身の根元の幅は広く、先端に向かって細く尖っていく特殊な形状をしていて左右対称の剣ではあるが、鍔の部分のドラゴンの目玉の色が違っている。左手が赤紫、もう片方が金色。


「凄い迫力、これがライジングサンですかっ!持ってみてもいい?そんな剣を1回振ってみたかったんだ」


 ピクシーが周りの人間に同意を求めるように言った。


「俺は構わないけどさ」


「やめとけピクシー。プライネと同じユニークだ、持ち主を選ぶアイテムだぞ」


「持つだけならどうなのかな?」


 モフモフうさぎが右手のライジングサンをピクシーに渡しかけて、そのまま右手を添えている。受け取ったピクシーが首を横に激しく降った。


「無理、無理、無理、無理。これっ、何?何?持てない、落とす。どえらい重い。ええっ、なんで?なんでモフモフさんは片手?」


「ふんっ、ほら見ろ。言った通りじゃないか。何かは知らないが、ユニーク武器を持つには条件があるはずだ。そうじゃないか?モフモフさん」


「スティングだよな、ドワーフの王子。モフモフでいいよ。確かにあんたの言う通り、こいつを持つには条件があるってこいつが言ってた。えっと、確か龍の加護ってのが無いと持てないんだっけ。実際は重いがその加護があれば軽くなるとか、確かそうだ」


「龍の加護って、モフモフはいつ身につけたんだ?まだ誰もドラゴンと会ってないはずだし、そもそも龍の加護の発生条件もいろいろあるはずだ」


(古代竜の信仰の谷かそれも俺のせいだ)


 スワンが思い出した。モフモフを見て目が合う。


「俺は、龍に喰われた。生きたまんまなっ。多分それが条件だ」


(所有者よ。龍の加護だけでなく、お主が金剛の加護も身に受けたお陰で、我は更に高みへと近づいたわ。益々、精進に励め)


 ライジングサンがモフモフうさぎに言った。


「あと、今こいつが俺に話したんだけど、所有者を決めるのはあくまで自分だそうだ。他にも加護があると良いとか言われたよ。確かに1番最初は俺も触れなかった。千年早いって怒られたような気がする」


「すいません」


 なぜか謝るピクシー。


「プライネは気に入れば誰でも良いと言っている。どうすれば気に入られるのかはわからないがな」

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