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35 外壁の上の遊歩道

 ラヴィから聞いた霧の谷ストレイの話、モフモフうさぎにとっては、ロゼッタやリサ、マッテオと出会ったクエストフィールドでもある、アンタレスとは違うもう1つの世界の事。


 進化と変化が根底に流れている中に、ラヴィという人間の頭脳が取り込まれて、それに世界観が染められた、簡単に言うとそう言う話だった。


「そんな事が可能なのか? と言う話は別にしてさ、実際に目に見える形でラヴィちゃんが言っている通りなのかの証明は出来るのかな?」


「それは僕も考えたんだ。ずっと考えてた。そして納得出来る話の筋書きはできちゃった、たぶん」


「たぶん?」


「僕の思想、記憶、感覚、それがあの世界に統一感として流れているのならば、僕の知っている味覚も当然存在するようになっているはずだよね。それならば、あの世界に入った僕以外の人は、まだアンタレスのこちらの世界では感じることのない、食べ物の味を感じる事が出来るようになっているはずなんだ」


「じゃあ、俺が霧の谷ストレイに行って何かを食べた時に、味がしたらそれはラヴィちゃんの知っている味が反映されている証明って事なんだな」


「どう? この仮説。もし上手く行ってたら、美味しい物を美味しく食べる事が出来ちゃうんだよっ」


「それはこっちの世界にも反映されていないの? ラヴィちゃんがこっちに来てんだし」


「う〜ん、それはどうなんだろう? モフモフさんはアンタレスで何か食べた?」


「いや、実はまだ何も食べた事が無い」


「じゃあさ、今から何か食べに行ってみようよ」


「俺、金を持って無いんだけど……」


「俺も無い。一文無し」


「ハハッ、スワンが帰ってきたら金借りるか?」


「それともモンスターを倒して焼いて食べてみるとか?」


「モンスター……おっ、そうだ、マッテオ。あっ忘れてた。マッテオをストレイに置きっ放しにして帰って来てた。もう帰って来てるかな? ラヴィちゃん、マッテオの店に行ってみない?」


「それいいねっ、ステーキがただで食べ放題かもしれないじゃん!」


「スワンがまだ帰って来ていないけど……」


「大丈夫、モフモフさん。僕本人がここに居るんだ。結果は変わらないよ、行こう、なんかステーキの味が口の中でして来た」


「そう言われると俺もだ、コショウってあるのかな?」


「マッテオの店ってどこだっけ? モフモフさん覚えてる?」


「おうよっ、案内するわ。この前マッテオと一緒に行ったんだ。奥さんとも挨拶して来た」


「そっか」


 モフモフうさぎが外壁の上の遊歩道を右周りに歩き出した。マッテオの店に行くには、外壁の上を歩いて移動した方が早い。


「モフモフさん、僕達もギルドを作らない?」


 ラヴィが後ろから声をかけた。


「いいなっ、そのつもりだったけど色々ありすぎて……で、ギルドの名前って何にする?」


「ロビーちゃんも入るだろうし、聞いてみないとね」


「そうだな、前にやってたゲームでもその辺で揉めたもんな。前のゲームはクランだったけど、名前を決めた時に、抜けたメンバーが何人も居たと言うひどい話」


「分かるよ、僕も前のゲームのギルド、僕の場合は騎士団だったけど、微妙な名前だったよ。全然愛着が湧かなかったし」


「だよなぁ、カッコイイのがいいよな」

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